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過呼吸が原因で死ぬ可能性はあるのか?

更新日:2018/06/20 公開日:2016/11/22

過呼吸症候群の基礎知識

過呼吸を発症した人の多くが、その息苦しさから「このまま呼吸が止まり、死んでしまうのでは」と脳裏をよぎった経験があるようです。ここではドクター監修のもと、過呼吸が原因で死ぬことがあるのか解説します。

現在、国内の過呼吸症候群の患者は10~20代の若年層に多く見られ、男性よりも女性が多く発症するケースが多いと報告されています。

過呼吸で死ぬ可能性は、ほぼゼロ

結論からいえば、過呼吸症候群で死亡する可能性はまずないと考えてよいでしょう。多くの患者は、その息苦しさから「このまま酸素不足に陥り、窒息して死ぬのでは」と不安になることが多いようです。しかし、過呼吸は呼吸ができていないと本人が錯覚しているだけであり、血液中の酸素濃度を確認すると、しっかりと正常値を示している場合がほとんどなので、低酸素が原因で命を落とすことは、まずありません。

また、過呼吸が長引くと意識障害に陥ることがありますが、呼吸が落ち着けばすぐに意識は戻ります。過呼吸は、呼吸の乱れによって体内の二酸化炭素濃度が低くなり、血液が強アルカリに傾き発症します。二酸化炭素濃度が低くなると、血管に収縮が見られ、全身の血流が悪くなります。当然、脳へ流れる血液量も少なくなるため意識障害が起こります。逆に意識を失った状態というのは、ストレスから解放された状態にあるため、このとき患者の容態は安定しているといえます。

もし、家族や周囲の人に過呼吸症候群の人がいて、急に意識がなくなった場合でも、決してあわててはいけません。他の病気との因果関係がない場合、死に至ることはないため、まずは落ち着いて、医療機関へ連絡し、その場での対処法を仰ぐようにしましょう。

呼吸の正常化は、適切な治療方法

過呼吸症候群を発症した場合、まずは呼吸を正常な状態に戻すよう試みます。患者に安静な体勢になってもらい、呼吸を落ち着けるよう声がけをします。それでも症状が改善されない場合、精神安定剤(抗不安薬)を注射する場合もあります。こういった処置で、多くの患者は30分~1時間ほどで呼吸が正常な状態に戻ります。

過呼吸は、体内の二酸化炭素の濃度が低くなることによって起こることから、かつては、患者の口に紙袋を当て、吐いた息(二酸化炭素)を再び体内に戻し二酸化炭素量の正常化を試みる処置(ペーパーバッグ法)が選ばれていました。ところが、体内の酸素量のモニタリングを行わずにこの処置をした場合、逆に吸い込む二酸化炭素の量が増え過ぎて、低酸素の症状になり、悪心や目まい、頭痛を訴えるケースが見られました。

現在、ペーパーバッグ法は推奨されておらず、治療の第一選択肢となることはほぼなくなりましたが、不適切な処置で体内の二酸化炭素量が急激に増えた場合、低酸素脳症に陥り、死亡する可能性がわずかながら出てくることを覚えておきましょう。

病気への正しい知識は、周囲をあわてさせないためにも必要なこと

あまりの息苦しさからパニック状態になってしまい、多くの人が生命の危険を感じてしまうのも無理はありません。しかし、過呼吸症候群が原因で死に至る可能性はほぼありません。病気への正しい知識を持つことが大切です。そして、発症した場合でも落ち着いて対処することが重要であり、家族や親しい友人などにも、病気についての情報をきちんと共有しておくことが、周囲を混乱させないためにも大切なことでしょう。