ニキビは10代のときだけにできるものではありません。正しい知識を身につけ、予防・対策をできるようにしておきましょう。
産後にニキビができるわけ
女性にはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という二つの女性ホルモンがあります。この二つの女性ホルモンは、妊娠、出産のための大きな役割をもっており、妊娠中は分泌が活発になります。特にプロゲステロンは代謝作用を担っていて皮脂の分泌を促すため、ニキビができやすくなります。
また、産後は乳児の世話による睡眠不足やストレス過多、不規則な生活などの要因で、肌のターンオーバー(新陳代謝)が乱れ、ニキビができやすくなります。
ニキビとは
そもそもニキビとは尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)という皮膚の病気です。なんらかの原因により毛穴がつまった状態のことを指します。20歳以下にできるニキビを思春期ニキビとよび、20歳を超えると大人ニキビや吹き出物とよんで区別します。症状は同じですが、思春期ニキビと大人ニキビでは原因に違いがあります。
産後ニキビは女性ホルモンの乱れとストレス、生活習慣の乱れが主な原因でした。一方、子供のニキビ、いわゆる思春期ニキビの主な原因は成長ホルモンのバランスの乱れです。
一般的にニキビは思春期に入る中学生くらいから発症すると思われていますが、最近では小学生でもニキビを発症する事例が増えているそうです。ニキビの主な原因は成長ホルモンのバランスが乱れることにあります。ライフスタイルの変化により、ひと昔よりも初潮や声変わりの時期が早くなってきており、それにともないニキビの出現が早くなっているようです。子供の成長に合わせてニキビ対策はしっかりしておきましょう。
思春期ニキビの原因
まずは原因を知ることで適切な対処ができるよう努めましょう。主な原因はホルモンバランスの乱れです。中学生くらいから「女性らしく」「男性らしく」成長するために性ホルモンが分泌されるようになります。この性ホルモンのバランスが不安定になることで、過剰に皮脂が分泌された結果、毛穴がつまりやすくなります。
しかし、それだけが原因ではなく日常生活の中にも原因は潜んでいます。
- 生活習慣の乱れ(寝不足や食生活の乱れ)
- 洗顔料・洗髪料のすすぎ残し
- 過度のストレス
- 不衛生に顔を触る
もしもニキビができていたら、まずはきちんと睡眠をとっているか、栄養のバランスはとれているか、洗顔を正しくやっているかをチェックしましょう。ストレスがたまっている場合も考えられます。それから、汚れた手で顔を触っていないか、身の回りのものは清潔であるかもチェックしてください。
ニキビ跡とは
ニキビ跡とは、ニキビが悪化して肌に深刻なダメージを与えることによって肌に色素沈着やクレーターのような凸凹の穴が残ってしまうことです。肌は表皮・真皮・皮下組織の3層になっていて皮膚の外側である表皮は約28日周期でターンオーバーとよばれる生まれ変わりをくり返しています。この表皮の炎症でとどまれば、ターンオーバーの力で自然に跡が消えていきます。しかし、真皮以下の組織がダメージを受ければ、回復できずニキビ跡となり残ります。一度ニキビ跡が残ってしまえばセルフケアでは完治がむずかしくなります。ニキビ跡を作らないためには、ニキビを作らないことが一番です。つまり予防がなにより大切なのです。
ニキビ跡ができるまで
なんらかの原因で毛穴が狭まり、毛穴の中に皮脂がたまって面皰(めんぽう)という状態になります。初期の段階は白ニキビとよばれ、毛穴がつまっているだけなので炎症がみられず皮膚の色は正常です。次の段階ではつまった皮脂が毛穴を広げ、毛穴から出てきた皮脂が酸化して黒に変化します。これは黒ニキビとよばれます。さらにすすむと、つまった毛穴にニキビ菌ともいわれる悪玉アクネ菌が増殖し炎症を起こします。これは赤ニキビとよばれます。
この状態まで悪化してしまったニキビには触らないようにしましょう。そしてこの赤ニキビを放置してしまうと、さらに毛穴の組織が壊されていき膿を持った黄色ニキビという状態になります。赤ニキビや黄色ニキビへ悪化してしまうと皮膚のへのダメージは深くニキビ跡になる可能性が高くなります。ニキビ跡には「赤み」「色素沈着」「クレーター」「しこり」「ケロイド」といった種類があります。
予防方法について
第一に毛穴の汚れや皮脂が毛穴にたまらないように正しく洗顔することが大事です。
正しい洗顔方法とは
洗顔はごしごし洗わないようにしましょう。基本はよく泡立てて泡洗顔で優しく行ってください。大人も子供も同じです。気をつけることに洗顔料選びがあります。子供の洗顔は皮脂汚れを落とし、肌をきれいにすることが大切なので余分な成分は逆効果となる可能性があります。化粧水などの保湿ケアは必要に応じて、あまり刺激を与えないようにしましょう。
対処方法について
できてしまったニキビは触らない
刺激を与えないようにしましょう。つぶさないように気をつけてください。触ることで悪化し、その結果ニキビ跡が残る可能性があります。
生活習慣を見直しましょう
食事はバランスよくとる・運動をする・睡眠を十分とるといったことが大事です。
専門医に相談する
早めに皮膚科を受診するなど、適切な方法をもって対処をするようにしましょう。
くり返しになりますが、まずは予防すること・悪化させないことを心がけてください。早めに皮膚科を受診するようにしましょう。
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