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授乳時のしこりが取れない!しこりの取り方・マッサージ

更新日:2018/03/19 公開日:2016/12/05

母乳育児のよくある疑問

母乳で育児中の女性が、授乳時に痛みやしこりを感じて悩んでいることがよくあります。授乳期にしこりができる原因と、しこりを解消するマッサージ方法、病気の可能性など、専門家監修の記事で詳しく解説します。

◎短くポイントをまとめると
授乳時のしこりは乳汁がたまって詰まることで起きることがほとんどだが、全身に38度以上の発熱があれば速やかに産婦人科へ
しこりを取るには、積極的に授乳を行うこととマッサージが有効
乳汁の詰まり以外にしこりの原因となる病気がある、解消されない状態が続くときは乳腺外来へ受診を

授乳時のしこりのイメージ画像

授乳中の女性で、胸にしこりができ、このしこりがなかなか取れずに気になっているという方もいらっしゃると思います。しこりを触ったり押したときに痛みがあって不安に感じたり、特に痛みがあるわけではなくても、なんとなく嫌な感じがするので、取れるのであれば取りたいと思うのではないでしょうか。

この授乳時のしこりは何が原因で起こるのかを解説し、しこりを取る方法やマッサージについても紹介していきます。

授乳時のしこりが取れない!このしこりを取るには?

授乳期にしこりができる原因の多くは乳腺内に乳汁がたまることによって起こります。出産すると乳房の中にある乳腺で乳汁がつくられるようになります。つくられた乳汁は乳管を通って乳頭に運ばれますが、この乳管が十分に開いていないと乳汁が詰まり乳腺内にたまってしまい、乳房の赤み・痛み、しこり、腫れ、熱感を生じます。これをうっ滞性乳腺炎といい、片方の乳房に起きることが多く、赤ちゃんに母乳を飲ませることや、乳房をマッサージすることでほとんどは解消されます。

全身に38度以上の熱が出たときは病院へ

上記の症状(乳房の赤み・痛み、しこり、腫れ、熱感)に加え、全身に38度以上の高熱・悪寒、全身の痛みなどが出ている場合は、乳房内に細菌が感染して起こる化膿性乳腺炎が疑われます。このようなときは速やかに産婦人科を受診しましょう。

しこりを取るには積極的な授乳とマッサージが有効

しこりを取るには乳汁の詰まりを解消することが重要です。それには赤ちゃんへの授乳を積極的に行うことと、乳汁の出を良くする乳房マッサージが効果的です。

赤ちゃんへの授乳を積極的に行う

赤ちゃんに母乳を吸ってもらうことは乳汁の詰まりを解消するうえで基本となります。授乳時のポイントをいくつか紹介します。

  1. 授乳前に乳房をあたため乳汁を出しやすくする
  2. 赤ちゃんが吸いつきやすいよう乳輪を押して軽く母乳をしぼり、乳輪をやわらかくする
  3. しこりのある側の乳房から授乳させる(もし乳汁の出が悪くて赤ちゃんが不機嫌になるようであれば、しこりのない方の乳房から授乳を始める)
  4. 授乳するときの姿勢や角度はいつも同じではなく、いろいろと変えてみる
  5. 少しでも痛みが起きにくいようにしこりのある乳房を優しく包み込むようにし、しこり部分と乳輪のすぐ下の乳管を押すように意識する

授乳後は搾乳して乳汁を出し切り、細菌などの感染予防のため乳頭や乳輪をキレイに拭き取って清潔に保ちましょう。

乳汁の出を良くする乳房マッサージを行う

ここでは乳房マッサージのやり方を解説します。この乳房マッサージでは、おっぱいの底(基底部)をやさしくさするようにし、決してもみほぐさないようにしてください。

  1. マッサージする乳房と反対側の手の指を軽く広げた状態にして、バスケットボールをつかむ感じで乳房を外側から支えるように持ちます。
  2. もう一方の手のひらの母指球(親指の下のふくらんだ部分)を乳房の上部に当てて、乳房を外側から内側に向かって横方向に4~5回押します。
  3. 乳房を支えている手を少し下(乳房のななめ下)にずらして、一方の手をその下に添えます。そのまま乳房と反対側の肩の方向に4~5回押してください。
  4. 最後に、乳房を支える手の小指が乳房の下にくるところにあててください。それを反対側の手でさらに支えます。そのまま乳房を真上にすくうように4~5回持ち上げます。手首を曲げずに、前腕の力を利用して持ち上げましょう。

マッサージをしても解消されないとき、マッサージ方法に不安があるときは、母乳外来や助産院などに相談し、プロのアドバイスを仰ぎましょう。

熱感や痛みが強いときは乳房を冷やす

乳房が熱を持っている、強い痛みを感じるといったときは、乳房を冷やすことが有効です。炎症を抑える効果と乳汁分泌を抑える効果があります。冷やす際は、以下のものを使うと便利です。

  • 保冷剤をガーゼやタオルなどで包んだもの
  • 市販の冷却ジェルシート

ただし、冷やしすぎると母乳が固まってしまうことにつながります。凍傷の危険性もありますので注意しましょう。

授乳時のしこりが乳腺炎以外の病気の可能性はある?

授乳期間中の胸の痛みや腫れ、しこりがうっ滞性乳腺炎ではなく、別の病気ではと不安に感じる人も少なくないと思います。以下に挙げた病気でも乳房にしこりができることがあります。

  • 乳腺線維腺腫(良性)
  • 葉状腫瘍(9割は良性、1割は悪性)
  • 乳頭腫(良性)
  • 乳腺症(基本的には良性、一部は悪性化するリスクが高いものある)
  • 乳がん(悪性腫瘍)

これらの病気と乳汁の詰まりによるしこりの判別は難しいのですが、マッサージや授乳などでしこりが解消されない状態が続いたり、しこりが急に大きくなったりするようなことがあれば、病気の可能性を考え乳腺外来の受診をおすすめします。

まとめ

授乳時に見られるしこりは、乳汁のつまりが原因であることがほとんどですが、しこりや痛みが強く、38度以上の高熱が出たときは細菌感染の可能性があるので産婦人科を受診してください。そうでないときは、たまっている乳汁を出しやすくするためにマッサージや授乳を行い、授乳後は搾乳して乳汁を排出しましょう。それでもうまく乳汁が出ないときは、母乳外来などの母乳に関する相談窓口や助産院などに相談することをおすすめします。しこりが長いこと解消しない、急に大きくなってきたなどの変化が見られたときは、乳腺外来を受診しましょう。

また、普段からしこりを作らないように以下のことを心がけてみましょう。

  • 水分をしっかり摂る
  • 食事をゆっくりよくかんで食べる(特にごぼうなどの根菜類はおすすめ)
  • 同じ姿勢で首や肩が凝り固まらないようにストレッチなどの体操をする
  • 締め付ける下着をつけない
  • 授乳間隔をあけすぎないようにする

など

普段から乳房の状態に目を向けて、しこりを作らない生活を心がけて過ごされるとよいでしょう。