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子供の血尿が心配!考えられる病気と検査から治療法まで

更新日:2018/06/13 公開日:2016/09/05

血尿の原因

「子供に血尿が出て心配」、「学校健診で子供の尿が尿潜血陽性だった」と不安を感じている親御さんに、子供の血尿の特徴、血尿の原因を調べる検査方法から病気の治療法までを、ドクター監修のもと詳しく解説します。

血尿には、目で見て異変に気づける肉眼的血尿と、顕微鏡で見てはじめて気づく顕微鏡的血尿があります。子供の血尿の多くが顕微鏡的血尿だといわれ、学校検尿や3歳児検尿などの検査をきっかけに見つかります。

主に学校検尿で見つかる顕微鏡的血尿

学校検尿を受けた小中学生のうち、血尿のみ陽性、血尿・蛋白尿両方陽性、蛋白尿のみ陽性いずれかの反応が出た子供は全体の1~3%ほどと報告されています。子供に顕微鏡的血尿の症状が出やすい主な原因として、以下のものがあります。

高Ca尿症

高Ca尿症は、小児血尿の原因のとなる病気の中でも割合は少なくはありません。尿の中のカルシウムを測定して診断されます。

尿路感染症

頻尿や腹痛をともない、風邪の症状がない高熱が出ます。尿が濁ったり、肉眼で確認できる血尿が見られることもあります。

菲薄基底膜病(ひはくきていまくびょう)

血尿のみ陽性の、家族性、遺伝性の病気です。良性で特に治療は必要ではなく、定期的な検尿で経過観察が行われます。

経血などの混入

生理中や生理前後の検尿で経血が混ざったり、外性器からの出血が混ざって、尿潜血陽性の反応が出てしまうことがあります。問診時に申告しておくことが望ましいでしょう。

肉眼的血尿が出たら早めの受診が肝心

実際、子供に赤色の尿が出たとなると、親御さんが心配になるのは当然です。血尿は体の異変を知らせるサインなので、肉眼的血尿が起こったらすぐに受診し、原因を調べてもらうことが大切です。子供に肉眼的血尿の症状が出やすい主な原因として、以下のものがあります。

IgA腎症

慢性腎炎を代表する病気で、真っ赤な尿が出て見つかることがあります。蛋白尿をともなう無症候性血尿として、健診で見つかることもあります。

ナットクラッカー現象

左側の腎臓から出血するナットクラッカー現象は、やせ型の方に多く見られます。

尿路結石

成人と異なり、子供の尿路結石には痛みの症状が出ないことが多いともいわれています。また、原因の一部として、先天性の代謝疾患、あるいは尿細管疾患があります。

Wilms腫瘍などの悪性腫瘍

子供の血尿がすぐに悪性腫瘍と結びつくことはほとんどありませんが、子供の腎臓や尿路にできる悪性腫瘍のなかで最も多いのは腎臓に発生するWilms腫瘍です。

出血性膀胱炎

出血性膀胱炎の一般的な原因には薬の服用による場合がありますが、子供の出血性膀胱炎に多い原因はウイルスといわれています。水分を十分摂って安静に努めるなど、医師の指示に従ってください。

激しい運動が原因の血尿

陸上競技や運動量の多い球技の後では、一過性の血尿が出ることがあります。また、踏み込む動作を激しくくりかえす剣道などでは、溶血によりヘモグロビン尿が出ることが知られています。

腎臓の外傷による血尿

自動車事故、スポーツによる外傷、高所からの転落事故などで腎臓を傷つけてしまった場合、血尿が出ることがあります。脇腹の痛みやあざが出るのが特徴です。

血尿と紛らわしい赤ちゃんのレンガ尿

「赤ちゃんのおむつが赤くなった」と心配した親御さんが受診するケースが多くあります。これはレンガ尿と呼ばれ、おむつにピンク色の尿酸塩や蓚酸塩が付着してピンクやオレンジ(レンガ色)に見えるもので、血尿ではありません。

安全な検査と成長の妨げにならない治療法

血尿のみ陽性の場合、原因が特定できない無症候性血尿が実は子供にいちばん多いといわれています。精密検査では、問診、身長・体重・血圧測定、尿検査、血液検査を行ないます。特に、問診はできる限り詳細に行われることが重要です。蛋白尿をともなう無症候性顕微鏡的血尿の場合、専門の医療機関で病気を確定するための腎生検を行ないます。腎生検は腎臓の安全な部位から腎組織の一部を採取する、診療方針を決定するためにとても重要な検査です。

成人と異なり、子供の血尿の原因が腎臓や泌尿器の悪性腫瘍であることは極めてまれです。腹部超音波検査(エコー)を行なえば、悪性腫瘍である可能性をより確実に除外することができます。超音波検査は、放射線による被爆がなく、子供にも安全な検査方法とされています。また、ストレスが原因といわれることもありますが、医学的根拠はありません。

治療では、何より子供の成長を妨げないことが大切です。そのため、むくみや高血圧などの症状をともなわない無症候性顕微鏡的血尿の子供には、運動制限や食事制限は必要ありません。蛋白尿をともなわない顕微鏡的血尿の場合、超音波検査により尿路結石や悪性腫瘍ではないとわかれば、定期的な検尿と必要に応じて年1回ほどの血液検査による経過観察が望ましいでしょう。