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妊娠中に起こりやすい「妊娠性歯肉炎」とは

更新日:2017/12/13 公開日:2016/06/29

歯肉炎の基礎知識

口腔内のトラブルとして有名な歯肉炎ですが、実は妊娠中に歯肉炎になりやすいことはあまり知られていません。ここでは、なぜ妊娠中に歯肉炎になりやすいのか、またそのケア方法と、放置すると意外な影響があることをドクター監修の記事で説明します。

歯肉炎は歯肉が炎症を起こしたり出血したりする口腔内の病気です。実は妊娠中に発症しやすい病気の一つでもあります。

妊娠性歯肉炎が起こる理由

妊娠すると、女性ホルモンのバランスが変化し、歯肉炎や虫歯など口腔内の病気にかかりやすくなります。

つわりや食生活パターンの変化によって口腔環境が悪化したり、女性ホルモンが増加した環境を好む細菌が増えたり、粘性の高いプラーク(歯垢)が蓄積して口腔内が粘つき、唾液の分泌量が減ることによる口腔内の自浄作用が低下し、口腔内が酸性に傾いて、やがて歯肉炎となります。出産を終えてホルモンバランスが回復すると症状は軽減、消失します。

他の歯肉炎と同様に、歯肉の炎症や出血が主な症状ですが、痛みを伴わないため放置してしまう人が少なくありません。

妊娠性歯肉炎のケア方法

妊娠中でも、口腔ケアは欠かすことはできません。きちんと歯磨きをして、口腔内を清潔に保っていれば、歯肉炎を予防でき、仮に発症しても軽度で済みます。

とはいえ、妊娠初期では、つわりがひどく歯ブラシを持つのもやっとという人も多いはずです。無理のない範囲、時間帯で、歯磨きをしましょう。

歯磨き粉は使わなくても大丈夫です。大人用の歯ブラシで嘔吐反射が出てしまう場合には、子供用のヘッドの小さな歯ブラシもおすすめです。どうしても歯磨きが難しい場合は、食後に水を飲んだり洗口液を利用したり、キシリトール配合のタブレットの活用やガムを噛んで唾液の分泌を促すことも口腔内を清潔に保つ方法の一つです。

安定期に入り、歯科医院での治療ができるようになれば、プラーク除去や歯石除去などの処置を受け、プラークコントロールを行います。また、毎日の歯磨きは徹底して行い、口腔ケアを十分にして歯肉炎のリスクを減らすことが重要です。

妊娠時の歯肉炎の影響

妊娠時に歯肉炎になり、それが進行して歯周炎になった場合、出産にも影響が出てきます。歯周病の妊婦は、歯周病でない妊婦に比べ、早産(低体重児出産)になる確率が約7倍にものぼるといわれています[1]。

つわりによって十分な口腔ケアができなかったり、食生活が乱れることで、口腔内の歯周病菌が繁殖することがあげられます。歯周病菌がたくさんいると、母体は免疫反応として炎症性物質を作り出します。この炎症性物質には、妊娠末期に産生される物質と共通するものがあります[2]。そのため、子宮の筋肉の収縮が促され、早産に繋がると考えられます。

歯肉炎も歯周炎も痛みがほとんどないことから、気づいた時にはすでに進行しているケースも少なくありません。

妊娠中はもちろん、妊娠前からの適切なプラークコントロールが、元気な赤ちゃんを出産するためにも重要となりますので、定期的に歯科検診を受診しましょう。

参考文献

  1. [1]Offenbacher S et al. Periodontal infection as a possible risk factor for preterm low birth weight, J Periodontol  1996; 67(10 Suppl): 1103-1113
  2. [2]特定非営利活動法人 日本歯周病学会編. “歯周病と全身の健康” 日本歯周病学会.
    http://www.perio.jp/publication/upload_file/guideline_perio_body.pdf(参照2017-10-26)

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