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進行状態によって区分される糖尿病網膜症の分類

更新日:2018/05/11 公開日:2016/06/17

糖尿病がもたらす糖尿病網膜症の症状や治療法について

糖尿病網膜症は病期によって単純糖尿病網膜症、前増殖糖尿病網膜症、増殖糖尿病網膜症の3段階に区分されます。付随して起こる糖尿病黄斑症とあわせて糖尿病網膜症の4つの分類について、ドクター監修のもと解説します。

糖尿病網膜症は病期と病態によって4つに分類されます。ここでは、それぞれの特徴について解説します。

単純糖尿病網膜症

単純糖尿病網膜症は糖尿病網膜症の初期段階です。高血糖状態によって血流が低下することで、網膜内の毛細血管の壁に血管のコブやごく小さな出血ができている状態です。タンパク質や脂肪が血管から漏れてシミができることもあります。

単純糖尿病網膜症の時点では、自覚症状はほとんどあらわれません。しかし、この状態が続くと次第に進行していきますので、3~6か月間隔で定期的に精密眼底検査が必要です。また、単純糖尿病網膜症の段階では、血糖コントロールによって症状が改善されることもあります。

前増殖糖尿病網膜症

前増殖糖尿病網膜症は単純糖尿病網膜症より一段階進行した状態です。自覚症状はあらわれませんが、人によってはかすみ目などの症状が出始めることもあります。前増殖糖尿病網膜症の段階になると、初期の段階でみられた血管のつまりや血流が悪くなっている部分が増加します。また、網膜に酸素を供給するために新しい血管(新生血管)がつくられようとする段階で、1~2か月間隔の眼科検査で症状の進行をみていかなければなりません。治療は、レーザーを用いた網膜光凝固術という治療で新生血管の発生を抑え、網膜症の進行をくい止めます。この時期に適切な網膜光凝固術が行われていると、その後の失明リスクを下げることが可能です。

増殖糖尿病網膜症

増殖糖尿病網膜症は進行した糖尿病網膜症で重症の段階です。網膜の毛細血管に血液が行き届かない状態となると、新生血管がしだいに硝子体まで伸びてきます。新生血管は脆いため、破れて出血を起こしやすいのが特徴です。出血が大きくなると、視界に異物が飛んでいるように見える飛蚊症(ひぶんしょう)や視力の低下が起こります。また出血の後に漏れた血液成分が、硝子体にかさぶたのような膜をつくり、網膜に力がかかって網膜剥離を起こすことがあります。いつ出血や剥離が起こってもおかしくない状態ですので、2週間~1か月間隔の眼科検査が必要です。

増殖糖尿病網膜症の治療では、硝子体の手術によって出血などの問題となる部分を取り除き、剥離した部分を元に戻す手術が行われています。

糖尿病黄斑症

糖尿病黄斑症は、網膜の中心である黄斑付近で毛細血管瘤や出血が起こり、黄斑がむくんだ状態です。初期の糖尿病網膜症でも起こる可能性があり、視力低下の原因となります。治療はレーザーによって出血部分を凝固させる、あるいは、ステロイド剤、抗VEGF剤を注射することによってむくみを減少させます。

糖尿病網膜症は早期に対応を始められれば、症状の進行を抑えることが可能です。自覚症状がなくても、眼科のドクターの指示にあわせてきちんと定期検診を受けるようにしましょう。

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