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ナトリウムの基礎知識

更新日:2018/02/28 公開日:2016/07/27

ミネラルの種類(7)ナトリウム

ナトリウムは、人間が生きていくうえで欠かせない必須ミネラルのひとつです。しかし、過剰摂取など気をつけるべき点もあります。ここでは、ナトリウムのはたらきや摂取量、注意点まで栄養学専門医師の監修のもと、解説します。

生命の維持に欠かせない必須ミネラルのひとつである「ナトリウム」。ナトリウムは、体の中でどのような働きをするのでしょうか。その機能や特徴、1日の摂取目標量などについて解説します。

ナトリウムとは

生命を維持するうえで欠かせないミネラルを「必須ミネラル」と言います。ナトリウムは、この必須ミネラルのひとつであり、生活に身近なミネラルでもあります。私たちは、主に「食塩」という形で食べ物や飲み物からナトリウムを摂取しています。

ナトリウムの分布

ナトリウムは、体内では、カルシウム、リン、カリウムに次いで多く存在しており、体重の約0.15%を占めています。

ナトリウムが主に存在するのが、人の体の約50~60%を満たす体液です。体液には、細胞内に存在する細胞内液と細胞の外側に存在する細胞外液がありますが、ナトリウムのほとんどは細胞外液にあります。血液成分の血漿(けっしょう)も、ナトリウムが存在する細胞外液のひとつです。

そのほか、体内のナトリウムの約3分の1は、骨の中にも貯蔵され、必要に応じて血液中に放出されています。

ナトリウムの効果と働き

ナトリウムには、体の機能を調節し、細胞機能を維持して筋肉や神経を正常に保つなどの働きがあります。具体的には、血圧の調節、体のpHのバランスの調整、栄養素の吸収や輸送などです。また、ナトリウムは、筋肉や神経への情報伝達にも関わっており、体の機能を正常に働かせるために不可欠なものです。

ナトリウムの吸収と排泄

ナトリウムは腸管から吸収された後、腎臓に運ばれてろ過され、血液に戻って適切な濃さを保ちます。健康な成人では、吸収量は摂取量に比例します。

正常時には身体のナトリウム喪失量の9割以上は尿として排泄され、残りは便や汗で失われます。通常、毎日排泄されるナトリウムの量は摂取する量と同じです。

日本人のナトリウムの摂取量

実際に私たちは1日にどのくらいのナトリウムを摂取しているのでしょうか。

平成25年の国民健康・栄養調査によると、1日当たり、男性で11.1g、女性で9.4g、全体では、10.2gの食塩を摂っていると報告されています。ナトリウムの摂取目標量は、食塩に換算すると、1日あたり男性8.0g未満、女性7.0未満とされています。日本人の食塩摂取量は、この10年間で減少傾向にはあるものの、目標量と比較して多いと言えます。

ナトリウムを摂りすぎるとどうなる?

日本食はしょうゆやみそ、食塩を使うものが多く、世界的に見ても日本人のナトリウム摂取量は、目標量よりも多くなる傾向があります。ナトリウムを一時的に摂りすぎても、余剰分は対外に排出されます。しかし、慢性的にナトリウムを過剰摂取していると、ナトリウムが体内に蓄積され、血圧の上昇やむくみなどの症状が現れることがあります。

ナトリウムの過剰摂取について、詳しくは『ナトリウムは過剰摂取してもよい?』をご覧ください。

ナトリウムが不足するとどうなる?

日本人の場合、通常の食事をしていればナトリウム不足となることはないとされていますが、過剰に汗をかいたり、下痢や嘔吐をしたりしてナトリウムが大量に体外に出てしまったときは、ナトリウムが欠乏した状態になることもあります。

体内のナトリウムが不足すると、血液量に影響し、頻脈や低血圧、頭痛といった症状が現れることがあります。

ナトリウムの欠乏について、詳しくは『ナトリウムが不足するとどうなるの?』をご覧ください。

ナトリウムのバランスを崩す他の要因

体内でナトリウムのバランスを崩す要因として、次のようなものもあります。

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)

特定の状況下では、ナトリウムと体液の調整が障害され、血中ナトリウム値が異常になる場合があります。これを、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 (Syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone:以下SIADHと略す)と言います。

この病態は、体内に水分を貯めることにより、尿の濃縮・減少、希釈性低ナトリウム血症を起こすのが特徴です。

SIADHは、頭部損傷、髄膜炎、感染症、がん、甲状腺機能低下症、特定の薬剤に起因する場合があります。治療せずに放置すると、発作や昏睡状態を招くこともあります。

1日の水分摂取を約1800mlまでに制限することによって治療し、場合によってはナトリウムの静脈注射を行います。経口ナトリウムの補充は禁忌です。

エストロゲンとナトリウム

アルドステロンにわずかに似ているエストロゲンも、ナトリウムと水の貯留を引き起こします。

エストロゲンとは女性ホルモンの一種で、女性の体を妊娠や出産できる状態にするだけでなく、女性らしい体や美しい肌を保つために欠かせないホルモンです。月経が終わるころから排卵前にかけて、多く分泌されます。

月経周期、妊娠中、経口避妊薬の服用時には、水とナトリウムバランスが変化することがありますが、これは、もうひとつの女性ホルモンであるプロゲステロンと、エストロゲンの分泌量の変化に起因します。

ナトリウムが多い食品を知って過剰摂取に注意しよう

ナトリウムの摂り過ぎは、むくみや高血圧だけでなく、心臓疾患(しんぞうしっかん)、脳卒中などの生活習慣病や、胃がんのリスクも高める可能性が報告されています。

ナトリウムが多い食品には、以下のようなものがあります。

  • 漬物
  • お酒のつまみ
  • 食塩
  • 濃口しょうゆ
  • 薄口しょうゆ
  • みそ
  • ケチャップ

ナトリウムを多く含む食品について、詳しくは『ナトリウムが多く含まれている食品は?』をご覧ください。

普段の食事の中で、どのような食品にナトリウムが多く含まれているのかを知り、ナトリウムが多く含む食品を食べ過ぎない、食べる頻度を抑えるなどの工夫をすることが過剰摂取の予防につながります。

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