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喉の痛み以外に発熱や頭痛も?急性・慢性咽頭炎の諸症状

更新日:2017/10/24 公開日:2016/11/20

咽頭炎の基礎知識

咽頭炎は、のどの奥の部分の炎症が原因で引き起こされる病気です。のどの痛みや異物感、発熱などの症状が見られます。ここでは、咽頭炎の症状についてドクター監修のもと解説します。

咽頭はのどの一部であり、鼻と口、そして喉頭(食物が通る食道、呼吸のための空気が通る気道の分かれ道)をつないでいます。この部分に何らかの理由で炎症が起こったのが咽頭炎です。

咽頭炎の主な症状

咽頭炎になると、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。まず、咽頭の粘膜が赤くなって腫れます。そうすると、飲み込むときに痛みを感じたり(嚥下痛)、のどに違和感や異物があるような感じがしたり(異物感)、のどが乾燥している感じ(乾燥感)がします。また、身体は異常を察知して、異物を外に出そうと痰などの粘液を多く出すようになります(分泌過多)。さらに、炎症は発熱やだるさ(倦怠感)も引き起こします[1]。

咽頭炎の主な原因

咽頭炎は大きく急性咽頭炎と慢性咽頭炎の2つに分けられます。いずれも症状はよく似ていますが、原因は急性咽頭炎と慢性咽頭炎とで異なります。急に症状が現れる急性咽頭炎の場合は、ウイルスや細菌による感染症、鼻など近い部位で起きている炎症の波及、物理的・化学的な刺激などが原因となります。一方、慢性咽頭炎は、急性咽頭炎が治らずに数週間にわたり続いてしまった場合を指します。また、埃や乾燥、暑さや寒さ、飲酒、喫煙が慢性咽頭炎を引き起こすといわれています。鼻などの病気により咽頭へ持続的に刺激が加えられることも原因となり得ます[1]。

咽頭炎の治療法

咽頭炎でもっとも多いのが、ウイルスの感染により発症する急性咽頭炎、いわゆる風邪です。大人の咽頭炎の約9割がウイルスによるものといわれています。原因となるのはライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルスが多いようです[2]。このようなウイルスによる咽頭炎の場合は、治療薬は限られており、多くの場合は身体の免疫システムがウイルスを退治するのを待つしかありません。その間、つらい症状をやわらげる目的で対症療法が行われます。薬局で薬剤師に相談して市販薬を買ってもいいですが、症状がいつもと違う、症状が重い、心配だという場合は病院で診てもらいましょう。

細菌の感染による咽頭炎もあります。この多くは溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)によって引き起こされます。溶連菌の感染症は幼児から学童に多くみられ、代表的な咽頭炎の症状に加えて、舌にブツブツができる(イチゴ舌)、頭痛、扁桃腺が腫れる、口内に出血斑が出る、全身に赤い発疹が出るなどの症状が現れます。溶連菌が原因かどうかは迅速診断キットで判定できます。溶連菌であることが確認できたら、抗菌薬を用いた治療が行われます。

また、飲酒や喫煙などが原因で慢性咽頭炎を引き起こしている場合は、生活習慣の改善も大切な治療の1つです。

代表的な咽頭炎を起こす病気を解説しましたが、症状が似ている別の病気もありますので、症状が長引いたり、重かったりするようなら受診してください。子供なら小児科、大人なら内科や耳鼻咽喉科がお勧めです。

咽頭炎と間違えやすい危ない病気

咽頭炎と同じように「のどの痛み」がある病気の中には、放置すると危険なものも含まれます。有名なのは急性喉頭蓋炎(こうとうがいえん)や扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)で、特にものを飲み込もうとするときに強い痛みを感じます。この病気は大人に多く、場合によっては呼吸困難(窒息)に陥る可能性もあることから、一刻も早い病院での処置が必要です。のどの痛みや発熱に加え、下記のような症状がある場合は要注意といわれています[2]。

・人生最悪の痛み

・口を開けにくい(開口障害)

・つばを飲み込めない、よだれが口からたれる

・両手をついて座り、顔を前に突き出したような姿勢になる

他にも、心筋梗塞や動脈乖離、くも膜下出血などの重大な病気でも、咽頭炎とよく似た痛みが現れることがあります[2]。特に持病をお持ちの方は、たかがのどの痛みと軽く見ず、早めに受診することをお勧めします。

咽頭炎の予防法

咽頭炎は、ウイルスや細菌の感染によるものがほとんどです。そのため、予防にはマスクや加湿器などにより、のどを守ることが効果的です。外出後は手洗いやうがいをすることも大切です。また、食生活を改める、疲れを溜めないようにすることは、身体の抵抗力を正常に維持するために重要です。

家族や周囲の人が咽頭炎を起こしている場合は、普段よりもマスク着用や手洗いなどを念入りに行い、抵抗力が弱い乳児や高齢者などとは接触を控えさせるなどの配慮が求められます。

参考文献

  1. 1. 南山堂 医学大辞典 第19版 2006
  2. 2. 山本舜悟編.かぜ診療マニュアル 第2版.日本医事新報社,2017; 88-90