便が出ず、つらいときに効果が期待される便秘薬ですが、副作用が起こることでも知られています。特に、用法・用量を守らないと副作用が現れることもあります。ここでは、便秘薬で起こる副作用や、服用の際の注意点について見てみましょう。
種類別・便秘薬の特徴と副作用
便秘薬には、腸を刺激してぜん動運動をうながす刺激性下剤、腸内に水分を集めてやわらかくする浸透圧性下剤、便のかさを増やす膨張性下剤があります。自分に最適な便秘薬を選ぶためにも、それぞれの特徴と副作用を理解しておきましょう。
刺激性下剤
大腸を刺激することによってぜん動運動を高め、便を排出させる薬です。副作用としてはぜん動運動が強く現れた場合の腹痛や吐き気などが知られています。薬剤のセンナやセンノシドを服用した場合、尿が赤や黄色に変わることがありますが、服用中止で元に戻るので心配する必要はありません。
浸透圧性下剤
腸管や便に水分を集め、便をやわらかくする薬です。副作用は下痢程度と少ないのですが、高齢者や腎障害がある方は、高マグネシウム血症のリスクがあります。嘔吐、口渇、ねむけ、血圧低下などの症状が現れた場合は、服用を中止しすみやかに医療機関を受診してください。
膨張性下剤
水分を含んだうえで便と混ざり合い、かさを増やして物理的に腸を刺激します。副作用には、腹部膨満感や嘔吐が起きる場合があります。
便秘薬の誤った使用が副作用を起こりやすくする
便秘薬を適切に使用しない場合にも、副作用が起こりやすくなります。ありがちな便秘薬の誤った使い方は以下になります。
腸溶錠を噛み砕く|胃痛や薬の効き目がなくなる
便秘薬の多くは腸溶錠で、大腸に届いた時点で成分が溶け出すようにコーティングされています。腸溶錠を噛みくだくと、薬の効果がなくなったり胃が痛くなったりすることがあります。
刺激性下剤の長期服用
刺激性下剤を長期連用すると身体が慣れてしまい、効果が出なくなるという副作用があります。下剤依存症になると、自力で治すことは困難です。また、大腸が黒くなる大腸メラノーシスという症状が現れることがあります。
便秘薬を服用する際の注意点とは
便秘薬を服用する際は、用法・用量を守りましょう。便秘の状況を判断して薬を選ぶことも大切です。たとえば、便秘や下痢をくりかえす痙攣性の便秘に対して、大腸を刺激する便秘薬を用いては逆効果となってしまいます。また、便秘薬の服用が習慣にならないようにしてください。便秘薬は対症療法であり、根本的に便秘を治すものではありません。漠然と便秘薬に頼るのではなく、生活習慣の改善にも取り組むようにしましょう。
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