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クロムが不足するとどうなるの?

更新日:2018/06/20 公開日:2016/07/26

ミネラルの種類(5)クロム

必須ミネラルであるクロムは、一般的な食生活で不足することはあるのでしょうか。クロムの不足によって引き起こされる病気や、クロムが不足する要因などについてドクター監修のもと解説します。

クロムは、人間の体に必要な必須ミネラルのひとつですが、不足するとどのような病気を招く恐れがあるのでしょうか。クロムが不足する可能性やクロムの欠乏による病気について見ていきましょう。

クロムは吸収率の低いミネラル

3価クロムの吸収率は2~3%と低く、ミネラルの中でも吸収されにくいとされています。しかし、クロムは必須ミネラルであるものの、必要量はわずか。多くの食品に含まれているということもあり、一般的な食生活を送っていれば、クロムが不足することはほとんど起こりません。

ちなみに、ビタミンCを含む食品と摂取すると吸収率が上がる一方、糖分の過剰な摂取は、クロムの排出を招きやすくなります。

また、クロムが土壌に含まれている量が少ない地域で暮らし、土地の産物しか食べないとったケースも、クロムの欠乏が起こりえます。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、クロム食事摂取基準は成人男性と成人女性ともに、1日10μg(=マイクログラム)の摂取が必要量として推奨されています。

クロムが不足すると?

クロムが不足することは一般的には考えにくいですが、もし、クロムの欠乏が起こった場合には、どのような病気や体の変調が起こるのでしょうか。

クロムが不足すると起こる病気

クロムは体のあらゆる代謝に関わる物質です。クロムが不足すると、特に糖質と脂質の代謝異常が問題になります。

まず、糖質の代謝異常について解説します。インスリンを助けるクロムが不足すると、糖質代謝を促す働きが十分にできず、糖の代謝異常となります。血糖値が上がった状態となり、糖尿病を発症することがあるのです。

次に、脂質の代謝異常が起こると、血液中の中性脂肪やコレステロールの値が上がってしまいます。脂質異常症や高血圧となり、動脈硬化を引き起こす恐れが想定されます。子供の場合には、代謝機能の低下によって、成長に影響を及ぼすことも懸念されます。

妊娠とクロム

多産婦は、毛髪中のクロムが低下しています。妊娠中は胎児への移行を考慮して、妊娠中にはクロムをしっかり補給することが大切です。クロム欠乏は妊娠中の耐糖能異常の一因になります。

クロム欠乏症の事例

クロム欠乏は、食事の摂取が難しい患者に対して、長期間に静脈栄養を受けた成人と小児に認められています(Brown et al 1986)。その症状は、インスリン抵抗性の高血糖症、血清脂質濃度の上昇、体重減少、運動失調、末梢神経障害、脳障害でした。成人の症例は塩化クロムの静脈投与に応答しましたが、小児ではそれほど明確ではありませんでした。

クロムは日常の食生活では欠乏は起こりにくいので、クロムの不足を心配することはありませんが、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

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