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腸内細菌とは

更新日:2018/01/30 公開日:2016/08/10

腸内環境・腸内フローラを学ぶ

人の腸にはさまざまな菌が生息しています。それらの菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類に分類され、それぞれが人体にとってよい影響や悪い影響を及ぼします。この腸内細菌の役割をドクター監修の記事で解説します。

腸には、栄養素と水分の吸収、免疫機能、精神の安定に関わるホルモンの分泌などの働きがあります。この腸そのものの働きと腸内細菌の働きにより、人間の健康は保たれています。腸内細菌というと、汚いものと思われがちですが、腸内細菌は日頃の体調不良や肌荒れ、風邪などを解消する重要なファクターになることもあります。今回は、腸内細菌がもたらす美容や健康効果について説明していきます。

私たちは腸内細菌と共存している

腸内には非常に多くの菌が生息しています。人間の身体を構成する細胞は60兆個と考えられていますが、それに対して人間の腸内に存在している細菌は100兆匹以上です。重さに換算すると1.5kgほどにもなります。

腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類に分類されます。この3種類の菌とは、どのようなものなのでしょうか。

善玉菌

人の健康に役立つ働きをする菌です。代表的な菌は以下のようなものがあげられます。

  • ビフィズス菌
  • 乳酸菌

悪玉菌

人に有害な働きをする菌です。代表的な菌は以下のようなものがあげられます。

  • 大腸菌
  • 黄色ブドウ球菌
  • ウェルシュ菌

日和見菌

善玉菌が優勢なときは無害ですが、悪玉菌が優勢で腸内環境が乱れた時には有害な働きをする菌です。代表的な菌は以下のようなものがあげられます。

  • 大腸菌(無毒株)
  • 連鎖球菌

腸内環境は、生息する腸内細菌のバランスによって左右されます。基本的には、善玉菌1割、悪玉菌2割、日和見菌7割のバランスで生息し、善玉菌が優勢である状態が望ましいです。悪玉菌が優勢になると、腸内環境が乱れ、体調不良だけではなく病気や老化に繋がります。さらに、免疫力が低下してインフルエンザをはじめとする感染症にもかかりやすくなります。有害物質に腸がさらされるために、がんのリスクが高まるなどのリスクも生じます。

腸内細菌の乱れは、現在の体調不良と未来の病気に関わります。腸内環境を整えることが健康にとって重要です。

腸内環境を左右する善玉菌と悪玉菌の働きについても見ていきましょう。

美と健康に役立つ善玉菌

善玉菌は美と健康に役に立つさまざまな役割を持っています。善玉菌の主な働きには以下のようなものがあります。

悪玉菌増殖の抑制

乳酸菌は乳酸、ビフィズス菌は酢酸、酪酸菌は酪酸といった酸の一種を生産します。悪玉菌は酸に弱い性質があるため、善玉菌が働くことで増殖が抑制されます。

ビタミンB群やビタミンKの生産

善玉菌は腸内で人間の必須ビタミンであるビタミンB群やビタミンKを生産します。特にビタミンB群は疲労や肌の調子に関わるため日々の不調の改善に効果的とされています。

免疫の活性化

腸は人間の免疫機能の7割を担います。腸内細菌が腸の免疫細胞を刺激することで免疫を活性化させます。

便の排出

死滅した善玉菌は、悪玉菌を吸着して外へと排出するため、腸内をきれいにしてくれます。

身体に悪影響を及ぼす悪玉菌

善玉菌が健康に役立つ働きをするのに対し、悪玉菌は有害な働きをします。体調不良が発生しているならば、その原因は腸内細菌の異常にあるかもしれません。悪玉菌が人体に及ぼす悪影響には以下のようなものが存在します。

便秘や腹痛の原因となる

悪玉菌はアンモニアや硫化水素という有害物質を生産します。これらの物質は腸の働きを抑制し、便秘や腹痛の原因となります。

体臭やおなら、便のにおいがきつくなる

悪玉菌が生産するアンモニアや硫化水素といった有害物質は腸内で吸収され血液の中に入り、体臭の原因となります。また、おならや便のにおいもきつくなります。

肌荒れ

善玉菌は美肌をつくるのに役立つビタミンB群を生産します。悪玉菌が優勢になるとそれらのビタミンが十分に生産されません。また、アンモニアや硫化水素が血液に入ることで、肌を刺激してニキビや吹き出物を作ってしまうこともあります。

疲労感や倦怠感

アンモニアや硫化水素は有害な物質であるため、解毒することが必要です。解毒機能を持つ臓器は肝臓ですが、肝臓が解毒に力を入れることでエネルギー生産が不十分となり疲労感や倦怠感が生じます。

 

乱れた腸内環境を整える方法

腸内環境を整えるためには以下のような方法があります。

発酵食品を摂取する

善玉菌の乳酸菌やビフィズス菌は、発酵食品に多く含まれています。特に、ヨーグルト、ぬか漬け、キムチ、チーズ、ピクルスなどをおすすめします。

オリゴ糖を摂取する

オリゴ糖は、乳酸菌やビフィズス菌の栄養源です。オリゴ糖が多く含まれる食品は、ゴボウ、玉ねぎ、キノコ、大豆などです。

医薬品やサプリメントを服用する

医薬品やサプリメントの中には人由来で腸に定着しやすい菌を使用している製品などもあります。

食物繊維を摂取する

食物繊維は、腸内の有害物質を掃除する働きがあります。特に、キャベツ、切り干し大根、精白してない米や麦、海藻などに含まれます。

これらの方法は、基本的にデメリットはありませんが、人によってはお腹がゆるくなる可能性があります。

腸内細菌は検査で調べることができる

腸内細菌の状態を把握することは健康にとって非常に重要です。個人で腸内細菌の様子を知ることは難しいですが、腸内細菌を調べる検査が存在します。検査内容は、便を採取し、含まれる腸内細菌のDNAを分析にかけて生息している細菌を特定する方法です。腸内細菌検査を行っている医療機関で検査できるほか、手軽な郵送キットもあります。

腸内細菌検査については、『腸の状態がチェックできる!腸内細菌検査とは』で詳しく紹介しています。