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出血するのは重大?骨盤骨折の特徴と治療、治療後の注意点

更新日:2018/06/14 公開日:2016/10/26

体幹の骨折

骨盤骨折は、交通事故や高所からの落下、ときには転倒などでも発生します。骨盤骨折はどのような症状が起こるのでしょうか。特徴をはじめ、治療法と経過、治療後の注意点について、ドクター監修の記事で解説します。

骨盤は背骨と大腿骨の間にある腰骨の総称で、左右1対の寛骨と、その間にある仙骨と尾骨で形づくられています。骨盤は、上半身を支える土台としての役割を担い、また両側にある股関節を介して下半身と上半身をつなぐ重要な部位でもあります。骨盤骨折によって身体にはどのようなことが起こるのか、また、どういった治療法があるのかなど、詳しくみていきましょう。

骨盤骨折の原因と症状

骨盤骨折は、歩行中や自転車乗車中の事故、高い所からの転落などによって身体に大きな衝撃が加わった場合に起こります。骨盤を骨折すると、座れない、自力で身体を動かすことができないといった症状が現れます。大きな骨盤骨折では、大腿骨骨折や脛骨骨折に比べて出血量が多く、大量出血をともなう場合にはショック状態に陥ることがあります。蒼白、虚脱、冷汗、脈拍がとれない、呼吸不全といった出血性ショックの他に、昏睡、尿が減ってしまう乏尿(ぼうにょう)、膀胱に尿が存在しなくなってしまう無尿(むにょう)などの症状が現れることもあります。

特殊な骨盤骨折としては、若い人に起こるスポーツ外傷の1つで、筋肉の付着部が剥がれる剥離骨折があります。また、高齢者が転倒などのような比較的軽微な力によって、骨盤を骨折する場合もあります。

骨盤骨折の診断

骨盤骨折には、大きく分けて寛骨臼(かんこつきゅう)骨折と骨盤輪(こつばんりん)骨折の2種類があり、いずれもX線検査で診断します。骨盤の形状は非常に複雑なので、治療方針を決定するためには、CTで骨折した部分を詳しく調べることも重要です。また、骨盤骨折では骨盤内臓器、特に尿路の損傷を合併することもあります。血管損傷や合併損傷を調べるためには、造影CTを用いることが多いです。

骨盤骨折の治療法と経過

骨盤骨折で出血が多い場合には、急いで止血処置を行う必要があります。止血の効果が現れれば出血性ショック症状を抑えることができるので、骨折の治療を行うことができます。

出血が多い場合の治療

骨折した部分の安定化が止血の基本です。専用の器具を使い、骨盤の周囲を一定の圧力で圧迫したり、骨折箇所を体外で仮固定したりします。下肢の牽引で骨折箇所のズレを減らすことができる場合は、大腿骨遠位(だいたいこつえんい)または脛骨近位(けいこつきんい)にワイヤーを刺し入れて、手術までの間、牽引をし続けます。

寛骨臼骨折の治療法

股関節の関節内骨折を、寛骨臼骨折と呼びます。寛骨臼骨折の場合、なるべく正しい整復位置に戻すことが重要です。もし骨折による骨のズレや段違いを残したまま保存療法を行うと、骨が繋がっても変形性関節症の進行を許してしまい、将来的に人口関節置換術が必要になる可能性が高くなります。

骨盤輪骨折の治療法

寛骨臼骨折以外の骨盤骨折が、骨盤輪(こつばんりん)骨折です。骨盤輪は、後方の仙骨から両側の腸骨を回って、前方の恥骨結合までを形成しています。この骨盤輪がどの程度破壊されたかによって、治療法が変わってきます。基本的に1か所の骨折だけで骨盤輪安定であれば、手術は必要ありません。合併症がなければ、医師の指示に従い、安静にしていれば治ります。

骨盤輪の前方が不安定で、後方が垂直方向には安定している場合は、前方の安定化のみで治療できます。このタイプの骨折が骨盤輪骨折の20~30%を占めています。一方、骨盤輪骨折で骨盤後方要素が破壊され、不安定性が強い場合には、手術が必要です。スクリュー、プレート、脊椎固定用のインプラントなどを使って、内固定を行います。手術による治療は保存療法に比べ、早期に車椅子や歩行練習が始められるメリットがあります。

治療後の注意点

骨盤骨折は、治療期間が比較的長くなります。骨盤骨折が原因で股関節に変形性関節症を起こすこともあるので、焦らずしっかり回復させることが重要です。医師の指示に従った適度な運動を行い、治療後は定期的な診断を受けることをおすすめします。

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