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大人のアトピーに多い症状と治療法

更新日:2017.12.21
公開日:2017.03.07
ドクター画像
この記事の監修者
くみこアレルギークリニック 院長 向田公美子

アトピー性皮膚炎は、子供に多く発症する病気として知られていますが、大人になってから発症する可能性も十分にあるため油断できません。ここではドクター監修のもと、成人で発症した場合の予防方法や対策について解説します。

アトピー性皮膚炎の主な原因は、さまざまなアレルギーにあると見られています。しかし、アレルギー以外の原因も除外できないため、慎重に診察、検査を重ねながら原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。

大人のアトピー性皮膚炎で考えうる原因

アトピー性皮膚炎の原因はまだ解っていませんが、一つにアレルギーがあげられます。エビ、カニなどの甲殻類や、小麦、そば、ピーナッツなどを摂取したときに現れる食品アレルギーもあれば、ダニやハウスダストといった家庭内の衛生環境が原因のアレルギー、衣服や建材に含まれる化学物質によって引き起こされるアレルギーなど、あらゆるところに原因が潜んでいます。

また、アレルギー以外でも、外用薬を含むあらゆる接触因子やストレスによる発症の可能性も考えられます。多大なストレス環境下において、精神的な不安や焦りから、無意識に自分の皮膚を掻き出すようになり、また、掻破(引っ掻き)行為そのものに依存症が見られる場合があります。

また、睡眠不足や、生活習慣の乱れ、などによって悪化する場合もあります。

大人のアトピーの症状は上半身に多く見られる

アトピー性皮膚炎の最たる症状は、皮膚にかゆみをともなう湿疹が見られるものですが、実際にかゆみを覚える部位、そして湿疹が見られる部位は、頭部(額、目や口の周辺)、頸部、四肢関節部、体幹といった具合に全身に現れます。その傾向は年代によってやや異なる特徴があり、大人が発症した場合、主に上半身に湿疹が見られます。

また、診断の際の重症度を示す目安として、強い炎症をともなう湿疹が体表面積の10%未満に見られる場合は「中等症」、同10%以上30%未満の場合「重症」、同30%以上に及んだ場合は「最重症」と分類されています。重症以上で局部的に強い炎症が見られる場合は、ステロイド外用薬やタクロリム軟膏による治療が選択されますが、症状が軽度なうちに、早く炎症を抑えてしまう事が、二次感染などを予防し、悪化を防ぎます。

薬物による治療法と生活習慣で気をつけること

上記の説明のとおり、重度の症状で出血や激しいかゆみ、痛みをともなうようなケースでは外用薬による薬物療法が選択されますが、もともとアトピー性皮膚炎は、遺伝要因を含む多病因性の疾患であるがゆえ、薬物療法だけで病気そのものを完治させるのは不可能なため、対症療法が基本になります。

炎症を抑えるのにもっとも効果的なのは、ステロイド外用薬やタクロリム軟膏で、その有効性と安全性は科学的に確立されています。これらの塗布によって症状が軽くなった場合や、元から軽~中度の症状が見られる場合は、皮膚の乾燥防止や保護機能維持のために、ステロイドとタクロリムを含まない保湿剤(ヘパリン類似物質含有製剤)の使用が推奨されています。1日2回の保湿剤の使用で、アトピー性皮膚炎の再発を軽減できると報告されています。また、外用薬以外では、全身のかゆみを抑制するための、抗ヒスタミン薬、または抗ヒスタミン効果のある抗アレルギー薬の服用による治療も有効です。

しかし、薬による治療と同時に、生活習慣と生活環境の改善に努めることが重要です。定期的に入浴し皮膚を清潔に保つこと、室内を清掃しホコリやハウスダストを除外すること、同時に暴飲暴食を避け、規則正しいリズムで生活を送ることも重要です。

遺伝的要素が強いアトピー性皮膚炎は、日ごろの注意や心がけだけでは病気を防げないケースも多々あります。その場合は、症状が悪化する前に医療機関を受診し、適切な処置を受けるようにしてください。

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