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急性副鼻腔炎は咳や鼻水でうつるの?

更新日:2018/03/09 公開日:2016/07/26

急性副鼻腔炎の基礎知識

急性副鼻腔炎では咳や鼻水などの症状が出ますが、これは他人にうつるのでしょうか? もし急性副鼻腔炎がうつる病気であれば、どのような配慮が必要になるのでしょうか。ドクター監修の記事で詳しく解説します。

◎短くポイントをまとめると
ウイルスや細菌によって起きている急性副鼻腔炎は他人にうつる可能性がある
副鼻腔炎そのものがうつるわけではなく、まずは風邪としてうつり、人によっては副鼻腔炎になる場合も
感染予防には、手洗い、うがい、咳エチケットが有効

急性副鼻腔炎の鼻水や咳がつらい女性のイメージ写真画像

風邪で咳や鼻水といった症状があれば、マスクをつけるなどして周囲への配慮をすると思います。では、急性副鼻腔炎で咳や鼻水がでている場合は、同様の配慮が必要になるのでしょうか? そもそも、急性副鼻腔炎は他人にうつるのでしょうか?ドクター監修の記事で解説します。

急性副鼻腔炎はうつるの?

結論からいうと、ウイルスや細菌によって起きている急性副鼻腔炎は他人にうつる可能性があります。ただし、副鼻腔炎そのものがうつるのではなく、風邪(かぜ)としてうつります。うつった人の一部は風邪から急性副鼻腔炎になる可能性があります。

少しややこしい話なので、一つひとつの要素に補足を加えながら説明します。

急性副鼻腔炎の原因はいろいろある

急性副鼻腔炎の多くは、病原体(ウイルスや細菌)による感染(いわゆる風邪)から引き続いて起こります。鼻腔(鼻の穴)にくっついた病原体は、炎症を起こしながら感染範囲を広げていきます。鼻腔からは副鼻腔(おでこ、目の下あたりにある空洞)につながる通り道があり、ここから病原体が副鼻腔の中に入り込みます。そうすると、鼻腔のみならず副鼻腔でも炎症が起こり、腫れたり膿が溜まったりします。これがウイルスや細菌によって急性副鼻腔炎が起こる仕組みです。これは大人だけでなく、子供や赤ちゃんでも同じです。

ただし、急性副鼻腔炎がすべて病原体によるものとは限りません。アレルギー性鼻炎や喫煙、ダイビング、飛行機搭乗などが副鼻腔炎の原因になることが知られています[1]。この場合は他人にうつることはありません。詳しくは『タバコは急性副鼻腔炎の原因になる!?』『蓄膿症(副鼻腔炎)の原因とメカニズム、正しい対処法』をご覧ください。

副鼻腔炎そのものがうつるわけではない

病原体による感染で急性副鼻腔炎が起こった場合でも、副鼻腔炎それ自体がそのまま他人にうつるわけではありません。

急性副鼻腔炎の人の咳や鼻水などには風邪の原因となるウイルスや細菌が含まれる可能性があるので、咳のしぶきを吸い込んだり、鼻水がついた手で顔を触ったり、キスしたりするとうつるかもしれません。ただし、その場合はすぐに副鼻腔炎になるわけではなく、まず風邪を引きます。なぜなら、副鼻腔は鼻腔の奥にあり、風邪の症状がまず先に出るからです。

もし急性副鼻腔炎の人から風邪がうつったとしても、その人の身体の抵抗力が高かったり、きちんと休養をとって治療をしたりすれば、ただの風邪のうちに治ってしまいます。そうではなく、風邪の病原体が鼻腔から広がり、副鼻腔に到達して感染した場合は、急性副鼻腔炎となります。

このような理由から、副鼻腔炎そのものがうつるのではなく、風邪としてうつり、その一部は風邪から急性副鼻腔炎になる可能性があるということになります。

感染予防は手洗いと咳エチケットが基本

ここまで、急性副鼻腔炎そのものはうつらないという話をしてきましたが、少なくとも風邪としてはうつる可能性があるので、患者本人および家族など周りの人は感染予防が重要になります。予防には、手洗い・うがいに加え、咳エチケットが有効です。

咳エチケット(咳が出るときにすべきこと)
マスクを着用する(鼻からあごまでを隙間なくしっかり覆う)
ティッシュ・ハンカチなどで口や鼻を覆う(ティッシュはすぐにゴミ箱に捨てる)
上着の内側や袖で口や鼻を覆う

なお、風邪の感染予防については『今日からでも始められる風邪の予防対策法』もご覧ください。

参考文献

  1. [1]デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学.第5版,福井次矢ほか監修. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2016; 230-232
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