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子供と大人で違うインフルエンザの治療法

更新日:2017/04/13 公開日:2017/04/13

インフルエンザの予防について

年齢や性別に関係なく、ウイルスに感染することによって起こる病気であるインフルエンザ。子供と大人とでは、インフルエンザを発症した場合の症状や治療法、対応に違いはあるのでしょうか。ドクター監修の記事で詳しく解説します。

抵抗力の弱い子供や高齢者がインフルエンザを発症するとどうなるのでしょうか。それぞれの違いや治療方法について解説します。

インフルエンザの原因

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで発症する病気です。

インフルエンザウイルスの種類

インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型があり、人の間で感染するのはA型とB型の一部です。A型は、さらに144種類に分けられますが、人間で流行るのは、A/H3N2(香港型)とA/H1N1(ソ連型)の2種類です。その2種類のウイルスもまた、それぞれの中で変異を続けています。B型は、山形型とビクトリア型の2種類が存在し、どちらも細かい型に分かれます。このように、異なる型のウイルスが存在するため、1シーズンの間に複数回感染したり、予防接種をしたにもかかわらず、違う型に感染することがあります。

感染経路

感染には3つのルートがあります。

・接触感染

人の手や指に直接触れることでウイルスが感染するルートです。家族など親しい間で起こりやすい感染です。

・飛沫感染

咳やくしゃみなどをした際に飛び出したウイルスを直接浴びるルートです。近くにいる人が吸い込みやすいため、家族に限らず、乗り物の車内や建物施設内で起こりやすい感染です。

・飛沫核感染(空気感染)

咳やくしゃみで飛び出した飛沫粒子が空気中で乾燥し、縮小して飛沫核となって空気中に長時間浮遊することによって起こる感染ルートです。

インフルエンザの症状

インフルエンザの症状には、4つの特徴があります。

(1)急激な発症

(2)38度以上の発熱

(3)鼻やのどなどの上気道に症状が出る

(4)頭痛、腰痛、筋肉痛、関節痛などの重い全身症状が現れる

こういった症状が表れた場合は、インフルエンザを疑って、適切な処置を施しましょう。処置としては、安静と栄養と水分の適切な補給が必要になります。また、インフルエンザに対する薬は医療機関から処方を受けることになるので、病院へ行く必要があります。

インフルエンザに罹る年齢的の傾向は、0歳~9歳までの低年齢層が目立ちます。合併症であるインフルエンザ脳症の発症率も低年齢化しています。インフルエンザ脳症は成人も罹る恐れがあるので、注意が必要です。インフルエンザによる肺炎は5~9歳が多く、次いで1~4歳、1歳未満の乳児が多く発症しています。迅速な処置によって重症化は免れる例が多いので、幼い子供がインフルエンザに罹った場合は、なるべく早く医師の診察を受けることが大切です。一方で、65歳以上の高齢者は、インフルエンザの発症率自体は他の年齢層と比べてさほど高くはありません。しかし、発症すると重症化しやすく、死亡率も高くなっているので、注意が必要です。また、年代を問わず、基礎疾患がある方は重症化しやすい傾向にあります。

インフルエンザの治療

インフルエンザの薬として現在の日本では、シンメトレル(アマンタジン塩酸塩)、リレンザ(ザナミビル水和物)、タミフル(オセルタミビルリン酸塩)の3つが認可されています。いずれの薬も、発症してから48時間以内に服用した場合に症状の緩和や熱が出ている期間の短縮が期待できます。48時間以降の服用では効果が期待できないため、インフルエンザ発症後はなるべく迅速に医療機関で診察を受ける必要があります。

シンメトレルは、A型インフルエンザのみに有効な薬です。ウイルスが体内で運ばれ、細胞の核内に入ることを阻害し、ウイルスの増殖を抑制します。吐き気や不眠などの副作用が出ることがあります。リレンザとタミフルは、A型、B型両方に有効な薬です。ウイルスが細胞から細胞へ感染するのに必要な酵素を阻害し、ウイルスが増殖しないようにします。吐き気や下痢などの副作用が現れることがあります。

小児のインフルエンザ脳症の併発は、解熱剤にボルタレン(ジクロフェナクナトリウム)やポンタール(メフェナム酸)を使用した例で多く発症しているため、解熱剤にはアセトアミノフェン(カロナール)を使用する方がよいとされています。15歳以上になると、解熱剤の使用に制限はありませんが、脳炎・脳症を合併した場合は、小児と同様の理由が考えられます。

インフルエンザの予防(子供と大人それぞれの予防法などを解説)

インフルエンザの予防の基本は、流行前にワクチンを接種することです。日本のインフルエンザワクチンは、世界保健機構(WHO)が推奨するウイルスの型を参考にして、前年の流行状況などからその年に流行しそうなウイルス型を予測し、毎年作られています。これまでの例から、ワクチンがどの程度効果があったかを検証すると、インフルエンザの重篤な合併症や死亡を予防し、健康被害を最小限に止めることには効果があったといえますが、残念ながら100%近い効果は期待できません。また、ワクチンを接種しても十分な効果が得られないこともあります。

65歳以上の健常な高齢者がインフルエンザにかかった場合、予防接種を受けていたらその45%が発病を阻止でき、約80%の死亡を阻止する効果があったと報告されています。小児については、1~6歳未満の幼児の場合、発症を阻止する効果は約20~30%といわれています。ただし、1歳未満の乳児の場合は症例が少ないため、効果が明らかになってはいません。特に、65歳以上の方や基礎疾患がある方は発症すると重症化しやすく、死亡率も高いので、かかりつけの医師と相談のうえで予防接種を受けることをおすすめします。

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