スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

大腿骨頚部(だいたいこつけいぶ)骨折に適した手術は?

更新日:2018/06/14 公開日:2016/09/30

足の骨折

大腿骨頚部(だいたいこつけいぶ)骨折が起こると、歩行が困難になります。ケガをする前の歩行能力を取り戻すためには手術が必要です。大腿骨頚部骨折に適した手術について、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

大腿骨頚部(だいたいこつけいぶ)骨折は、骨の強度が弱い高齢者に多く、寝たきりになりやすいといわれています。関節内骨折なので骨がつながりにくく、偽関節(ぎかんせつ)や骨頭壊死(こっとうえし)などの合併症を起こす危険性もあります。本記事では、治療が難しいといわれている大腿骨頚部骨折に適した手術を見ていきます。

大腿骨頚部骨折の手術療法

一般的な大腿骨頚部骨折の治療には、骨接合術と人工骨頭置換術の2つがあります。年齢や活動性や全身の状態を十分考慮して手術の方法が選択されます。

骨接合術

骨接合術とは、金属などの器具で固定して、骨折した部分の骨をつなげる手術です。しかし、大腿骨頚部骨折は骨がつながりにくいため、骨接合術を行った場合は偽関節が生じる可能性があります。また、骨折の際に動脈を損傷して血液が流れなくなり、骨頭壊死や遅発性骨頭陥没(ちはつせいこっとうかんぼつ)という合併症を起こす恐れもあります。このような合併症が現れた場合は、再度手術を行う必要があります。骨折した部分を固定していた金属器具を抜いて、さらに人工骨頭置換術を行うことになります。

人工骨頭置換術

最初から人工骨頭置換術を行えば、偽関節や骨頭壊死、遅発性骨頭陥没などの合併症は起こりません。しかし、人工骨頭置換術には、骨接合術と比べて手術による患者さんへの負担がやや大きくなるという問題があります。骨接合術に比べ手術時間が長く、輸血を必要とするケースが多いため、術後感染の危険性も高いといわれています。また、人工骨頭置換術に特有の合併症として、術後経過中に関節脱臼を生じることがあります。脱臼を起こすと、病院を受診して整復してもらう必要があります。

現在は筋を傷つけない手術法が開発され、脱臼を起こしにくくなっていますが、注意しなくてはなりません。さらに、人工骨頭置換術には人工骨頭の耐久性の問題があります。長期間経つと挿入された人工骨頭がたるんでくることがあり、新しい人工骨頭や人工股関節に再置換する手術を行わなければなりません。

大腿骨頚部骨折の手術方法を選択するポイント

骨折した部分が大きくズレている場合は人工骨頭置換術、あまりズレていない場合には骨接合術が行われる傾向にあります。過去の研究で、骨接合術での治療後に生じる偽関節や骨頭壊死、遅発性骨頭陥没などの合併症は、骨折した部分のズレの程度に影響を受けると報告されていることが理由です。

ズレが少ない大腿骨頚部骨折に対しては、患者さんへの負担が少ない骨接合術で好結果が得られる可能性が高く、ズレが大きい大腿骨頚部骨折に対して骨接合術を行うと、20~30%程度の確率で合併症に対する再手術が避けられません。ズレの大きい大腿骨頚部骨折では、再手術の危険性を少しでも回避するため、人工骨頭置換術を選択する場合が多いといえます。

参考文献

  1. [1]渡部 欣忍. "大腿骨頚部骨折と大腿骨転子部骨折 ~高齢者の脚の付け根の骨折~" 一般社団法人 日本骨折治療学会. https://www.jsfr.jp/ippan/condition/ip25.html(参照2018-06-14)

今すぐ読みたい

ヘルスケア本