過酸化脂質という言葉は最近、よく耳にする機会がふえてきています。それは、シミを作る原因のひとつとして過酸化脂質が注目されるようになったからです。この記事では、過酸化脂質についての簡単な説明と過酸化脂質の多い食品と少ない食品の紹介などを行っていきますので、シミが気になる方やシミを増やしたくない方は、ぜひ参考にしてください。
過酸化脂質について
過酸化脂肪酸ができる原因
体内の活性酸素の働きにより、コレステロール中の不飽和脂肪酸が酸化されたものが過酸化脂質と呼ばれています。この過酸化脂質は、乾燥から肌を守る効果があるといわれているヒアルロン酸を破壊してしまうので、シミやシワ、たるみなど肌のトラブルを引き起こす原因になるだけではなく、動脈硬化やガンの原因のひとつともいわれており、体にとっては悪い影響を及ぼす物質として注目されるようになりました。
活性酸素について
では、過酸化脂質を生み出す活性酸素をどうやって体内に取り込んでいるのかといいますと、答えは、「外からは取り込んでいない」です。活性酸素は、体内で酸素を使って糖や脂質をエネルギーに変換するときに生み出される物質で、食物などで取り込まれるものではありません。
この活性酸素ですが、体にとっては必要な物質であるため体内で作られているのです。より詳しく言えば、活性酸素は活性化した酸素のことであり、酸化させる力が強いので殺菌作用が高いです。その高い殺菌作用を武器に、体内に侵入してきた細菌やウイルスを攻撃して退治してくれるのが活性酸素なのです。さらに、体中の役に立つ酵素を活性化させる効果もありますので、私たちの体にはなくてはならない物質なのです。
しかし、なんらかの影響で活性酸素が過剰に増えすぎてしまうと、体に悪影響を及ぼしてしまいます。それは、健康な細胞を攻撃し、酸化させてしまうからです。攻撃され細胞が酸化してしまうと、必要な栄養素と老廃物の交換がうまく行われなくなり、変異したり死滅したりしてしまいます。
過酸化脂質を減らす方法
それでは、過酸化脂質を減らすためにはどのようにすればよいか、ご説明します。
まず大事なのは、過酸化脂質を生み出す原因のひとつである活性酸素の増加を抑えるため、定期的に抗酸化物質を摂取することです。主な抗酸化物質として、ビタミンCやビタミンE、カテキン・アントシアニンなどのポリフェノール類、β-カロテン・リコピン・ルテインなどのカロテノイド類などがあります。これらが含まれている食材をバランスよく摂取することで、過酸化脂質の抑制が期待できます。
さらに、不飽和脂肪酸の摂取を抑えることでも過酸化脂質を減らすことができます。ただし、不飽和脂肪酸には、血中の中性脂肪やコレステロール値を下げる効果や脳の働きを活性化する、便通がよくなるなどの体によい影響があるといわれていますので、全く摂らないようにするのではなく、摂りすぎないように注意することが大切です。
抗酸化物質の含有量が多い食品
抗酸化物質の含有量が多い食品は、ミカンやレモン、いちご、キウイ、バナナなどのフルーツやカボチャ、ニンジン、トマト、ブロッコリー、ピーマンなどの緑黄色野菜、アーモンド、ピーナッツ、納豆などがあります。
さらに、これらの食品には美白効果や肌のリペア効果があるといわれている食品もありますので、積極的に摂取したい食品となります。
不飽和脂肪酸の含有量が多い食品
不飽和脂肪酸の含有量が多い食品は、ツナの缶詰(油漬け)やいわしの缶詰(油漬け)、油揚げ、サウザンアイランドドレッシング、フレンチドレッシング、マーガリンなどがあります。
特にツナの缶詰には、ドロドロ血を予防するEPAや認知症の予防や記憶力の低下を防ぐDHAなどの栄養素が豊富に含まれています。さらに、イノシン酸も含まれており、これらの栄養素には肌を美しく保つ効果が期待できます。しかし食べ過ぎはよくありませんが、適正な量を摂取するようにしてください。
ただ、注意すべき点があります。ツナの缶詰はマグロかカツオで作られているものが多いですが、EPAやDHAの含有量は多いのはマグロを使ったツナの缶詰の方となります。これらの成分を期待して選ぶ際には、注意が必要です。
不飽和脂肪酸の含有量が少ない食品
不飽和脂肪酸の含有量が少ない食品は、あさりやホタテ、鶏肉、牛乳、ヨーグルトなどがあります。
特に、あさりには、抗酸化物質であるビタミンEが含まれていますので、過酸化脂質を増やさない効果はとても優れていると言えます。さらに新陳代謝を活発にする亜鉛や疲労回復や肝機能を正常にするタウリン、鉄分など豊富な栄養素を含んでいますので、積極的に取り入れたい食材です。
過酸化脂肪酸でシミを増やさないために
シミやシワ、たるみなど肌のトラブルを発生させないためには、過酸化脂質を体内で増やさないように抗酸化物質の含有量が多い食品を摂取し、不飽和脂肪酸の含有量が多い食品を摂りすぎないように意識することが大切です。不飽和脂肪酸の含有量が多いツナの缶詰(油漬け)を食べるときは、一緒に抗酸化物質の含有量が多いキャベツやトマトなどを食べるようにすると、なお高い効果が望めると思います。
ただ、基本的な肌のケアも忘れてはいけません。紫外線から肌を守る必要もありますので、外出するときには、帽子やサングラス、日傘、日焼け止めなどを活用しましょう。また、睡眠不足や慢性疲労、ストレスも肌によい影響は与えませんので、睡眠をしっかりと取り、ストレスを発散する方法を見つけておくことも大切です。
規則正しい生活習慣を維持し、適度な運動を行い、バランスのよい食事をとるように心がけましょう。
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