ヒゲやムダ毛を処理した後にできてしまった、ニキビのようなブツブツや痛み。それは、もしかしたら毛嚢炎(もうのうえん)の症状かもしれません。毛嚢炎の主な症状や、症状に気がついたときの対処法にはどのようなものがあるのか見てみましょう。
毛嚢炎の主な症状とは?
毛嚢炎の主な症状は、皮膚にできる小さな赤いブツブツ(丘疹)です。ニキビのように、ブツブツの真ん中にうみを持った膿疱(のうほう)ができることもあります。軽度であれば、痛みやかゆみをほとんど感じないことが特徴です。悪化すると癤(せつ)や癰(よう)となり、ブツブツの部分が硬くなって痛みや発熱などをともなうようになります。
顔にもできることが多い毛嚢炎は、見た目がニキビと似ています。ニキビ(痤瘡)の1つひとつは毛嚢炎ですが、「毛嚢炎」のほかに「面皰」と「ニキビ跡」が混在しているのがニキビの特徴です。
毛嚢炎のうみを培養してみると「黄色ブドウ球菌」「表皮ブドウ球菌」のいずれか、または両方が検出されることが多いです。
毛嚢炎ができやすい場所は?
毛嚢炎には、「炎症が少ないタイプ」と「炎症が強いタイプ」とがあり、女性と男性によってできやすい場所も異なります。
女性の場合
女性がかかりやすいのは「炎症が少ないタイプ」です。肌に赤みの少ない小さなブツブツができ、痛みやかゆみはあまり感じません。
毛嚢炎ができやすい場所は、顔・おでこ・背中・わき・ひざ・ふくらはぎ・陰部などです。脱毛や除毛を行う機会が多い女性は、ムダ毛の処理によって毛包が傷ついて発症することがあります。
また、デリケートゾーンなど下着に覆われている部分は湿度が高いため、雑菌が繁殖しやすく毛嚢炎を起こしがちです。とくに、生理でナプキンを使うときや、ストレスなどで免疫力が低下しているときは毛嚢炎にかかりやすくなります。
男性の場合
男性は、顔のひげ剃りをした後に「炎症が強いタイプ」の毛嚢炎を発症することが多いです。カミソリ負け(尋常性毛瘡)の1つひとつも毛嚢炎で、赤みをおびてヒリヒリした痛みを感じることがあります。これは、皮膚の表面だけではなく、毛穴の奥にある毛包もダメージを受けている状態です。
毛嚢炎に気がついたときの対処法
毛嚢炎は誰にでも起こりやすく、症状が軽い場合は自然に治ってしまいます。赤みや痛みがなく、ブツブツの数も少ない場合は様子を見てみましょう。たまに症状が出る程度であれば心配はいらず、経過を見ていく程度でよいと思います。
症状が長引く場合、または何度もくりかえす場合は、衣類による肌への刺激、ステロイド剤の使い過ぎ、生活習慣など思い当たることがないか一度考えてみましょう。痛みやかゆみが強いときやブツブツの数が多いときは、皮膚科に相談してみるとよいでしょう。
毛嚢炎の治療法について、詳しくは『毛嚢炎になってしまったときの治療とは?』で解説しています。
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