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生活に困窮した場合に利用できる「生活保護制度」とは

更新日:2016/11/01 公開日:2016/10/31

生活保護制度

資産や能力等を活用しても生活に困る方に対して国が最低限の生活を保障し、将来の自立を助長するためにも設けているのが「生活保護制度」です。利用条件、適用を受けるための申請や手順、給付の対象内容などを社会福祉士監修の記事で説明します。

会社の倒産、事業の失敗、病気やケガによる就労不可状態などにより収入が不足して生活に困窮してしまうこともあります。そうした苦しい状態の方を助けてくれるのが国の「生活保護制度」です。この制度を利用するための条件、給付内容、手続方法や注意事項などを確認していきましょう。

最低限度の生活を保障し自立を助長する「生活保護制度」とは

「生活保護制度」は、資産や能力等のすべてを活用しても生活に困窮する方に対して国が最低限度の生活を保障し、さらに、将来の自立を助長するために行う制度です。この制度の要件に該当する方は国が定めている基準に基づく最低生活費から収入を差し引いた金額が生活保護費として毎月支給されます。

この制度における収入は、就労収入、年金・児童扶養手当等の社会保障給付や親族からの援助、資産の売却による収入などです。その最低生活費からこの収入の合計額を控除した金額を受け取ることができます。

なお、生活保護は困窮の程度に応じて必要な保護が実施されることが前提となっているので、支給される生活保護費は住んでいる地域や各世帯の状況によって変わってきます。

「生活保護制度」を利用できる要件とは

「生活保護制度」の対象は資産や能力等のすべてを活用しても生活に困窮している状況にある家庭で、世帯単位に支給されます。

そのため「生活保護制度」の適用を受けるためには、世帯のすべての者が保有している資産、活用できる能力などを最低限の生活維持に活用していることが前提となります。また、扶養義務者の扶養は、「生活保護制度」の保護に優先されます。

具体的には以下の活用等をしている必要があります。

資産の活用

預貯金、生活に活用されていない土地・家屋等の資産を保有している場合は売却するなどして生活費に充てる。

能力の活用

就労が可能な場合は、その能力に応じて働く。

あらゆるものの活用

年金や手当など他の制度で受給している給付がある場合、それらを先に活用する。

扶養義務者の扶養

親族等から援助を受けられる場合は、その援助を受ける。

これらの活用等を行ったうえで、世帯収入と国が定める基準で算定される最低生活費を比べ、世帯収入が最低生活費より少ない場合に、生活保護が適用されます。

「生活保護制度」の適用を受けるための手続の仕方

生活保護を受けるには福祉事務所で事前に相談し、そのうえで生活保護の申請をすることになります。申請後には適用を検討するための調査を受けなければなりません。

事前の相談

「生活保護制度」の適用を希望する方は、まず居住している地域を所管する福祉事務所の生活保護担当へ行く必要があります。そこで「生活保護制度」の説明が行われ、生活福祉資金、各種社会保障施策等の活用についても検討されるのです。

保護申請にともなう調査

「生活保護申請」が行われると、保護を決定するための調査が行われます。

・生活状況等を把握する上で必要な実地調査(家庭訪問等)

・預貯金、保険、不動産等の資産状況を確認する調査

・扶養義務者による扶養(仕送り等の支援)が可能かどうかを確認する調査

・年金等の社会保障給付、就労収入等の状況を確認する調査

・就労の可能性を確認する調査

保護費の支給とフォロー

保護が決定した場合、保護費が毎月支給されますが、生活保護の受給を受けている間は収入状況を毎月申告しなければなりません。

世帯の状況に合わせて、福祉事務所のケースワーカーにより年数回の訪問調査が実施されます。なお、仕事に就くことが可能な方は、就労に向けた助言や指導も受けられるのです。

相談や申請に必要な書類

生活保護を申請する際に特別必要となる書類はありません。しかし、生活保護の申請後の調査で、世帯収入や資産等の状況がわかる資料(通帳の写しや給与明細等)の提出が必要となることもあります。

生活保護制度での扶助の対象となる費用とは

生活保護制度では以下の生活する上で必要な各種費用に対して扶助が行われます。

・日常生活に必要な食費、水道光熱費、被服費など:生活扶助

・アパート等の住まいの家賃:住宅扶助

・義務教育に必要な学校で使用する学用品代や給食費など:教育扶助

・病気やケガなど治療で必要な医療費:医療扶助

・介護サービスでの費用:介護扶助

・出産にかかる費用:出産扶助

・高校就学費用や就労に必要な資格の取得にかかる費用など:生業扶助

・葬儀のために必要な費用:葬祭扶助

なお、上記の各費用については定められた基準額や範囲内での実費が扶助の対象となります。また、上記以外の費用について判断に迷う場合などは福祉事務所に相談するとよいでしょう。

生活保護制度の問い合わせ先や相談先は?

生活保護の相談および申請窓口は、現在居住している地域を所管する福祉事務所の生活保護を担当する保護課などになります。福祉事務所が設置されていない町村に居住している場合、町村役場での申請手続も可能です。