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上咽頭炎は市販薬で治療できる?病院に行くべき症状は?

更新日:2018/07/06 公開日:2016/11/20

咽頭炎の種類

上咽頭炎では、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、咳などの症状が出ます。これらの不快な症状はウイルスや細菌が上咽頭に感染して炎症が起こることによります。ここではドクター監修のもと、病院に行くべき?市販薬で対処できる?といった疑問にお答えします。

◎短くポイントをまとめると
上咽頭炎の多くはウイルスによるもので、1週間ほどで自然に治る
薬局などで市販薬を買って症状を抑えることもできる
痛みが非常に強く、口が開けられない、つばが飲み込めないという場合はすぐに病院へ
扁桃に白い塊(膿栓)がついており、高熱やリンパ節の痛みなどがある場合も病院へ

上咽頭の位置を示すイラスト

 

上咽頭とは、上のイラストで示した通り、鼻とのどをつなぐ部分です。「じょういんとう」と読みます。口を大きく開けるとのどちんこ(口蓋垂)が見えますが、その裏側や奥にあります。ここに何らかの原因で炎症が起きた状態が「上咽頭炎」です。ここではドクター監修のもと、上咽頭炎の原因や症状、正しい対処法について解説します。

上咽頭炎はなぜ起こる?

上咽頭炎で最も多い原因はウイルスや細菌の感染です。ほとんどがウイルス(ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルスなど)によるもので、細菌(溶連菌、淋菌、ジフテリア菌、クラミジアなど)によるものは成人では全体の10%程度です。ただし、子どもの場合は細菌性が15~30%程度と少し多くなります[1]。

上咽頭炎で起こる症状

上咽頭に付着したウイルスは、粘膜細胞に感染して中に入り込み、その細胞を操ってウイルス粒子を大量に複製させようとします。人間の免疫システムはこの異変を察知して、ウイルスとそれに感染してしまった細胞を排除しようとします。そのときに起こるのが炎症です。

上咽頭炎で起こる症状は、この炎症によって引き起こされます。一般的に風邪かぜとして知られている下記のような症状が出ます。

  • のどの痛み
  • 鼻水
  • 鼻づまり

この他にも、だるさ(倦怠感)、くしゃみ、リンパ節の腫れ、声がれ、頭痛などの症状が起こります。発熱は成人よりも子どもに多い症状です。また、感染したウイルスや細菌の種類によっては、筋肉痛や結膜炎が起きたり、のどに白い塊(膿栓)が付いたりすることがあります。

上咽頭炎から二次性の細菌感染が起こることも

前述したような症状は、約1週間(2~10日)で自然に治ることがほとんどです[2]。免疫システムがウイルスを排除して、炎症で傷ついた組織も回復します。ただし、幼児や高齢者、持病をお持ちの方は、ウイルスによる炎症が起きているところに細菌が感染して、急性の副鼻腔炎や中耳炎、肺炎に発展してしまうことがあります。

上咽頭炎で病院に行くべき?

上咽頭炎は基本的に1週間程度で自然に治るので、必ずしも病院に行く必要はありません。大部分の上咽頭炎の原因であるウイルスには特効薬がないため、安静にして免疫システムが撃退してくれるのを待つしかありません。

しかし、下記のようなのどの痛みがある場合は、悪化すると呼吸困難に陥る可能性があるので急いで病院(内科、耳鼻咽喉科)に行きましょう[1]。

  • 今まで経験したことのないくらいの強く広範囲にわたる痛み
  • 口を開けることが困難
  • つばを飲み込めない
  • 首の前側を押さえると痛い
  • 声が嗄れてきた

また、上咽頭炎の約1割は細菌によるもので、なかでもA群β溶連菌という種類の細菌が原因である場合は、抗生物質(抗菌薬;市販されていません)による治療が必要になります。下記の4項目のうち当てはまる数が多いほど、A群β溶連菌の感染症である可能性が高くなります[3]。

