ウォシュレットに代表されるシャワートイレは、家庭ではもちろんのこと外出先でも広く設置されるようになったため、一度は使用したことがあるという人が大半ではないでしょうか。ビデを使用することによって得られるメリットや、正しい使用方法などについて解説します。
ビデを使う目的とは
ビデは、用を足したあとの外陰部を洗浄することで、心地よさを得られるようにと開発された、ヨーロッパで生まれた衛生機器です。排泄後の爽快感以外にも、得られるメリットがあります。
生理時の不快感の解消
生理時におけるデリケートエリアの不快感は、女性であれば誰しも感じたことがあるでしょう。外陰部に付着した月経血や、それにともなうにおいなどは紙で拭くだけではなかなかすっきりと拭えませんが、ビデを使用して洗浄することによって不快感が大幅に解消できます。
産前・産後の清潔維持にも
産前、産後の外陰部の清潔維持にも、ビデによる洗浄はとても効果的です。妊娠中は外部から膣内へと細菌が侵入するのを防ぐため、おりものの量が増加します。そのため、陰部に不快さを感じることが少なくありません。また、産後は外陰部からの感染をきたしやすい状態にあり、膀胱炎や腎盂炎などの発症リスクが高まります。それらを防ぐためには、デリケートエリアの清潔を保つことが重要です。
ビデを安全に使うためには
常に清潔に保つ
ビデの水圧によって、外陰部に付着した細菌が尿道や膣内へ侵入してしまうことも考えられます。そうならないよう外陰部は毎日洗い、常に清潔に保っておくようにしましょう。また、特に注意が必要なのが、ビデ自体が清潔であることです。外出先であまり掃除が行き届いていないトイレのビデは、かえって雑菌をもらってしまう可能性があります。そのような場合は無理に使用せず、ウェットティシュなどを使用しましょう。
温風は水気を拭きとってから
用を足したあとはお尻をウォシュレット(シャワートイレ)でやさしく洗浄し、トイレットペーパーで水分を拭き取ります。温風機能がある便座の場合は、軽く水気を拭き取ったあとに使用して乾かしましょう。
間違った使い方によるリスクとは
ビデは外陰部の清潔保持にとても有用ですが、間違った使い方をすると思わぬデメリットやリスクを負ってしまうこともあります。
ビデは膣の外側を洗うもの
ビデを過度に使用すると膣内の善玉菌(身体にとってよい働きをする常在菌)をも洗い流してしまうため、注意が必要です。膣内の善玉菌は外部からの病原菌の侵入や増殖を防ぐための重要な役割を担っています。そのため、洗い過ぎると自浄作用が弱まり、細菌感染をきたすリスクが上がります。温水洗浄機能付きトイレのビデはあくまでも外陰部を洗うものであり、膣内を洗浄するものではありません。
水圧は上げすぎないようにする
肛門や外陰部の粘膜はデリケートです。あまりに水圧を強くすると、粘膜を傷つけてしまう可能性があります。ウォシュレットの機種によって水圧は異なりますので、適度な強さに調整するようにしましょう。
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