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茶色の痰(たん)が出る原因と考えられる病気

更新日:2018/02/05 公開日:2017/04/15

痰の種類

痰が茶色くなっていたら、すぐに医師の診察を受けてください。茶色の痰が症状としてみられる病気のなかには命にかかわるようなものも含まれます。痰が茶色いときに考えられる病気について、ドクター監修の記事で解説します。

痰(たん)が茶色いときには、原因として深刻な病気が隠れている可能性があります。痰の色を確認して、茶色っぽいと感じたときには注意してください。どのような病気が疑われるのか見てみましょう。

痰の色が変わる原因について詳しくは『痰の色が白や茶、黄緑などに変化する理由は?どんな病気が考えられる?』をご覧ください。

茶色の痰が出る理由

痰の状態や色は、原因となっている病気によって変わってきます。痰が茶色くなっている場合は、血が混ざっている血痰(けったん)である可能性があります。呼吸器系である気道は、鼻腔・咽頭・喉頭で構成される上気道と、気管から肺にかけての下気道に分けられます。痰に糸のような血の線が入っている場合には、咽頭や喉頭に問題があると考えられます。全体的に赤っぽくなっている痰の場合は、下気道に異変が起きているケースが多いです。

茶色の痰から考えられる病気

血が混ざった茶色の痰がみられると、以下のような病気の可能性があります。

肺炎

ウイルスや細菌に感染して肺に炎症が起きています。一般的な風邪の症状と似た比較的軽い肺炎もありますが、38度を超える高熱に激しい咳、悪寒、倦怠感、胸の痛みなどの症状が現れることも少なくありません。進行すると呼吸困難に陥ることもあります。気管支や肺などから出血している場合に血痰が出ることがあります[1]。明らかに血液が混じっていることがはっきりせず、茶色い痰であることがあるので注意しましょう。

肺がん

肺がんの症状としては、咳や痰などが代表的ですが、初期には症状は現れにくく、早期発見が難しいがんです。肺がんは喫煙が強く関連しているがんですが、タバコを吸わないから起こらないというわけではありません。血が混ざった痰ではなく、白っぽいの痰が出る場合もあります。がんは組織を破壊して浸潤するので、出血が起きやすく、血が混じることがあります[1][2][3]。

気管支拡張症

気管支の壁が壊れやすく、感染をくりかえし、拡張して元に戻らなくなる病気です。拡張した部分は正常に機能しなくなり、壁が壊れやすくなっている上に、くりかえす炎症で血管も増殖するために痰に血が混ざりやすくなります。初期では黄色や緑色の痰がみられていても、悪化すると血液が混じり茶色の痰に変わってきます。気管支が拡がった状態なので痰がたまりやすく、多いときには1日に100mL以上の痰が出ることもあります[1][2]。

肺結核症

結核菌が肺に入り込み、感染症を起こす病気です。初期症状は風邪とよく似ており、微熱や頭痛、身体のだるさ、食欲不振、寝汗、咳、痰といった症状が現れます。血の混ざった茶色の痰も肺結核症の症状の1つですが、放置しておくと喀血(かっけつ)と言って口から血そのものを吐き出す恐れもあります[1][2][4]。

肺真菌症

空気中などに存在している真菌を吸い込んで発症する病気です。健康な状態で免疫力が正常であれば真菌による悪影響を受けることはありませんが、ステロイド剤や免疫抑制剤、抗がん剤などによって抵抗力が弱まっている状態だと肺真菌症を引き起こす可能性が高まります。症状の1つである痰には、血が混ざることもあります。他に発熱や全身倦怠感、呼吸困難がみられます。特に、肺アスペルギルス症は血痰が出る頻度が高い肺真菌症です[1][2][5]。

肺梗塞症

肺の一部に血液が流れなくなり、壊死してしまう状態です。脚の静脈など他の部分にできた血のかたまりが血流に乗って肺動脈につまる肺塞栓症が主な原因です。飛行機などで長い間座っていて、脚を動かさない場合に起こるケースがあります。肺塞栓症の段階では胸の痛みや呼吸困難がみられ、肺梗塞症になると血の混ざった茶色の痰が出ます。壊死した肺組織が含まれた黒っぽく強烈なにおいのする痰を吐き出す場合もまれにあります[1][2]。

このように、茶色の痰が出る場合には命にかかわる重大な病気の可能性が非常に高いことがわかります。痰に血が混ざっていることを確認した際は、できるだけ早く医療機関を受診してください。

参考文献

  1. [1]呼吸器Q&A. "たんに血が混じりました" 日本呼吸器学会.
    https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=50 (参照2017-12-1)
  2. [2]呼吸器Q&A. "血液を喀出(喀血)しました" 日本呼吸器学会.
    https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=51 (参照2017-12-1)
  3. [3]佐藤雅美, et al. 肺癌検診喀痰細胞診判定基準に関する検討. 日本臨床細胞学会雑誌, 1997; 36(5): 490-497
  4. [4]国立感染症研究所. "結核" 国立感染症研究所.
    https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/398-tuberculosis-intro.html(参照2017-12-1)
  5. [5]デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2016; 1380-1415

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