肌の水分の蒸発を防ぎ、外部の刺激からバリアする効果のあるセラミド。しかし、アトピー肌や敏感肌の方にとって、化粧品選びはナイーブになるところです。セラミド配合の化粧品は効果があるのか、どれを選べばよいのかを解説します。
セラミドとは
表皮の角質層はバリア機能を有していますが、その本体は角質細胞の間を埋めている細胞間脂質です。この細胞間脂質の主体となっている成分がセラミドであり、割合にすると約50%を占めます。また、細胞間脂質は角質層の水分保持にも大きくかかわっています。その中でセラミドの水分保持能力は最大になっています。このようにセラミドは肌のバリア効果や、水分保持能力と大きくかかわっている成分なのです。
セラミドの種類と特徴
セラミドは、「天然セラミド」、「合成セラミド」、「ヒト型セラミド(バイオセラミド)」、「植物性セラミド」の4種類があります。
天然セラミド
主に馬の脳や脊髄などから抽出した、動物由来のセラミドです。肌に浸透しやすく、なじみがよい特徴があります。
合成セラミド
セラミドに類似した物質を化学的に合成したセラミドです。ヒトの肌の構造とは違い、大量生産も可能で安価です。
ヒト型セラミド(バイオセラミド)
酵母を利用して作ったセラミドです。ヒトの肌にあるものとほぼ同じ構造をしています。肌へのなじみがよく、保湿、浸透力に優れています。
植物性セラミド
コメ、大豆、トウモロコシ、コンニャクなどが由来のセラミドです。アレルゲンになりにくいことで注目されています。
ヒト型セラミドの保湿効果
天然セラミドは、馬などの動物由来のため、人間の細胞間角質と似ており、保湿力が優れています。肌にも浸透しやすく、なじみがよいのが特徴です。ただ、配合量が多くるほど、価格が高くなるのがネックになります。ヒト型セラミドは、ヒトの肌にあるものとほぼ同じ構造をしているため、保湿、浸透力に優れています。また、刺激も少なく、敏感肌やアトピー肌の方にも使いやすいのが特徴です。天然セラミドよりも安価で安心です。
「ヒト型セラミド」の種類
ヒトに存在するセラミドでその働きが確認されているのが7種類あります。
- セラミド1:水分保持効果と外部の刺激からのバリア機能
- セラミド2:ヒトの肌にもっとも多く含まれるセラミド
- セラミド3:水分保持効果、シワを軽減する機能
- セラミド4・5:角質のバリア機能を高める
- セラミド6:水分保持とターンオーバー(肌の新陳代謝、生まれ変わり)の促進
- セラミド7:皮膚常在菌のバランスをコントロールする
この中でも特に押さえておきたいセラミドは、「セラミド1・2・3・6」です。「セラミド2」はヒトにもっとも多い成分で、肌に与える影響が大きく、高い保湿効果があります。また、「セラミド1・3・6」の不足は乾燥肌や敏感肌に傾きやすくなります。この4つの成分が含まれる商品を選ぶのがベターといわれています。
セラミド配合化粧品の選び方
天然セラミドの場合は、成分表示に「ウマスフィンゴ資質」「ビオセラミド」といった名称で表記されます。ヒト型セラミドの場合は、成分表示に「セラミドEOP」「セラミドAP」などといった名称で表記され、この場合、「セラミドEOP」が「セラミド1」、「セラミドAP」が「セラミド6」となります。ちなみに、植物性セラミドの成分表示には「植物性セラミド」「コメヌカスフィンゴ糖物質」など、合成セラミドの成分表示には「セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド」などと表記されます。
また、配合量は厳密な記載はされませんが、成分表示では、配合量が多いものから順に記載されるため、セラミドが上の方に表記されてる商品が、配合量が多い商品となります。セラミドは油溶性のため、サラっとしたものには溶け込まないため、テクスチャー(質感)のゆるいものは配合量が少ないです。化粧水などのサラサラしたものよりは、クリームのようなもの方が配合量も多く、保湿に優れています。以上の点を押さえて、より配合量の多い商品を選ぶようにしましょう。
化粧水とクリーム
セラミド配合の化粧品には、化粧水やクリームがありますが、先ほど述べたように、製品によってセラミドの配合量は変わってきます。肌の乾燥の状態に合わせて化粧水かクリームのいずれかを選ぶようにするといいでしょう。また、両方を重ね合わせて使うことも有効な方法になっています。
アトピー肌におすすめのセラミド
アトピー性皮膚炎では角質層のセラミド量が著しく減っている状態です。そのため、皮膚のバリア機能が低下しており、角質層の水分量も少ない状態になっています。
そこで、セラミド配合の化粧品などでセラミドを補うことで皮膚の乾燥を改善することができる可能性が高くなります。アトピー肌の方に最適なセラミドは「ヒト型セラミド」で、皮膚科医も推奨しています。成分表に「セラミド2」や「セラミドAP」などと書かれたものを選ぶとよいでしょう。
ただし、セラミドをとったからといって、疾患そのものを治癒するものではないので、あくまでよいコンディションを保てる状態にあることを覚えておきましょう。なお、アトピー性皮膚炎が悪化している場合は必ず医師に相談することが大切です。
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