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更年期や閉経後の女性に特有の不正出血とは?

更新日:2017/06/14 公開日:2016/08/23

不正出血のよくある疑問

更年期や閉経後の女性では、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌低下にともない、さまざまな症状が現れます。ここでは、ドクター監修のもと、更年期や閉経後の女性に特有の不正出血について、わかりやすく解説します。

生理以外で性器から出血する場合を、不正出血(不生性器出血)と呼びます。更年期や閉経後の女性では、女性ホルモンの変調に起因する不正出血で婦人科を受診する人が少なくありません。このような不正出血は、治療する必要があるのでしょうか。ここでは、更年期や閉経後の女性に見られる不正出血について、詳しく解説します。

エストロゲンの低下が不正出血につながる

更年期の女性では、卵胞数の減少にともない、閉経にいたるまで卵巣機能が徐々に衰えていきます。そのため、黄体機能不全による出血や、月経周期の乱れにともなう月経前後での出血、無排卵性の子宮内膜の過剰増殖による破綻出血などの不正出血が起こりやすくなります。

また、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が減少すると、萎縮(いしゅく)性膣炎を起こしやすくなります。膣は尿道や肛門に近いため、病原菌の増殖を抑制する自浄作用を備えていますが、この自浄作用はエストロゲンの働きによって保たれています。そのため、エストロゲンが減少すると病原菌が繁殖しやすくなり、膣炎を起こしやすくなります。また、膣粘膜が薄くなり、出血しやすくなるため、萎縮性膣炎では血液が混じったおりものや不正出血が起こります。

がんによる出血かどうかのチェックが重要

不正出血で婦人科を受診した場合、まずは医師による問診が行われます。問診では、出血の状態(量、持続期間、痛みの有無などの症状)やこれまでの生理の状況、性交時の出血の有無、子宮がん検診の有無と結果、妊娠の可能性、婦人科系の病歴、服用している薬の有無などが質問されます。

問診に続いて、出血が尿道や肛門などの性器以外の部位から起こっていないかどうかを視診で確認します。さらに、膣鏡診や内診(膣内に指を挿入して子宮の状態を触診すること)、超音波(エコー)検査を行い、腫瘍(しゅよう)や炎症などがないかを調べます。

更年期・閉経後の女性の場合、特に重要なのが、出血が子宮頸がんや子宮体がんなどの悪性の病気によるものなのかを確認することです。がんかどうかを調べるには、子宮頸部や子宮内膜の細胞診・組織検査が必要になります。

出血が続く場合はホルモン療法を行う

性器に腫瘍や炎症などのなんらかの病気が認められた場合、それぞれの病気に応じて治療を行っていきます。検査で病気が見つからなかった場合は、ホルモンバランスの変化にともなう不正出血と診断されます。出血量が少なく短期間であれば、トラネキサム酸などの止血剤で治療を行います。一方、出血が長引く場合は、ホルモン療法が検討されます。

無排卵周期による月経異常の場合、まずはプロゲスチンの投与を行います。この治療で効果が得られない場合には、エストロゲンとプロゲスチンの併用療法を検討します。エストロゲンとプロゲスチンの補充療法は、更年期症状を改善するとともに、エストロゲン欠乏による骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や脂質異常症の予防にもつながります。

ほとんどの場合は薬によって出血をコントロールすることが可能ですが、それが難しい場合には、子宮内膜掻爬(そうは)術(麻酔下で子宮内膜を掻き取り、止血させる手術)などの手術が検討されます。