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髪の毛を抜くくせがやめられない!抜毛症の治療法について

更新日:2019/08/26 公開日:2016/12/06

抜毛症の基礎知識

抜毛症とは自分の毛を抜く行為をやめたくてもやめられない病気です。主に思春期以降に発症し、心理的ストレスに原因があるのではないかといわれています。抜毛症の診断基準や治療について、ドクター監修の記事で解説します。

抜毛症(ばつもうしょう)は、自分の体毛を無理に抜く行為をやめられなくなる病気です。発症率は成人の1~2%で、主に思春期以降の女性に多くみられます。ここでは、抜毛症の診断基準や治療法について詳しく解説します。

抜毛症の診断基準について

精神疾患の診断・統計の国際的な指針、DSM-5によると、くり返し抜くことで体毛が喪失してしまった部分があるという抜毛症の診断基準が新たに示されました。以前は強迫性障害の一種に分類されていましたが、現在では強迫性障害に関連する病気と認められています。

抜毛症の治療を開始するタイミング

抜毛をくり返し、やめようと考えたり苦しんだりしている時間が数十分におよぶようであれば、単なるくせを超えた抜毛症が疑われます。少しでも抜毛症が疑われるなら、一度専門医を受診することをおすすめします。通常抜毛症は、頭髪や眉毛、まつげなど、服に覆われていない部分の毛を抜くことが多いとされ、周囲の人が変化に気づく目安にできるかもしれません。

抜毛症の症状については『抜毛症の原因は精神的ストレス?強迫性障害との関係は?』をご覧ください。

認知行動療法による抜毛症の治療

自分では気づきにくい考え方のくせを気づかせて、問題となっている行動の修正を目指す治療法です。抜毛症に対しては、主に行動に働きかける技法を採り、集団ではなく個別に認知行動療法が行われます。

認知行動療法でのハビット・リバーサル訓練(HBT)

問題となるくせ(ハビット)や行為と逆の行動をしていく方法です。主に次の練習を何週間か続け、進捗を記録します。

・気づきの訓練

抜毛をはじめたことに気づけるよう意識を向けます。抜毛しそうになるときに特徴的な気分や感覚がないかを自分で気づけるようにして、結果を記録します。無意識の行為を文字などで表現・記録し、抜毛によって得られる良い面と悪い面を書き出すことがポイントです。

・対抗反応訓練

抜毛したい衝動が起きそうなとき、逆の行動がとれるよう練習します。手の平をギュッと握ったり、わきをしっかり閉じて数分以上続けます。目立ちにくい指サックなどを常に装着して、行為をやりにくくする方法もあります。

・周囲のサポート

治療を行っている間、家族が応援を続けることが大切です。

上記の訓練に加えて、アセスメント、セルフモニタリングを行うこともあります。日常生活で抜毛の症状が起こりやすい状況、時間帯、そのときの感情などを自分自身で調べて対処に役立てるようにします。

アクセプタンス・コミットメント・セラピー(ACT)

今ある状況を受け入れ、回避行動や、思考と現実や自己を混同する行動を減らし、価値のある行動への動機づけを高めて、実行動に移していくという考え方です。

弁証法的行動療法(DBT)

極端に良い悪いの二者択一の思考に陥らずに、感情調節やありのままの自分を受け入れることをトレーニングしていく認知行動療法です。

薬物療法による抜毛症の治療

抜毛症の発症メカニズムは十分に明らかにされているとはいえません。薬物療法が、すべての人に有効なわけではないのが現状です。抜毛症の治療薬としては、一般的にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という薬が処方されることが多いとされています。強迫性障害や衝動制御障害、抗うつ剤として処方される薬です。ほかの病気を併発している人には、併発している病気の治療薬を用いることがあります。抜毛症は単なるくせではなく、体毛を無理に抜く行為をやめられないという病気です。抜毛を何度も行ったり、やめようと考えたりすることに毎日数十分も費やすようであれば、心療内科や精神神経科の受診をおすすめします。