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ちくびがかゆいのは乳がんのせい?何科を受診すべき?

更新日:2018/06/01 公開日:2017/01/30

婦人病の可能性がある症状

女性にとってちくびのトラブルは珍しくありません。しかし、「乳がんだとちくびがかゆくなる」と聞くと心配になってしまいますよね。ここでは、ちくびのかゆみと乳がんの関係、そしてかゆみのあるちくびへの正しい対処法について2名の専門医の監修のもと解説します。

◎短くポイントをまとめると
ちくびのかゆみが乳がんの一症状として出るケースもあるが、湿疹(皮膚炎)によることも多い
ちくびのかゆみ以外に、血液の混じった汁が出たり、乳房の皮膚の色が変わったり、えくぼのような凹みがある場合は早めに乳腺科を受診
湿疹か乳がんかの判別は素人には難しい。皮膚科と乳腺科の両方に診てもらうのがベスト

「乳がんになるとちくびがかゆくなる」と聞いて、ドキっとした人は少なくないのではないでしょうか。女性にとってちくび(乳頭+乳輪)のトラブルは珍しいものではありませんので、心配になってしまうのも無理はありません。ここでは、ちくびのかゆみと乳がんの関係、そしてかゆみのあるちくびへの正しい対処法について、乳腺専門医と皮膚専門医のダブル監修のもと解説します。

ちくびがかゆいのは乳がんのサイン?

まず、「ちくびのかゆみ=乳がん」ではありませんのでご安心ください。確かに乳がんの中にはちくびのかゆみを伴うものもありますが、湿疹(皮膚炎)によってちくびがかゆくなるケースも多くあります。特にアトピー性皮膚炎のある方は、ちくびや乳輪に炎症を起こしやすく、かゆみが出やすいことが知られています。また、排卵後から生理前にかけては胸が張りやすく、下着などに擦れて湿疹が起こることもあり得ます。

とはいえ、実際に診察や検査をしてみないと乳がんでないと言い切ることはできません。以下、ちくびのかゆみと併発しやすい症状について詳しくみていきましょう[1]。

ちくびから汁が出る

ちくびから汁(分泌物)が出る症状は、乳がん以外にも乳管拡張症、乳腺症などでも起こります。しかし、ちくびだけから血の混じったような汁が出ている場合は要注意です。すぐに乳腺外科や産婦人科を受診しましょう。

ちくびや乳輪から膿が出る

乳腺炎や湿疹で細菌感染を起こしたような場合には、膿が出ることがあります。かゆみに耐えられず掻きむしってしまうと、そこから傷がついて細菌が入り込んで感染しやすくなります。炎症が強い場合はかゆみにとどまらず、痛みを感じることもあります。

ちくびや乳輪が赤く腫れたり、ただれている

湿疹でも乳がんでも起こり得る症状で、見ただけでは区別がつきにくいです。

ちくびが乾燥している、皮がむける

アトピー性皮膚炎のような乾燥肌の方だと、ちくびのような肌の薄いところは乾燥しやすく、皮膚バリアが弱くなって少しの刺激でも湿疹を起こしやすくなります。この場合は乾燥しないように保湿し、貼付剤でちくびを覆うなどして刺激を減らすことが大事です。湿疹を起こした皮膚は治りかけの頃に皮がむけやすくなります。

乳房全体の皮膚の色が変化

ちくびやその周辺だけでなく、乳房全体がオレンジの皮のようになってしまった場合は、急性乳腺炎や炎症性の乳がんの可能性が考えられます。これも見た目では分からないので、乳腺外科や産婦人科の受診が必要です。

※皮膚が腫れて毛穴が目立つようになり、その目立つ毛穴により皮膚がオレンジの皮のようにみえる状態

乳房にえくぼのような凹みがある

乳房にえくぼのような凹み(ひきつれ)が起こるのは、乳がんの約半分に見られる症状です。こちらも早めに乳腺外科や産婦人科に行きましょう。

どう対応したらいい?

ちくびのかゆみが乳がんなのか、湿疹なのかを見極めるのは素人には困難です。最も良い対応法は、乳腺科と皮膚科の両方の医師に診てもらうことです。

どちらから先に行くかは状況によりますが、例えば数か月以内に乳がん検診(マンモグラフィなど)を受けたばかりで異常なしの判定だったのなら、まず皮膚科に行くということが考えられます。逆に、定期的に乳がん検診を受けていない方は乳腺外科を優先した方がいいかもしれません。また、前述したような血の混じった分泌物や乳房全体の変化、えくぼができている場合はなるべく早めに乳腺の専門医に診てもらうことをおすすめします。

いずれにせよ、皮膚科、乳腺外科のどちらに先にかかったとしても、必要に応じて次に何科に行くべきか教えてもらえます。まずは医師に診てもらうということが大事です。

市販薬で対応できない?

ちくびのかゆみの原因が湿疹であるなら、市販のステロイド含有のクリームやワセリンなどの保湿剤でセルフケアすることも可能ではあります。市販薬でかゆみがおさまるなら、湿疹であった可能性が高いと考えられます。しかし、数日試しても症状が変わらない、治らないというときには、やはり病院にかかるようにしましょう

また、ちくびのかゆみがあってもなくても、定期的に乳がん検診を受けることは非常に大事です。乳がんは若い人でも起こりますが、40代になるとぐっと増えてきます。乳がん検診を受けるには、会社で実施している健診に追加する方法や乳腺科クリニックなどに直接申し込む方法、地方自治体が無料で行っているがん検診を受ける方法があります。

ちなみに、男性にも乳がんが起こらないわけではありませんが、非常にまれです。男性でちくびがかゆい場合は皮膚のトラブルである可能性が女性よりも高いと考えられます。まずは皮膚科に相談してみましょう。

参考文献

  1. [1]日本臨床検査医学会ガイドライン作成委員会編. 臨床検査のガイドライン JSLM2015 検査値アプローチ/症候/疾患. “乳癌” 宇宙堂八木書店 2015; 210

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