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痰の色が白や茶、黄緑などに変化する理由は?どんな病気が考えられる?

更新日:2018/06/25 公開日:2017/04/13

痰の種類

痰の色を見てビックリする人は少なくありません。痰は茶色、黄緑色、赤色などに変化することがあります。色がついていると何かの病気ではないかと心配ですよね。ここでは、なぜ痰の色が変化するのか、そこから考えられる病気についてドクター監修のもと解説します。

◎短くポイントをまとめると
痰に色が付くのは、痰に含まれる物質の種類や量の変化による
血の混じった痰、色の濃い粘り気のある痰の場合は病院(呼吸器科、耳鼻咽喉科、内科)を受診
痰は気道や肺の病気のときに出やすいが、痰の色だけでどの病気かを見分けることは困難

呼吸器系の解剖イラスト

 

咳やくしゃみをしたときにたんが飛び出すことがあります。痰は透明や白のみならず、茶色や緑色、黄緑色、赤色、ピンク色などに変化します。見慣れない色の痰が出ると、何かの病気ではないかと心配になってしまいますよね。ここでは、なぜ痰の色が変化するのか、そこから考えられる病気について解説します。

痰の色が変化するのはなぜ?

何らかの理由で気道からの分泌物が増えると、痰が出てきます。

この「何らかの理由」にはさまざまなものが考えられますが、例えば空気中のチリやホコリを吸い込むことによる気道への刺激、または風邪(かぜ)やインフルエンザ、マイコプラズマなどの感染症やアレルギーによる気道(気管&気管支)の炎症、喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患の略語;肺気腫や慢性気管支炎を含む総称)などの呼吸器の病気などがあります。

気道の分泌物は基本的に透明なのですが、なぜ痰に色が付いてしまうのかというと、痰に含まれる物質の種類や量が変わってくるからです。

痰に含まれる成分

痰の約8~9割は水分であるといわれています。これに気道から分泌された粘性成分(ムチン)、剥がれた上皮細胞や白血球、血管から漏れ出したタンパク質(アルブミンなど)、気管を感染から守る物質(抗体、ラクトフェリンなど)、肺胞を広げるための物質(肺サーファクタント)、細菌やウイルス、ホコリなどが含まれています。

例えば、白血球や細菌が多くなると白色、黄色、緑色などに着色してきますし、血液が混じれば赤色や茶色、ピンク色になるときもあります。また、色だけではなく痰の性状も変化します。サラサラ(漿液性)、ネバネバ(粘稠性)、固い塊やつぶつぶ、泡状になったりします。

痰が黄色や緑色なら治りかけ?

なお、「治りかけの痰は黄色や緑色」という俗説がありますが、これはあまり正しい捉え方ではありません。

確かに普通の風邪などでは、最初に透明~白い痰が出て、黄色や緑色の痰に変わってきた頃には熱が引いて回復傾向にある場合もあります。痰が黄色や緑色というのは、炎症で傷ついて剥がれた粘膜の細胞や、身体を守るために働いた免疫細胞、細菌などの病原体が多く含まれているということを示しているに過ぎず、黄色や緑色の痰が出続けるという病気もあります。痰が黄色や緑色だから治った、と勘違いしないようにしましょう。

痰が出たら何かの病気?

気道が正常な状態であるなら、気道の分泌物の量は増えませんし、痰が出ることもありません。痰が出るということは、気管で何かが起こっているサインと捉えることができます。また、増えた気道分泌物を出すために、咳が出るようになります。

とはいえ、痰が出るからといってすぐに重大な病気かと心配する必要はありません。痰が出る原因の多くはよくある風邪などの感染症であることがほとんどで、1週間ほど安静にしていれば自然に治ります。ただし、下記のような症状がある場合は病院(呼吸器科、耳鼻咽喉科、内科)を受診するようにしてください。

  • 血の混じった痰(赤、茶、ピンク)が出る
  • 色の濃い粘り気のある痰が続いている
  • 咳が2週間以上止まらない

特に、以前に呼吸器系(気道や肺)の病気をしたことがある人、高齢者や小児、糖尿病や心臓病、膠原病などの持病がある人は、早めに受診することをおすすめします。

また、病院では医師に下記のような情報を伝えると、なぜ痰が出ているのかの原因を突き止めるのに役立ちます。

  • いつから痰が出ているのか
  • どんなときに痰が出るか(時間帯や姿勢など)
  • 痰の色、臭い、粘り気はどうか
  • 咳はあるか
  • 息苦しさはあるか

