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カリウムとはどのようなもの?

更新日:2016/12/16 公開日:2016/07/26

ミネラルの種類(3)カリウム

ミネラルの一種として体の中に存在するカリウム。どのような性質を持った元素で、体の中ではどのような働きをしているのでしょうか。ナトリウムとの関係や、カリウムを多く含む食品など、栄養学専門医師の監修のもと詳しく解説します。

ミネラルの一種であるカリウムはどのような性質を持ったものなのでしょうか。また、その性質にはどのような働きがあるのでしょうか。よく比較されるナトリウムとの関係性も確認していきましょう。

カリウムとは

アルカリ金属元素のひとつで、元素記号「K」と示されるものです。

体内においては、細胞内の体液である細胞内液中に主に存在し、ミネラルの一種としても知られています。

ちなみに、体内に存在するカリウムの量は、約3,500mEqです。この内、9割が細胞内液、1割が細胞外液に分布しています。

また、カリウムはさまざまな食材に含まれているミネラルではありますが、摂取したカリウムのうち9割は尿から排出されてしまうのが特徴です。

身体に欠かせないカリウムの働き

カリウムは、細胞外液に多いナトリウムと一緒に、血圧や細胞の浸透圧を調整しています。

浸透圧とは、半透膜で隔てられた濃度の低い液体が、濃度の高い液体の方へ移動し、濃度を均一にしようとする力のことを言います。

人の身体は、通常、細胞の内と外を隔てる細胞膜によって分けられていますが、この細胞膜は半透膜の性質を持っていて、自由に水が行き来できます。

この細胞膜を挟んで、カリウムは細胞内からナトリウムを細胞外から調整し、適当なバランスを保っています。

ほかにも、カリウムは血圧が高くなるのをおさえたり、老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮を促す働きを担ったりと、人体に欠かせない役割を果たしています。

カリウムとナトリウムの関係性

成人で体重60kgの場合、カリウムは240g、ナトリウムは120gほど体内に存在しているのが正常です。そのため、カリウムはナトリウムよりも多く摂取する必要があります。

カリウムとナトリウムの関係については、カリウムが細胞内からの浸透圧を、ナトリウムが細胞外からの浸透圧を担っているということを、前項で解説しました。

細胞間を移動する水には、溶質の濃度が濃い、すなわちカリウムまたはナトリウムの濃度が濃い方に流れるという性質があります。

カリウムとナトリウム両者のバランスが同等であれば問題ありませんが、細胞内の浸透圧が高ければ濃度を調整しようとして水分が多くなり、細胞が破裂する恐れがあります。

反対に細胞内の濃度が低すぎるのもよくなく、水分が移動して細胞がしぼんでしまいます。体内では、カリウムとナトリウムがバランスよく存在していることが大切なのです。

ただし通常はこうした異常が起こらないために、ナトリウムカリウムポンプというものが機能して、調整を担っています。

カリウムは、ナトリウムとのバランスによって細胞内外の浸透圧や酸塩基平衡などを調整する体の機能に欠かせないミネラルの一種です。そのため、カリウムとナトリウムは、マグネシウムとカルシウムの関係と同様、「ブラザーイオン」と呼ばれ、協調して働いています。

カリウムが不足するとどうなる?

カリウムが不足すると、脱力感や吐き気のほか、食欲不振などを引き起こすことがあります。さらに精神面では、無関心、不安感、イライラの要因になり、精神的に不安定になりやすくなります。

筋肉にも影響を及ぼすことがある

細胞内のカリウムの70%は骨格筋の中にあります。カリウムは筋肉の収縮にも関わっている成分です。不足してしまうと、筋肉のけいれんや不整脈を起こしたりしてしまうこともあります。また、あまりにもカリウム不足が深刻になると呼吸困難になる可能性もあるので、注意したいところです。

夏バテの原因はカリウム不足?

