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骨折の治療の基本(1)整復-整復の目的と処置の内容

更新日:2016/12/09 公開日:2016/09/30

骨折の診断・治療

骨折の治療法のひとつに整復があります。整復とは、骨折した骨を正しい位置に戻し、ずれを小さくする治療法です。保存療法が基本ですが、手術をすることもあります。骨折治療の基本となる整復について、ドクター監修の記事で解説します。

整復(せいふく)は、骨折における治療法のひとつです。主に、ギプスで固定するなどの保存療法を行う場合に用いられますが、手術をして整復する場合もあります。本記事では、骨折治療の基本となる整復について、詳しく見ていきましょう。

整復の目的

整復には、皮膚の上から骨折によってずれた骨を元の正しい位置に戻し、ずれを小さくする目的があります。骨折の種類や部位、程度によって、徒手整復(としゅせいふく)、牽引(けんいん)による整復、手術による整復の中から治療法が選択されます。徒手整復や牽引による整復は、皮下骨折の場合に用いられることが多い手法です。

処置の内容

保存療法に用いられる徒手整復、牽引による整復、手術療法による整復の処置内容は下記の通りです。いずれの場合も、骨折した骨を正しい位置に戻し、正常な回復をうながすために行います。

徒手整復

麻酔をして、X線で骨折した部位を透視しながら、骨のずれを正しい位置に整えます。徒手整復は、骨折部が大きく腫れあがると施術が難しくなるため、傷を負ってから6時間以内に行います。無理に整復すると、神経や血管を損傷することもあるので、注意が必要です。小児の骨幹部骨折の場合、自家矯正力が強く働くため、ある程度曲がっていたり、短くなっていたりしても正常に回復します。ただし、大きくずれてねじ曲がっている場合は自家矯正されないため、できる限り正しい位置に整復することが大切です。

牽引による整復

徒手整復が難しい場合や、小児の骨折で徒手整復を行った後に正常な位置を保つため、あるいは手術前にできるだけ正しい位置を保たせようとする場合に行います。牽引には、2つの方法があります。絆創膏や包帯を使って皮膚の上から牽引する介達牽引法と、骨に直接鋼線(こうせん)などを刺し入れて牽引する直達牽引法です。一般的に、乳幼児には介達牽引法が用いられ、それ以上の年齢では直達牽引法を用います。直達牽引法の方が直接骨折部に装着して引っ張るため、強く牽引することができます。骨折部に骨がつながる過程で生じる仮骨(架橋仮骨)が作られたら、ギプス固定などの外固定に変更します。成長過程にある小児の場合は自家矯正力が強いため、牽引による整復だけで治癒する場合もあります。

手術による整復

骨のずれが大きい場合など、骨折の状態や程度によっては手術が必要なこともあります。手術による整復では、骨を正常な位置に戻して正しい位置を保たせるために、骨折部を内固定します。関節内骨折では後遺症として関節痛が残らないように、関節の位置をできる限り正常な位置に戻すときなどに整復が用いられます。

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