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ハウスダストのアレルギーはどう治療する?

更新日:2018/02/28 公開日:2016/07/26

ハウスダスト

ハウスダストアレルギーと診断された場合、どのような治療をするのでしょうか。ハウスダストアレルギーの治療は自宅と病院での対処が必要です。ドクター監修のもと、ハウスダストアレルギーの治療について症状ごとに紹介します。

短くポイントをまとめると
・ハウスダストアレルギーの治療の順番は「原因物質の回避と除去」⇒「薬物治療」
・家庭ではホコリやダニ、カビが発生しないよう気をつける
・症状が続く/激しい場合は医療機関へ

 

ハウスダストのアレルギーはどう治療する?のイメージ写真画像

 

家にいるときだけ鼻がムズムズしたり、咳が頻繁に出たりする。新しいソファ・ベッドを買ったら喘息やアトピー性皮膚炎の症状が現れるようになってしまった!

こんな状態が自分、または身近な人に起こった場合、食べ物などのアレルギーに心当たりが無いのであれば、ハウスダストが関係している可能性があります。ハウスダストアレルギーとはどんな病気で、どのような治療が行われるのか、ドクター監修の記事でご紹介します。

ハウスダストって何が含まれるの?

「ハウスダスト」と言われても、実際に何なのかピンとこないかもしれません。ハウスダストとはそのまま家(室内)のホコリのことを指しますが、ただのチリの塊に見えても、中には色々な物質が含まれています。とりわけアレルギーを引き起こす代表的なものは下記の通りです。

  • ダニの死骸や糞
  • カビの胞子
  • ペットの毛や垢

この他にも花粉や、布製品から発生する羊毛やソバガラの粉末など、色々なものがアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)となり得ます

ハウスダストアレルギーの基本治療は自宅での対処

もしハウスダストアレルギーであると診断された場合、基本治療として自宅での対処、症状に対する治療として病院での投薬を行います。基本治療は、アレルゲンを排除して、近寄らせないようにするというものです。

アレルゲン、つまり家のホコリを排除したり減らしたりするには、ただ床や家具の上を掃除すればよいのでしょうか。ハウスダストアレルギーの治療を考えた場合、それだけでは不十分です。なぜなら、ハウスダストアレルギーの原因物質にはダニやカビも含まれるため、湿度やダニの生息場所を考えた生活習慣の改善が必要となるからです。下記のポイントに気をつけて生活してみましょう[1]。

室内のホコリを減らす

  • こまめに掃除機をかける
  • 蓋付きの家具を利用してホコリの溜まる場所を減らす
  • 空気清浄機を使う など

ダニを減らす

  • 除湿機などを使って高温多湿の環境をつくらない
  • ソファをビニールや革製のものに変える
  • カーペットを使用しない
  • ぬいぐるみはこまめに洗濯するかビニール袋に入れる
  • 定期的に布団を天日干しにする など

カビを減らす

  • エアコンのフィルタを掃除する
  • 家具を壁にくっつけない(結露対策)
  • 定期的に室内を喚起する など

その他の詳しいハウスダストアレルギー予防法については、『ハウスダストアレルギーを引き起こすダニの除去・対策法』でも紹介しています。ぜひご覧ください。

ハウスダストアレルギーの症状にあわせた治療

症状にあわせた治療では、病院で薬を処方してもらうことがメインとなります。上記の基本治療を行っても症状が止まらなかったり、生活に支障がでるような状態になってしまったりするときは、迷わずに内科や耳鼻咽喉科を受診してください。

喘息

ハウスダストが呼吸により気道(肺までの空気の通り道)に付着して、炎症を起こして発生します。気道が腫れ上がるため呼吸がしづらくなり、ゼーゼー、ヒューヒューという音が漏れるようになります。他に、咳や痰が出ることもあります。

喘息の薬物治療では、主に2種類の吸入薬を使います。症状が現れたときには、「吸入β2刺激薬」を使うことで気管支を広げ症状を抑えますが、この薬は即効性がある分、1日に何度も使いすぎると動悸などの副作用が出てきてしまいます。そのため、普段からアレルギー反応を抑えるために、抗炎症作用のある「吸入ステロイド薬」を継続して使います。吸入ステロイド薬を使う別の理由としては、喘息を繰り返していると炎症を起こし続けた気管支の壁が厚くなり、常に息苦しい状態になってしまうことも挙げられます。