とはいえ、痰が出ているというだけで、何の病気なのかを診断することは不可能です。痰以外の症状を組み合わせて検討していくことになりますので、他に気になる症状などがあればきちんと伝えるようにしましょう。

それでは以下、痰の色を「血が混じっている場合(赤、茶、ピンク)」と「血が混じっていない場合(透明~白、黄、緑)」に分けて、考えられる代表的な病気を紹介します。

血が混じっている痰(赤、茶、ピンク)から考えられる病気

痰の中に赤い点々や線、泡状のものがある場合は、痰の通り道(肺~気道)のどこかで出血しており、それが痰に混じって出てきていると考えられます。茶色の痰も、赤色の痰と同じように血液が混じっていることを示しています。この場合は早めに病院に行ってください。

気道のどこかが傷ついている、ひどい炎症を起こしている、組織の一部が壊れているなどの問題が起きている可能性があります。病気としては、気道のケガ、肺がんや気管支拡張症、肺結核症、肺化膿症、肺真菌症、肺梗塞症(エコノミークラス症候群)などが考えられます。肺炎球菌性肺炎になると赤みのあるさび色になることが知られています。また、肺への循環が滞ってうっ血を起こすと、肺の毛細血管から漏れ出た血液と肺胞からの空気が混ざって、ピンク色をした泡のような痰が出ます。肺水腫によく見られます。

茶色の痰について、詳しくは『茶色の痰(たん)が出る原因と考えられる病気』をご覧ください。

血が混じっていない痰(透明~白、黄、緑)から考えられる病気

透明~白、黄、緑色の痰が出る原因で最も多いのは、風邪(ウイルス感染)です。ウイルスが気道粘膜に感染するとそこで炎症が起こり、気道からの分泌物が多くなります。初期の頃はサラサラで透明な痰が出やすいですが、炎症が悪化したり、炎症で傷ついた粘膜に細菌も感染したりするようになると、痰は粘っこくなってきて、色も白、黄、緑などに変化していきます。

また、ハウスダストやダニ、花粉といったアレルゲンに免疫システムが過剰に反応してアレルギーが起こった場合も炎症が起こります。この場合は透明であることが多いですが、粘膜に細菌が感染するなどして副鼻腔炎などに悪化すると膿を含んだ黄~緑色に変化します。

このように、透明だからこの病気、黄色だからこれが原因、という風に一概には言えません。同じ急性上気道炎でも、初期は透明で数日後から黄色い痰が出てくるということがあり得ます。ここでは、痰が出やすくなる代表的な病気を紹介しておきます。

  • 上気道炎
  • 気管支炎
  • 気管支喘息
  • 咳喘息
  • 肺炎
  • 気管支拡張症
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 副鼻腔炎

それぞれの色の痰について詳しくは『透明の痰が出る原因と考えられる病気』『黄色い痰(たん)が出る原因と考えられる病気』『緑色の痰(たん)が出る原因と考えられる病気』をご覧ください。

痰が出たときの対処法

痰が絡んだままだと不快ですが、無理に出そうとすると喉を痛めてしまう可能性があります。次のような方法で痰を出しやすくできますので、セルフケアとして試してみてください。

のどをうるおす

のどが乾燥すると痰が貼りついてしまうので、水分でうるおいを与えて痰がのどからはがれやすくなる状態にしましょう。温かいお湯やお茶をゆっくりと飲むと、痰がやわらかくなります。特に口呼吸のクセがついている人はのどが乾きやすいので気をつけてください。同様に、部屋も乾燥しないように加湿器などを利用して湿度を保つことが大切です。マスクを着用してもよいでしょう。

薬を服用する

痰が治まらない場合には、痰を出しやすくする去痰薬を服用してもよいでしょう。薬局やドラッグストアで売っている薬の主な成分を紹介します。咳止めの成分と一緒に配合されていることが多く、錠剤、顆粒、シロップ、ドロップなどのさまざまな種類があります。薬剤師や登録販売者に相談しながら選びましょう。

市販薬に配合されている痰を出しやすくする成分
カルボシステイン
グアイフェネシン
グアヤコール
クレゾール
ブロムヘキシン

なお、市販薬はあくまで一時的な対応で使用するものです。1週間使用しても痰が治まらないようなら、市販薬を使用して様子を見続けるのではなく、病院に行って原因を調べてもらいましょう。

参考文献

  1. ・近藤光子ほか. 気道分泌の管理と治療. 日本内科学会雑誌 2012; 101(12): 3525-3532
  2. ・日本臨床内科医会. せきとたん. わかりやすい病気のはなしシリーズ6. 2016
  3. http://www.japha.jp/doc/byoki/006.pdf (参照2018-05-21)

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