  • 扁桃に白い塊(膿栓)がついている
  • 首のリンパ節が腫れており、押すと痛い
  • 38.0℃以上の発熱がある
  • 咳がない

病院に行けば、溶連菌かどうかを調べる検査が受けられます。上記の2つ以上が当てはまる場合は病院(かかりつけ医、もしくはお近くの内科クリニック)を受診しましょう。

また、これらに該当しなくても、症状が1週間以上つづいている場合や悪化する場合、鼻や耳などに症状が広がってきている場合は、一度病院で診てもらうことをおすすめします。

なお、例外的にインフルエンザウイルスについては抗ウイルス薬があります。インフルエンザも自然に治る病気ですが、子どもや高齢者、持病のある方は早めに抗ウイルス薬を飲んだ方がよい場合もあります。お住まいの地区でインフルエンザが流行している場合はお近くのクリニックを受診してください。

上咽頭炎を市販薬で治すには?

上咽頭炎の多くは安静にして免疫システムが撃退してくれるのを待つしかありません。とはいえ、1週間近くのどや鼻の不快な症状が出るとなると仕事などに差し支えて困る場合は、薬局やドラッグストアで市販薬を買って、症状を押さえる(対症療法)こともできます。

ここでは薬の種類ごとに代表的な成分を紹介しますが、商品の数はたくさんあるので、薬剤師や登録販売者に相談して症状に合うものを選んでもらうことをおすすめします。

かぜ薬

かぜ薬には、熱を下げ、痛みを緩和する解熱鎮痛成分、鼻水やくしゃみなど鼻の症状を抑える抗ヒスタミン成分、咳や痰を減らす成分などが配合されています。

  • 解熱鎮痛成分:アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、エテンザミドなど
  • 抗ヒスタミン成分:カルビノキサミンマレイン酸塩、ジフェニルピラミン塩酸塩など
  • 鎮咳成分:ジヒドロコデインリン酸、メチルエフェドリン塩酸塩など
  • 去痰成分:アンブロキソール塩酸塩、ブロムヘキシン塩酸塩など
  • 抗炎症成分:トラネキサム酸、グリチルリチン酸など
  • 漢方・生薬成分:葛根湯、桂枝湯、小柴胡湯、甘草、桔梗、生姜、麻黄など

うがい薬

うがい薬には、殺菌消毒成分や抗炎症成分が配合されています。

  • 殺菌消毒成分:クロルヘキシジングルコン酸塩、ポピドンヨード、チモール
  • 抗炎症成分:アズレンスルホン酸ナトリウム

なお、鼻うがい(鼻洗浄)用の液体も売られています。鼻炎や副鼻腔炎ではネバついた鼻水や痰が詰まったような不快な症状が起こることがありますが、鼻うがいでスッキリすることができます。詳しくは『鼻うがい・鼻洗浄、正しい手順と注意すべきポイント』をご覧ください。

上咽頭炎を予防するには?

上咽頭炎のほとんどは自然に治るとはいえ、数日間は喉の痛みや不快感に悩まされることになりますので、ならないにこしたことはありません。上咽頭は常に外気に触れている部分のため、ウイルスや細菌が付着しやすい場所です。これを予防するためのポイントを最後にご紹介します。

  • 手洗い・手指の消毒
  • うがい
  • マスクの着用
  • 加湿
  • 予防接種(インフルエンザなど)
  • 質の良い睡眠や十分な休息をとる
  • 栄養バランスの取れた食事(特にビタミンA、C、D、亜鉛、マグネシウムなど)
  • ヨーグルトなどの発酵食品で腸内環境を整える
  • からだを冷やさない

参考文献

  1. [1]山本舜悟編.かぜ診療マニュアル 第2版.日本医事新報社,2017; 87-105
  2. [2]デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2016; 230-232
  3. [3]Centor RM et al. The diagnosis of strep throat in adults in the emergency room. Med Decis Making. 1981;1(3):239-46

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