鼻炎

アレルゲンが鼻の粘膜に付着して炎症を起こし、透明な鼻水が出たり、鼻のかゆみや鼻づまりが起きたりします。まれに頭痛を感じることもあるようです。

抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の飲み薬を服用したり、鼻に直接噴射するタイプのステロイド薬を使ったりして治療します。ハウスダストが原因で起こる鼻炎は、花粉症で起こる鼻炎と同じ治療法が適用できます。もし症状が急に現れた場合は、ドラッグストアで抗ヒスタミン内服薬や、血管を収縮させて炎症を抑える成分の入った点鼻薬を買って対処することも可能です。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、もともとアトピー性皮膚炎を起こしやすい体質の人が、ハウスダストに反応するようになったことで起こったり、症状が悪化したりします。

皮膚が赤くなってかゆみを伴い、乾燥により皮膚の角質が剥がれ落ちたり(鱗屑)、ひどいものではジュクジュクとしたり、水ぶくれやかさぶたができたりします。アトピー性皮膚炎では強いかゆみを感じるため、ついつい皮膚を掻いてしまいがちです。それにより皮膚が傷つき、症状の悪化へとつながるので、自宅での対処に加えて適切な薬物治療を行うことが完治を早めるコツとなります。

アトピー性皮膚炎の重症度は、患部がどれくらい広いかではなく、皮膚の変化がどれくらいひどいかで分類が変わり、治療法もそれにあわせて変わります。患部の面積が小さくても、ジュクジュクしたり皮膚が厚くなったりしていれば、より強く炎症を抑える薬を使いますし、全体的に乾燥している程度であれば、抗炎症成分の少ない薬を処方します。

基本的にステロイド外用薬を使って、患部の炎症を抑えていきますが、症状が重い場合は内服のステロイド薬を使う場合があります。抗ヒスタミン内服薬を組み合わせることもあるようです。

アトピー性皮膚炎は、肌が乾燥して、皮膚のバリア機能が低下しているので、保湿剤を用いたスキンケアも重要です。ステロイド外用薬を使わなくなっても保湿を欠かさないことで、症状が出ない期間を維持できます。

結膜炎

目がかゆい、目やにが出る、涙が止まらない、目が充血して赤くなる等の症状が現れます。ステロイドや抗アレルギー成分が含まれた目薬で治療します。

どうしてハウスダストアレルギーになってしまうの?

そもそも、同じ室内にいるのに、どうしてアレルギーが起きる人と起きない人がいるのでしょうか。

人間の身体には、外敵から身を守るための免疫システムが備わっています。免疫システムが外敵を察知すると、身体は戦闘態勢に入り、その結果、皮膚が腫れ上がって赤くなったり(炎症の症状)、鼻水や涙を出したりして外敵を追い出そうとします。これらの反応は日常的に起こっていますが、免疫システムが何らかの原因で過剰に反応するようになってしまい、健康を損なう状態になることを「アレルギー」と呼びます

ハウスダストアレルギーとは、本来なら免疫システムが作動しなくても良い物質(ハウスダスト)にアレルギー反応が起こるようになってしまうことです。一度外敵と判断された物質(アレルゲン)は、身体が記憶してしまうためアレルギー反応が繰り返されるのです。

ハウスダストアレルギーが起きる仕組みについては、『ハウスダストでアレルギーが起こるのはなぜ?』で詳しくご紹介しています。

舌下免疫療法や皮下注射は有効?

アレルギーへの治療として、「舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)」や「アレルゲンワクチンの皮下投与」などの言葉を聞いたことがあるかもしれません。これらは、アレルゲンを薄めたものを(舌の下に錠剤をはさんだり、注射で直接体内に入れたりして)投与し、身体を少しずつ慣れさせて最終的にアレルギー反応が起きなくなるようにするというものです。まとめて、「減感作療法」や「アレルゲン免疫療法」などと呼ばれます。

アレルギーに反応する体質が改善されるので、とても魅力的に聞こえるかもしれません。しかし、まだ新しい治療法でありますし、治療には年単位で長い期間が必要となるため、まずはこの記事で紹介したような従来通りの治療を行うようです。気になる場合は医師に相談してみましょう。

参考文献

  1. [1]東京都福祉保健局. "住居とアレルギー疾患" 東京都アレルギー情報navi. http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/allergy/pdf/indoor06.pdf(参照2018-02-15)