スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

甲状腺機能低下症の検査と治療法

更新日:2018/06/08 公開日:2016/11/30

甲状腺機能低下症の検査・治療法

甲状腺機能低下症は主に女性に発症するケースが多く、倦怠感や脱毛といった精神的なダメージの多い疾患です。今回は甲状腺機能低下症の検査方法とその治療法について焦点を絞ってドクター監修のもと詳しく解説します。

甲状腺機能低下症はそのほとんどが女性に発症する疾患ですが、症状が一般的な疲労などと似ているために発見まで時間がかかる場合が多い病気の一つです。この甲状腺機能低下症の検査方法とその治療方法を説明するために、まずは症状と原因について見てみましょう。

甲状腺機能低下症の症状

甲状腺機能低下症を発症すると昼夜を問わず眠かったり、全身に強い倦怠感が現れ、記憶力・計算力の低下がみられるようになります。また顔のむくみや脱毛が起こる場合も多く、症状がひどい場合はカツラも必要であるとされています。このように日常生活の疲れや加齢による老化と勘違いしてしまう症状が多く、甲状腺機能低下症が発見しづらい要因となっています。次に、甲状腺機能低下症の原因について見ていきます。

甲状腺機能低下症の原因

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が低下し、全体の活動性が低下する為に起こる病気です。この結果、昼夜問わず眠いなどの症状が発生します。またヨウ素の不足も原因となる場合があります。ヨウ素の不足は甲状腺の腫れや甲状腺機能の低下を招くので甲状腺機能低下症の原因となりえますが、日本に限れば通常の食生活でヨウ素不足に陥ることはほとんどない為、原因としては除外してよいものと考えられます。

なお、この疾患はほぼ女性のみに発生する疾患で、40歳以上の女性の5%が発症しているという報告もあります。女性の場合は、無月経になるなどの症状も発生します。このような甲状腺機能低下症ですが、どう検査すればよいのかを次に説明していきます。

甲状腺機能低下症の検査方法

血液検査を行い血中の甲状腺刺激ホルモン(TSH)や甲状腺ホルモン(FT4)の値を調べることで検査できます。特に甲状腺ホルモン(FT4)の値が低下している場合、甲状腺機能低下症であると診断されます。また、甲状腺刺激ホルモン(TSH)も同時に高い場合は「原発性甲状腺機能低下症」、低い、もしくは正常である場合は「中枢性甲状腺機能低下症」との診断がされます。

このように血液検査を行うことで、甲状腺機能低下症の診断を行うことができます。先ほども述べたように通常の疲れなどに似た症状が多い疾患ですので、少しでも自分の体に変化を感じた場合は、すぐに医師に相談することを心がけることが大切だとされています。

また、65歳以上の場合は甲状腺機能低下症の定期検診の受診を行うことをおすすめします。甲状腺機能の低下は加齢も影響します。そのため、中高年以降に発症しやすくなる傾向があります。次に甲状腺機能低下症の治療方法について説明します。

甲状腺機能低下症の治療法

甲状腺機能低下症の治療をするにはまず、ホルモンバランスを調整する為に甲状腺ホルモンの投与を行う場合がほとんどです。昔は、乾燥甲状腺末などの投与も行われていましたが、現在はサイロキシン錠剤で治療を行うのが一般的となっています。投与の間は、週に1回、もしくは月に1回程度の頻度で甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンの数値を測定し、値が正常値に近づいた後は、そのままの投与量で長期服用を続けることになります。いつ中止するかは必ず医師の判断を確認しましょう。

投与を続けている間はホルモンバランスが安定しているため、病気が治ったように感じてしまいますが、きちんと安定して病状が回復したかどうかとは別問題です。治療中は適度な運動と十分な睡眠を心がけることが大切だとされています。なお、甲状腺機能低下症は自然治癒をすることはありません。逆に言えば、疲れがひどいのでゆっくり休んだけれども一向に疲れがとれない、などの体調不良を感じた時には甲状腺機能低下症を疑ってください。

治療中の食事について

治療中は基本的に食事制限はありませんが、いくつか留意しておくべき事項があります。まず海藻類の大量摂取は控えたほうがよいです。海藻類に含まれるヨウ素は甲状腺機能が低下している時に過剰摂取すると、さらに甲状腺機能を低下させてしまうため、意識的に摂取量は注意することが大切だとされています。

また、アブラナ科の野菜の取りすぎにも注意することが大切だとされています。これらには甲状腺ホルモンの分泌を妨げてしまうゴイトロゲンが含まれるためです。治療中にホルモン投与によってバランスを改善している時に、その分泌を妨げてしまうと治療の効果が十分に期待できなくなります。

甲状腺機能低下症は医師の診察と治療を受けることが大切

甲状腺機能低下症の基本的な症状としては疲れなどの一般的な症状とも似ていますが、ホルモンバランスの変化による疾患であり自然治癒しない病気ですので、きちんと医師の診察を受け、治療に専念してください。

また、女性を中心に加齢とともに増える病気でもありますので、高齢になるに従い、定期検診の中に加えることも検討してください。

記憶力の低下は認知症とも似た症状に見える場合もあります。認知症とは違い、きちんと治療できる病気ですので、少しでも自分の体調に変化があれば、気軽に医師に相談することも忘れないことが大切だとされています。