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被災者の生活再建を支援する「災害援護資金」とは

更新日:2016/11/01 公開日:2016/10/31

生活保護制度

災害時、「災害援護資金」を利用することで被災者は自治体から生活再建資金を借りることができますが、利用にはさまざまな条件があります。制度を利用する際の注意事項や手続きについて、社会福祉士の記事でご説明します。

災害に遭遇したとき、命が助かったとしても、長期間の療養を要するような傷を負ったり、住居や家財が損壊したりとまとまった資金が必要になるケースは少なくありません。しかし、被災した状況下で大きな額のお金を用意することは困難です。このような事態が発生した場合、自治体から低金利で生活再建の資金を借りることができます。制度の内容や利用するための条件などについて見ていきましょう。

被災したときに復旧資金を借りることのできる制度「災害援護資金」

災害救助法によって定められた規模の災害が発生した場合に、住民の生活再建を援助するために自治体が低金利で資金の貸し付けを行う制度を災害援護資金と言います。災害により1か月以上にわたる療養期間を必要とする傷を負った場合や、住居や家財が全壊や半壊などの被害を受けた場合に利用することが可能です。

負傷の程度や住居・家財の被害の度合いによって借りられる金額は異なるので、利用する場合には自分はどの程度貸付を受けることができるのかを確認する必要があります。借りられる限度額は最高で350万円、償還期間は据置期間を含めて10年以内、据置期間は3年以内(特別な場合5年)、利率は年3%ですが据置期間中は無利子です。

「災害援護資金」を利用することのできる対象者とは

災害援護資金を利用するためには、発生した自然災害に災害救助法が適用されるという前提を満たしたうえで、被災した世帯主が以下の3つの条件のいずれかを満たしている必要があります。

利用するための条件

・世帯主が災害によって1か月以上の療養期間を必要とする傷を負った場合

・家財の3分の1以上が損害を受けた場合

・住居が半壊もしくは全壊、あるいは滅失・流出した場合

さらに、前年の市町村民税を基準として世帯人員ごとに所得制限も設けられています。

世帯員人数と所得制限

・1人世帯…220万円

・2人世帯…430万円

・3人世帯…620万円

・4人世帯…730万円

・5人以上の世帯 1人増えるごとに730万円に30万円を加えた金額

総所得額がこれらの金額を下回っていることが必要です。ただし、住居を失った場合には規定金額は1270万円となります。

「災害援護資金」を利用するための手続きの流れ(詳細は居住地の区市町村の窓口にご確認ください)

世帯主が被災した日の翌月から3か月以内に被災した居住地の区市町村の窓口に災害援護資金の借入を申請します。申請の期限については災害の規模によっては変更となる場合もあるので確認が必要です。

災害援護資金の利用を希望する場合、必要な書類を提出して借入の申請を行います。申請を受けた区市町村は貸付の条件を満たしているか審査を行い、貸付が決定すると申請者に決定通知が送られます。決定通知を受け取ったら借用書などの借入に必要な書類を提出し資金を受け取るというのが全体の流れです。

借入の申請時に必要な主な書類

・災害援護資金借入申込書

・身分証明書のコピー

・ドクターの診断書(世帯主の負傷という条件により申請する場合)

・り災証明書(住居や家財の損害という条件により申請する場合)

・申立書(住居全体の滅失や流失という条件で申請する場合)

・家財損害記入書(家財の損害という条件で申請する場合)

以上の書類は申請時に全ての人が必要とする書類です。災害発生前後の期間における居住場所や被災状況など申請者それぞれに応じて必要な書類は異なります。書類の不備は貸付を受けられなくなったり、申請の承認に時間がかかってしまったりする原因になることもあるので、必要書類をしっかりと確認してから申請しましょう。

「災害援護資金」の詳細と利用する際の注意事項(詳細は居住地の区市町村の窓口にご確認ください)

借りられる資金の限度額は条件によって以下のように定められています。

借りられる資金の限度額

・世帯主が1か月以上の療養を要する傷を負っている場合

  世帯主の負傷のみ…150万円

  家財の損害のみ…250万円

  住居が半壊した…270万円

  住居が全壊した…350万円

・世帯主に条件に該当する負傷がない場合

  家財の損害のみ…150万円

  住居が半壊した…170万円

  住居が全壊した…250万円

  住居全体を滅失もしくは流失した…350万円

損壊した住居を再建するために住居の残存部分を取り壊す必要があるなど、特別な事情がある場合には限度額が増額されることもあります。

実際に貸付を受けた際、「返済しなくてもよい」といった虚偽の説明によって数十万円を騙し取られるという悪質な事例が起きています。災害援護資金は区市町村が被災者の生活再建を助けるための貸付制度です。必ず返済する必要があるということを覚えておきましょう。

「災害援護資金」についての問い合わせ先は

災害援護資金の詳細については居住地の区市町村へ問い合わせてください。主に社会福祉課や保健福祉センターなどが問い合わせ窓口となっていることが多いです。自治体によって問い合わせ窓口の置かれている部署は異なるので、区市町村役場の代表番号から問い合わせるという方法もあります。