夏バテの原因は、カリウム不足のほか、脂肪をエネルギーに変換することを助けるビタミンB1の不足にあります。特に夏場は、ほかの季節と比べて汗をかきやすい時期です。汗とともにナトリウムとカリウムが流れ出て、不足しやすくなります。カリウムが不足することで、夏バテの特徴である、倦怠感や食欲不振に陥りやすいので、栄養補給には気をつけましょう。

カリウムが多い食品とは

カリウムを効率的に摂取するにはどのような食品を選ぶべきなのでしょうか。

野菜類

野菜の中では、タケノコやほうれん草、ケールなどがカリウムを多く含んでいます。特にほうれん草は1束980mgも含まれているので、比較的摂取しやすいです。

しかし、ほうれん草など野菜類は、ゆでるとカリウムが流出してしまいます。効率的に摂取したい場合は、生で食べられるサラダほうれん草を利用するなど工夫するようにしましょう。

ほかにも、ザーサイやきゅうりのぬかみそ漬けなどにもカリウムは多く含まれています。しかし、これらは同時にナトリウムも大量に摂取してしまうので、過剰に摂取しないように気をつけましょう。

魚介類

魚介類では、するめ1枚110gあたりのカリウム量1210mg、くさや1枚150gあたり893mgと比較的カリウムの量が多い食品に分類されます。しかし、するめやくさやは干し物で、塩分も多いのが難点です。ナトリウムも多いので、大量の摂取は控えましょう。ほかの魚介類としては、かんぱちやまだい、ます、めかじきなどもカリウムを多く含んでいます。

種実類

種実類のカリウム量は、それぞれ栗1個あたり69mg、アーモンド10粒あたり104mg、ぎんなん10粒あたり110mgです。種実類は、ほかの食品群と比べると、カリウム量はあまり多くありません。しかし、栗は1粒あたりのカリウム量が比較的多く摂取しやすいので、おやつを食べる際は、お菓子の代わりに栗などを食べるのもよいでしょう。

藻類

藻類はカリウム量の多い食材です。特に、あおさ、いわのり、ほしひじき、わかめにカリウムが多く含まれています。ただし、藻類は、すでに味がついているものもあり、摂りすぎると塩分過多になってしまうので注意しましょう。

藻類の中では、塩分少なめのほしひじきが、大さじ1杯あたり176mgと比較的摂取しやすいです。

豆類

豆類は、大豆カップ1杯770mg、いんげんまめカップ1杯752mgとほかの食品群と比べてもカリウム量はやや多い食材です。ほかには納豆1パック330mg、きなこ大さじ1杯133mgのカリウム量が含まれています。献立を立てる際、積極的にとり入れるようにしましょう。

その他

じゃがいもやさつまいも、アボカド、ドリアンもカリウムが多いことで知られています。また、飲み物では、ヤギミルク、脱脂粉乳、日本茶も比較的カリウム量が多いです。

カリウムはさまざまな食品に含まれています。カリウムが不足しがちな場合は、カリウムの多い食品を参考に、日々の献立を立てるようにしましょう。

こんな人は、カリウムの摂取量に注意を

カリウムの過剰摂取は、通常は問題ありませんが、特に腎機能に障害がある場合影響を及ぼしてしまう恐れがあります。

腎臓機能に障害がある場合

通常、カリウムは過剰に摂取しても体外に排出されるため、問題はありません。しかし、腎機能に障害がある場合は、カリウムの摂取には気をつける必要があります。

腎不全など腎臓の機能に障害がある場合、通常排出されるはずのカリウムが正常に排出されず、体に蓄積してしまうからです。カリウムが正常の範囲内を上回って体内に存在し続けると、高カリウム血症を引き起こす可能性が高まります。

特に腎不全により人工透析を受けている患者の場合は、高カリウム血症を引き起こさないためにも、カリウムが多い食品を控える、ゆで汁は捨てる、生で食べないなどの調理の工夫が必要です。カリウムが多い食品としては、生野菜や果物、海藻類、チョコレートなどがあります。腎機能に障害がある場合は、食材選びや量のほか調理法も十分に気をつけましょう。

高カリウム血症の場合

高カリウム血症とは、血液中のカリウムの濃度が高くなることが原因で起きる症状のことを指します。症状は、吐き気やしびれ、脱力感、知覚過敏などです。さらに血中のカリウム濃度が7~8mEqlと高くなると不整脈、そして心停止をも引き起こしてしまうことがあります。

高カリウム血症は、腎機能が弱まっている場合のほか、大量にカリウムのサプリメントや製剤を摂取することによって引き起こす可能性があります。高カリウム血症になってしまった場合は、まずはカリウムの量を減らすことが大切です。また、早めに医療機関で適切な処置を受けるようにしましょう。

カリウムの過剰摂取は通常時は問題ありませんが、腎機能に障害がある場合などは体に悪影響を及ぼすことがあります。ドクターから指示がある場合は、指導に基づいて摂取するようにしましょう。

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