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糖尿病性腎症の進行度を示すステージについて

更新日:2016/12/09 公開日:2016/06/17

糖尿病がもたらす糖尿病腎症の症状や治療法について

糖尿病腎症は第1期(腎症前期)から第5期(透析療法期)まで5段階のステージがあります。ここではステージの判断基準となる検査数値やステージごとにあらわれる症状をドクター監修の記事でまとめています。

糖尿病性腎症の進行度を示すステージとその基準について解説します。

糖尿病を発症し、高血糖の状態が一定期間継続すると腎臓に障害が発生します。これを糖尿病性腎症と呼びます。糖尿病性腎症は、障害の程度により5段階に分けます。その基準は尿に混ざる特殊な蛋白質の量(尿中アルブミン量)と腎臓を流れる血液の量(糸球体ろ過量)によります。

第1期(腎症前期)

  • 微量アルブミン尿検査 正常(30未満)
  • 糸球体ろ過量(GFR/eGFR)正常(30以上)

腎症前期といわれる第1期では、尿への微量なタンパク排出を示す微量アルブミン尿検査や腎臓のろ過機能を示す糸球体ろ過量の数値には異常がみられません。しかし、腎組織を直接採取して検査すると異常がみられることもあります。この時期には腎症の発症を予防することが大切で、過剰なタンパク質の摂取や血糖コントロールに気をつけます。

第2期(早期腎症期)

  • 微量アルブミン尿検査 微量検出(30〜299)
  • 糸球体ろ過量(GFR/eGFR)正常(30以上)

尿に微量のアルブミンが検出される段階は第2期(早期腎症期)に分類されます。第2期になっても自覚症状はあらわれませんが、血圧がわずかに上昇することがあります。

厳格な血糖コントロールなどにより糖尿病治療で改善がはかれる段階です。また、蛋白摂取量の適正化、高血圧や高脂質症の治療も行います。

第3期(顕性腎症期)

  • 顕性アルブミン尿(300以上)または持続性タンパク尿(0.5以上)
  • 糸球体ろ過量(GFR/eGFR)正常(30以上)

尿に持続して多くのタンパク質が排出されている状態が第3期(顕性腎症期)です。この段階になると、手足のむくみやだるさ、体動時の息切れといった自覚症状があらわれはじめます。厳格な血糖コントロールと降圧に加え、食事のタンパク制限が必要となります。

第4期(腎不全期)

  • 糸球体ろ過量(GFR/eGFR)30未満

糸球体の濾過機能が低下し、糸球体ろ過量(GFR/eGFR)が正常値を切るようになるのが第4期(腎不全期)です。尿中のアルブミン量の数字は問われません。自覚症状はむくみやだるさに加えて、顔色の悪さ、手足のしびれ、貧血、動悸、息切れ、吐き気などがあらわれます。尿毒症の症状や心臓に影響が出ることもあります。腎機能低下の指標となるクレアチニン値によって透析療法が検討される時期です。

第5期(透析療法期)

腎臓のろ過機能がほとんど働いていない状態になると、生命維持のために透析治療を開始しなければなりません。透析療法中は第5期(透析療法期)に分類されます。定期的に機械で血液のろ過を行います。透析治療は一生継続が必要です。透析以外の治療としては腎移植があります。

糖尿病性腎症の治療は、ステージにより大きく変化します。腎症が現在どのような状態にあるのか、そして治療や注意が必要なのかを知っておくことは大切です。

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