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アメーバ赤痢はどんな病気?アメーバ赤痢の基礎知識

更新日:2017/03/22 公開日:2016/06/17

アメーバ赤痢の基礎知識

アメーバ赤痢は、赤痢アメーバが原因となる感染症で、細菌性赤痢とは異なる病気です。そこで、アメーバ赤痢とはどのような病気なのか、また、感染の原因や感染経路など、アメーバ赤痢の一般知識についてドクター監修の記事で解説します。

海外旅行から帰ってきたとき、お腹の調子が悪い……という経験はありませんか。それ、実はアメーバ赤痢かもしれません。海外渡航者の間や福祉施設などでの感染例が多いアメーバ赤痢とはどのような病気なのでしょうか。

アメーバ赤痢ってどのような病気なの?

アメーバ赤痢は、赤痢アメーバという原虫が病原体となる感染症で、赤痢菌が原因となる細菌性赤痢とは異なる病気です。世界では、途上国を中心に年間約5000万人がアメーバ赤痢に感染し、約4〜10万人が死亡しています。

日本でのアメーバ赤痢感染者数は、年間700〜800人ほどで、死亡することはほとんどありません。海外渡航者に多い感染症ですが、日本国内では福祉施設での集団感染や男性同性愛者間での感染例が増加傾向にあります。

アメーバ赤痢は、そのほとんどが腸管に感染し炎症を起こす「腸管アメーバ症」ですが、腸管から血液に乗り肝臓や脳、肺などに病変が形成される「腸管外アメーバ症」を引き起こすことがあります。腸管外アメーバ症は、肝臓への感染が多く見られ、肝臓に膿が溜まる「肝膿瘍」を起こすことがあります。

アメーバ赤痢の原因と感染経路は?

アメーバ赤痢の原因は寄生虫

アメーバ赤痢の原因である「赤痢アメーバ」という原虫は、寄生虫の一種です。原虫は、肉眼では見ることができず、顕微鏡による検査で確認することができます。

アメーバ赤痢の感染経路は経口感染と性的接触

アメーバ赤痢の主な感染経路は、アメーバ赤痢を含んでいる便などで汚染された水や食品を口にすることで感染する「経口感染」です。しかし、先進国を始め日本国内では、衛生環境が整っているため経口感染はほとんどなく、「性的接触」による性感染症として感染するケースが増加傾向にあります。アメーバ赤痢は、症状の有無にかかわらず、赤痢アメーバに感染している場合は他者へ感染させてしまう可能性があるため注意が必要です。

アメーバ赤痢の感染経路について、詳しくは『アメーバ赤痢はどのように感染するの?感染経路は?』をご覧ください。

アメーバ赤痢の症状は?

アメーバ赤痢に感染し、症状が現れるのは、全体の10〜20%ほどのため、感染に気づかずに過ごしていることも少なくありません。一般に赤痢アメーバの病原体を摂取後、2〜4週間後に症状が現れますが、数か月〜数年後に症状が現れるケースもあります。

腸管アメーバ症の症状

腸管アメーバ症の症状は、粘血便(イチゴゼリーのような色や粘り気のある便血液と粘液の混じった便)、嘔吐、下痢、しぶり腹(テネスムス:頻回に便意を催すのに排便はほとんどない)などが現れ、数日〜数週間の感覚で症状は改善したり悪化したりを繰り返します。発熱や身体のだるさなど全身の症状は見られません。

腸管外アメーバ症の症状

腸管外アメーバ症では、38度を超える発熱や体重減少、寝汗、右わき腹の痛み、全身のだるさなどの症状が現れます。肝膿瘍が大きくなると、破裂してしまい命を落とす危険性もあります。

アメーバ赤痢の症状について、詳しくは「アメーバ赤痢を発症したら、どんな症状が見られるの?」をご覧ください。

アメーバ赤痢の予防

流行地へ渡航する際は細心の注意を

流行地への海外渡航では、感染する可能性のある生水や生肉などの摂取を避け、食事は十分加熱調理する必要があります。また、フルーツや生野菜など、生水で洗った食べ物からの感染や、手洗いを行った水が汚染されており感染してしまう可能性もあります。

性感染を避けることも大切

近年では海外への渡航歴がない人の感染例も増えています。日本を始め先進国では、飲食物ではなく性行為により感染するケース、特に男性同性愛者間での感染が多い傾向にあるのです。

性感染症としての感染を予防するためには、正しくコンドームを使用することや、肛門と口が接触しないような注意が必要です。

アメーバ赤痢には有効なワクチン(予防接種)がないため、赤痢アメーバの特徴を知り、感染しないよう自衛することが大切です。

アメーバ赤痢の検査

アメーバ赤痢の感染が疑われる場合、便や膿瘍液(肝膿瘍が疑われる場合)を採取し、検査を行います。もっとも一般的に行われている検査方法が顕微鏡検査です。寄生虫である赤痢アメーバは肉眼で見ることができません。採取した便などを専用の塗料で染色させ、顕微鏡で観察することで発見につながります。

性行為によりパートナーへ感染させてしまう可能性があるため、アメーバ赤痢へ感染している場合や感染が疑われる場合は、とくに症状があらわれていなかったとしても、パートナーも同時に検査を受けることが望ましいとされています。

アメーバ赤痢の検査について、詳しくは『アメーバ赤痢の検査はいつ行うの?検査方法は?』をご覧ください。

アメーバ赤痢はどうやって治療するの?

アメーバ赤痢の治療では、原因となる原虫を駆除する薬を飲みます。症状が重い場合には、絶食し点滴による治療が行われることや、肝臓に膿瘍ができ、膿が溜まっている場合には、膿を出す治療などが行われることもあります。

薬による副作用(嘔吐や吐き気など)が見られることもあるため、医師と相談し治療を進めることが大切です。

アメーバ赤痢の治療について、詳しくは『アメーバ赤痢に感染したときの治療方法は?』をご覧ください。

アメーバ赤痢についてまとめ

アメーバ赤痢に感染しないためには、その原因、感染経路、症状を知ることが大切です。また、アメーバ赤痢に感染した場合は、重症化する前に適切な治療を受けること、アメーバ赤痢の感染拡大を防ぐことを第一に考えましょう。