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おたふく風邪の予防接種の有効性について

更新日:2018/05/25 公開日:2017/02/26

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)の基礎知識

予防接種は、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)の唯一の効果的な予防手段といわれています。ここでは、予防接種の効果や注意点、副作用、大人と子供の予防接種の違い、費用などについて、ドクター監修の記事で解説します。

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)の予防接種は、その有効性が高く評価されています。感染力が強く、有効な治療法がないおたふく風邪は、子供だけではなく大人にとっても予防接種が効果的です。

おたふく風邪はどのような病気なのか

おたふく風邪は、ムンプスウイルスによる感染症です。感染力が強く、流行時の予防が難しい病気です。

ムンプスウイルスの感染経路

おたふく風邪の原因となるムンプスウイルスの感染経路は、ウイルスを含む唾液や鼻水に触れることによる接触感染、または咳などによる飛沫感染です。ムンプスウイルスは、耳下腺、顎下腺、舌下腺に炎症を起こすため、耳の周りからあごにかけて、圧痛(押すと痛む)をともなう腫れが見られるのが特徴です。

おたふく風邪の症状について

おたふく風邪を発症すると、発熱、倦怠感、悪寒といった風邪と類似した症状が現れます。さらに、唾液腺が腫れて、圧痛、嚥下時痛(物を飲み込むと痛む)といった症状が、発症者の70%程度に見られます。また、感染しても症状が現れない不顕性感染が30~35%の確率で見られるのも特徴です[1]。

通常は1~2週間で自然に症状が改善しますが、さまざまな合併症をともなう場合もあります。もっとも多い合併症は髄膜炎で、軽度なものが多いようです。その他に、髄膜脳炎、難聴(ムンプス難聴)、膵炎などをともなう場合があり、特にムンプス難聴や脳炎は、発生頻度は低くても重大な後遺症が残る場合があり、注意が必要です。また、大人が発症すると男性は睾丸炎、女性は卵巣炎などの合併症が起こる場合があります。

おたふく風邪の予防接種について

おたふく風邪は平均18日程度と潜伏期間が長く、さらに感染力が強くて流行しやすいため、予防が困難です。そのため、唯一効果的な予防法として予防接種が推奨されています。特に、子供がいる家庭や、子供の頃におたふく風邪を発症した記憶がない方は抗体を持っていない可能性が高いため、予防接種が有効です。

WHOでは、おたふく風邪を予防接種により撲滅可能な病気としており、予防接種の効果は高く評価されています。それにもかかわらず、多くの国が定期接種を採用する中、日本の接種率は約30%と低水準となっています[1]。

予防接種の有効率

おたふく風邪の予防接種は、日本では任意接種となっており、接種率は30%程度に留まっていますが、その効果は高く、有効率は1回接種で90%以上、2回接種では95%以上といわれています[2]。

予防接種の費用

予防接種費用は医療機関によって異なり、1回につき5,000~7,000円が目安です。自治体によって定められた年齢の間での接種にのみ、一部、または全額を助成する制度があります。多くは、おたふく風邪の好発年齢である1歳~幼児期の費用助成制度で、大人の接種は全額負担となります。予防接種を希望する際は、事前に医療機関に金額や接種可能日時などを確認し、予約してから行きましょう。

副作用について

おたふく風邪の予防接種は生ワクチンのため、体内でウイルスが増殖する過程で、発熱、倦怠感、軽い耳下腺の腫れ、咳、鼻汁が認められることがあります。これらは接種後1~3週間頃に多く見られる正常な反応で、特に問題はありません。ただし、まれに頭痛、吐き気、嘔吐などが見られる場合があり、髄膜炎や髄膜脳炎の可能性があるため注意が必要です。念のため接種直後から3週間ほどは、すぐに医療機関を受診できるようにしましょう。

参考文献

  1. [1]国立感染症研究所. "<特集>流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)2016年 9月現在" 国立感染症研究所.
    https://www.niid.go.jp/niid/ja/mumps-m/mumps-iasrtpc/6822-440t.html(2018-05-25)
  2. [2]国立感染症研究所. "ムンプスワクチンの有効性と安全性" 国立感染症研究所.
    https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2254-related-articles/related-articles-402/3784-dj4021.html(2018-05-25)

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