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すねの骨折!下腿の骨幹部骨折の治療と気になる合併症は

更新日:2017/12/18 公開日:2016/09/30

足の骨折

交通事故やスポーツ中の事故などで強い衝撃を受けたときすねの骨折が起こることがあります。すねの骨折の概要・治療法・合併症について、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

交通事故やスポーツ中の事故などで強い衝撃を受けたときすねの骨折が起こることがあります。特に、「下腿(かたい:ひざから足首までの部分)」に近い部分の骨幹部骨折は、骨折の中でもとりわけ治療が難しいといわれます。下腿の骨幹部の骨折の概要および治療法、さらに合併症について見ていきましょう。

下腿の骨幹部の骨折、治療の難易度

交通事故や、スポーツ中・仕事中の事故など、強い力が加えられることで発生することのある骨折ですが、打ちどころが悪いと転倒しただけでも生じることがあります。

下腿の骨幹部骨折の治療が難しい理由は、下腿の構造と関係しています。人体の骨のほとんどは筋肉に囲まれていますが、すねの骨である「脛骨(けいこつ)」の前から内側にかけては触ってわかるように筋肉がなく、皮膚のすぐ下に骨が存在しています。このため、すねの骨折では、骨折した骨自体の端が鋭利だと、簡単に皮膚を突き破ってしまうのです。

骨折箇所近くの切り傷や裂傷によって、骨折箇所が外に飛び出してしまうことを「開放骨折」と呼びます。開放骨折の場合は、空気中の細菌にさらされるため、化膿の危険が多くあります。骨折箇所の中でも骨髄が感染して骨髄炎を起こしてしまうと、治療が難しく、治りにくいとされています[3]。

そこで、まず感染を防ぐため傷の処置を優先します。また、骨折の治癒には、骨折部周囲の血流が豊富であることが必要です。しかしながら、脛骨の下半分は筋肉が腱に移行する箇所で、骨周囲の血流も少ないという特徴があり、そのため下腿の骨幹部骨折は治るのに時間がかかってしまうのです[1][2][3]。

下腿の骨幹部の骨折の治療法について

年齢や、骨のズレの大小、傷や全身の状態、他の部分に外傷があるか、さらに下腿骨幹部の骨折が開放骨折であるかどうかによって、治療方法が変わります。主な治療法には、「保存療法」や「手術」があります。

下腿の骨幹部骨折における保存療法

保存療法の適応になる場合は、開放骨折になっていなかったり、骨のズレが小さかったりなど、軽い骨折で済んだ場合が多いようです。

下腿骨幹部の骨折における保存療法には、ギプス固定やプラスティック樹脂製の副子(シーネ)を用いて固定、ベッドで長期間引っ張って治療する方法などが挙げられます。

下腿の骨幹部骨折における手術

骨のズレが大きい場合は、手術での治療となります。主に髄内釘(ずいないてい)という金属棒を骨の中に挿入し、骨折箇所を固定します。開放骨折の場合は、まず感染を防ぐ必要があります。

小さな傷で、あまり汚染されていない状態では、まとめて骨折の手術と傷の処置を行います。傷の状態がひどく、傷の範囲が広いなど、汚染の恐れがある場合は、まずは患部を洗浄します。そして、骨折部の感染の危険性を下げてから骨折に対する手術を行います。

手術の方式は、髄内釘を行う場合もありますが、金属から感染が起こることがありえるので、骨折部に金属を埋め込まず、皮膚の外で固定する「創外固定」を行う場合もあります。創外固定では、骨折部分をはさんで両側の骨にワイヤーまたはピンを数本打ち込みます。その上で、骨のズレを可能な限り矯正し、打ち込んだワイヤーやピンをつなぐように傷の外側から骨折したところを固定します[1][2][3][4]。

下腿の骨幹部骨折で注意すべき合併症

下腿の骨幹部骨折では、神経・血管の損傷といった合併症にも注意が必要です。足の痺れや、皮膚で温度を感じられないような知覚異常の症状が現れていたら、神経に損傷があるかもしれません。

下腿の骨幹部骨折で血管損傷をともなう場合は、できるだけ早く血管をつなぐ手術を行います。治療が遅れると、血液が届かなくなった箇所が壊死する可能性があるからです[5]。

下腿の骨幹部骨折はあらゆる年齢層に発生し、折れ方もケースバイケースで、合併症に注意が必要です。専門医師の指示に従い、適切な治療を受けましょう。

参考文献

  1. [1]野々村秀明, et al. "難治化した下腿骨露出創に対する簡便な治療法. " 創傷, 2012; 3(3): 149-153
  2. [2]森田雅和, et al. “エンダー釘による下腿骨折の治療経験. " 整形外科と災害外科, 1990; 39(2): 728-731
  3. [3]今村貴和, et al. “脛骨慢性骨髄炎に開放骨折を伴った 1 症例の治療経験. " 臨床整形外科, 1986; 21(1): 93-97
  4. [4]秋穂俊輔, et al. "創外固定を用いて二期的内固定術を行った下肢閉鎖性骨折の治療経験. " 整形外科と災害外科, 2013; 62(3): 457-460
  5. [5]高橋充, et al. "脛骨遠位部骨折の治療成績. 中部日本整形外科災害外科学会雑誌,"  2011; 54(2): 337-338
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