今回は、セックス後の腹痛・下腹部痛を引き起こす原因について解説します。
セックス後の腹痛・下腹部痛の原因
セックス後に腹痛が起こると、とても心配になります。このような腹痛の原因として考えられるものには以下のことが考えられます。
性行為の体位
セックスをした後に、下腹部痛や腹痛が起こる原因として、まず考えられるのは、無理な体位によるものです。膣の周辺には、子宮や膀胱、腸などの臓器があり、後背位(バック)などのように、膣の奥の方までペニスが届きやすい体位でセックスをすると、これらの臓器に振動や圧迫が加わり、痛みを感じることがあります。
子宮などに病変があると病気の可能性も
セックス後の腹痛・下腹部痛は、病気が原因のケースもあります。子宮頸部(子宮下部の膣とつながっている細い部分)の周辺や、ダグラス窩(子宮と直腸の間の部分)に病変があると、セックスの際にその病変が刺激され、痛みを感じることがあります。考えられる病気でもっとも可能性が高いのは子宮内膜症ですが、他にも
- 子宮腺筋症
- クラミジア
- 淋病
などの性感染症の可能性もあります。
病気で割合が高い子宮内膜症
女性の体内では、約1か月に一度の周期で、受精卵の着床に備え、子宮の内側にある子宮内膜がふかふかのベッドのように分厚くなっていきます。しかし、卵子と精子が出会って受精しなければ、準備したベッドが不要になるため、子宮内膜がはがれ落ち、血液とともに排泄されます。
子宮内膜症の症状
こうして起こるのが月経ですが、子宮内膜症では子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所(卵巣、腹膜など)にできてしまいます。この組織も、生理周期に合わせて増殖・剥離(はくり)をくりかえしますが、本来の子宮内膜と違って排出される出口がないため、おなかの中に溜まり、周囲の臓器との癒着(ゆちゃく)や炎症を引き起こしてしまいます。セックスの際の痛みは、子宮内膜症で癒着が起こった場合に現れやすい症状で、膣の奥の方に突き上げるような痛みを感じることが多いようです。
出血量が多い、月経のたびに痛みが増すなら要注意
子宮内膜症になると強い月経痛が起こりやすく、月経のたびに痛みが増していくのが特徴です。さらに、月経過多(経血の量が異常に増える)や、不正出血(月経以外のときに出血がある)が起こることもあります。子宮内膜症は、不妊の原因になる可能性もある病気なので、十分な注意が必要です。
病院を受診するタイミング
セックスの後に腹痛・下腹部痛があっても、しばらく横になって痛みが治まるなら、それほど心配する必要はないでしょう。特に排卵の時期は、痛みを感じやすい傾向がありますが、異常なことではありません。
痛みが長引く、生理痛がひどいときはすぐに婦人科へ
横になっても回復せずに
- 痛みが長引く
- 痛みがだんだんひどくなっている
- 性交痛だけでなく生理痛もひどくなっている
という人は、病気の可能性があるので、早めに婦人科を受診しましょう。また、子宮内膜症は再発しやすい病気なので、一度、子宮内膜症と診断された人も注意が必要です。
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