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妊娠中や産後に高血圧になる原因と治療について

更新日:2018/05/11 公開日:2017/04/29

高血圧の種類と対処法

妊娠前には問題がなかったのに、妊娠20週以降から産後12週までに高血圧になることを妊娠高血圧症候群といいます。ここでは、妊娠高血圧症候群の原因や症状、治療法などをドクター監修のもと解説します。

妊娠、出産をきっかけに高血圧になってしまうことを妊娠高血圧症候群と呼びます。ここでは、妊娠高血圧症候群の概要について見てみましょう。

妊娠高血圧症候群とは

妊娠高血圧症候群は、妊婦の約20人のうち1人に見られる症状で、妊娠前には血圧が正常だったのに、妊娠20週以降から産後12週までに高血圧を発症する、または高血圧にタンパク尿をともなう場合のことを指します。血圧には、心臓が収縮しているときの収縮期血圧(上の血圧)と、心臓が拡張しているときの拡張期血圧(下の血圧)があり、収縮期血圧が140mmHg以上、もしくは拡張期血圧が90mmHg以上になった状態が高血圧です。

妊娠高血圧症候群の原因

妊娠高血圧症候群の原因はよくわかっていませんが、最近の研究では、胎盤を形成するときに、なんらかの原因で異常が生じることで起こるのではないかと考えられています。胎盤に問題があると、母体から赤ちゃんに十分な酸素や栄養が届きません。すると、母体は赤ちゃんに栄養や酸素をなるべく多く届けようと無理をしてしまい、その結果、血管に作用するさまざまな物質が胎盤で異常に作られ、血圧が上昇するのではないかと考えられています。

また、妊娠高血圧症候群は、次のような人に起こりやすいといわれています。

  • 35歳以上、特に40歳以上の高年齢出産の妊婦
  • 初めてお産をする妊婦
  • もともと糖尿病、高血圧、腎臓病を患っている妊婦
  • 家族に高血圧の人がいる妊婦
  • 肥満の妊婦
  • 双子など、多胎妊娠の妊婦
  • 以前に妊娠高血圧症候群になったことがある妊婦

妊娠高血圧症候群の症状

妊娠高血圧症候群になると、頭痛やだるさ、眠気、むくみなどの症状が現れるケースもありますが、多くの場合は、これといった自覚症状がないといわれています。しかし、重症化すると、子癇発作(しかんほっさ:全身のけいれん発作)、脳出血、肝臓や腎臓の機能障害、HELLP症候群(肝臓からの酵素の上昇、血小板の減少を引き起こす症状)などが起こることがあり、注意が必要です。

また、妊娠高血圧症候群の影響は、お腹の赤ちゃんにもおよぶことがあり、赤ちゃんに栄養が足りずに十分に育たなかったり(胎児発育不全)、体重が少なく生まれてきたり(低出生体重児)、胎盤がはがれて酸素が届かなくなったり(常位胎盤早期剥離)、低酸素状態に陥って弱ってしまったり(胎児機能不全)、最悪の場合は、お腹の中で死んでしまうこともあります。

妊娠高血圧症候群の治療

妊娠高血圧症候群の治療法は、病気の重症度や発症した妊娠週数、赤ちゃんの状態などによって異なります。軽症の場合は、薬は使用せずに減塩(1日7~8g以下の摂取)やカロリー制限などの食事指導が中心です。一方、重症の場合は、安静と治療のために入院し、血圧を下げるための降圧薬や子癇を抑えるための点滴の投与が行われることがあります。また、母体や赤ちゃんの状態が危険な場合は、ただちに帝王切開を行うこともあります。

産後も高血圧などが続く場合

一般的に、妊娠高血圧症候群は、出産が終わって胎盤が母体から出れば、改善していきます。しかし、重症の場合は、産後もしばらく高血圧やタンパク尿などが続くことがあり、その場合は、出産後も降圧薬や子癇を抑える点滴の投与を行うことがあります。

降圧薬は、以前は母乳を通じた赤ちゃんへの影響が懸念されるため、授乳期間中に使用することができませんでした。しかし、現在では授乳が可能な降圧薬があるので、母乳で赤ちゃんを育てたい方は、医師と相談しましょう。また、高血圧やタンパク尿が出産後84日以上続く場合は、他の病気の可能性が考えられるため、病院で検査を受けることをおすすめします。

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