スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

糖尿病はこうして起こる|食事(甘いもの、酒)やストレスが原因?発症を予防するには?

更新日:2018/06/19 公開日:2017/03/28

糖尿病の原因・症状

糖尿病の原因として「甘いものが好き」「お酒の飲み過ぎ」「ストレス」「太っているから」などと考える人が多いのではないでしょうか。ここでは、糖尿病の原因について詳しく解説するとともに、糖尿病の発症を予防するためのポイントを紹介します。

◎短くポイントをまとめると
糖尿病の原因は、①インスリン不足、②インスリンが効かなくなる(インスリン抵抗性)
糖尿病を予防するには、①インスリン抵抗性にならない、②膵臓を疲れさせない、③ストレスをためない

太っている人

糖尿病を一言でいうと「血液中にグルコース(血糖)が多くなる(=血糖値が高くなる)病気」です。血糖値が高いと血管にダメージを与え、目や腎臓などの細い血管が壊れて網膜症や腎症を引き起こし、さらに脳や心臓の大きな血管にも悪影響を及ぼして脳卒中や心筋梗塞などの命にかかわるような病気をもたらします。

糖尿病の原因は?

では、なぜ血糖値が高くなって糖尿病になってしまうのでしょうか。その理由は大きく分けて2つあります。

  • 膵臓から分泌されるインスリンが足りなくなるから
  • インスリンの作用がうまく効かなくなるから

まずは「インスリン」という物質がどのような働きをしているのかを見ていきましょう。

インスリンの働き

インスリンはホルモンの一種で、膵臓が産生しています。インスリンは身体のなかで唯一「血糖値を下げる作用」を持つホルモンです。私たちが食事を摂ると、糖質は消化されてグルコースとなり、小腸から吸収されて血中に入ります。そのため、食後は血糖値が高くなります。その血糖値を下げるために、膵臓はインスリンを作り出して血液内に分泌します。インスリンは身体中の筋肉などの細胞に運ばれていきます。

インスリンの働き

上の図を見てください。インスリン(紫色の三角形)が細胞に到着すると、インスリン受容体(黄色の鍵穴部分)にしっかり結合します。そうすると、グルコースチャネル(丸い緑色の部分)の扉が開き、そこからグルコースが細胞の中に入っていけるようになります。つまり、インスリンは細胞が糖分を補給するための入り口の鍵となっているのです。

インスリンと糖尿病の関係

このようにインスリンは体中の細胞にグルコースを取り込ませることによって、血糖値を下げる働きをしています。最初に「糖尿病の原因」として2つの理由

  • 膵臓から分泌されるインスリンが足りなくなるから
  • インスリンの作用がうまく効かなくなるから

をあげましたが、これがなぜ血糖値を上げてしまうのかご理解いただけたのではないでしょうか。

すなわち、膵臓から分泌されるインスリンが足りなくなれば、細胞がグルコースを取り込む入り口が十分に開けられなくなるので血糖値が下がりません。また、インスリンが分泌されていても、細胞の鍵穴にうまくはまらないような状況(このことを「インスリン抵抗性」と言います)になれば、やはり細胞がグルコースを取り込めないので血糖値は下がりません。

このような状態が続けば、血糖値が高いままとなり、いずれ糖尿病を発症してしまいます。

糖尿病の原因はタイプによって異なる

糖尿病は、1型糖尿病と2型糖尿病の2種類に大きく分けることができます。一般的に知られている糖尿病は2型糖尿病で、中年以降がかかりやすく、患者数も多いです。1型糖尿病は若い人(多くが20歳以下)が多く発症する病気で、患者数は少ないです(糖尿病全体の5%程度)。これらは同じ糖尿病といっても、原因が異なります。詳しくみていきましょう。

1型糖尿病と2型糖尿病の違い

先ほど、インスリンが細胞にグルコースを取り込ませるしくみについて図で説明しました。それが下の図の「健康な人」の場合に相当します。

糖尿病の原因

一方、1型糖尿病の人では膵臓(図の黄色い部分)がインスリンを作り出すことができないので、細胞もグルコースを取り込むことができず、血中にグルコースがとどまって、血糖値の高い状態が続いてしまいます。

2型糖尿病の場合は、膵臓はインスリンの分泌はするのですが、細胞にあるインスリン受容体(鍵穴)にうまくはまりにくい状況(インスリン抵抗性)があり、グルコースの取り込みがうまくいきません。結果として血糖値は下がりませんし、インスリンも血中にたまっていきます。このことを「高インスリン血症」といいます。

このとき膵臓は「インスリンを出しているのに血糖値が下がらない。きっとインスリンが足りていないのだろう。もっと多くインスリンを出そう」と頑張ってしまいます。この頑張りはしばらく続くのですが、やがて疲弊してインスリンを作り出せなくなってしまいます。こうなると身体の外からインスリンを補給するためのインスリン注射が必要になります。

糖尿病の発症を予防するには?

では、糖尿病の発症を予防するにはどうしたらいいでしょうか。

1型糖尿病は、ウイルス感染などが引き金となって免疫システムが不具合を起こしてしまい、膵臓の細胞を「敵」と誤認して攻撃・破壊してしまうことが原因で起こります。これを予防する方法はまだ開発されていません。ここでは2型糖尿病の予防法を中心に解説します。

2型糖尿病の発症にかかわる要因

2型糖尿病をもたらす要因は下記のようなものが考えられています。

  • 体質(遺伝的な要因)
  • 食べ過ぎ(特に糖質)
  • お酒の飲み過ぎ
  • 運動不足
  • 肥満
  • ストレス など

これらの要因が重なったときに、2型糖尿病が発症すると考えられています。たとえ糖尿病になりやすい体質であっても、食事や運動に気をつけていれば発症を防ぐことができます。

予防法(1)インスリン抵抗性にならない

肥満の人は、膵臓からインスリンが分泌されているのに、その効きが悪くなっているインスリン抵抗性の状態になりやすいといわれています。その理由は色々ありますが、多くのケースではインスリンの働きを妨げる物質(成長ホルモン、副腎皮質ホルモン、グルカゴン、カテコールアミン、甲状腺ホルモン、抗インスリン抗体など)が多くなっていることが原因です。

インスリン抵抗性は、肥満の解消や運動の継続によって改善します。ポイントは、無理をせず継続できる運動を行うこと。ウォーキングなどの軽めの運動でいいので、1日1万歩を目安に続けてみましょう。

なお、「太っていない人は糖尿病にはならない」という誤解がありますが、標準体重の人でも糖尿病になるのは珍しくありません。体質的に日本人は膵臓が疲れやすく、肥満でなくても糖尿病になりやすい人が多いといわれています。次項を参考に、膵臓を疲れさせないような工夫をして予防しましょう。

予防法(2)膵臓を疲れさせない

インスリンを出しても血糖値が下がらない(インスリン抵抗性)と、膵臓は何とか血糖値を下げようとより多くのインスリンを出すようになります。食べ過ぎ・飲み過ぎの日が続くのは膵臓にとって拷問のようなもの。この状態が長く続くと、膵臓は徐々に疲れてしまい、インスリンを出す力が弱くなってしまいます。

「甘いものを食べ過ぎなければ糖尿病にはならない」という風に誤解されている方がいらっしゃいますが、血糖値を上げる食べ物を摂り過ぎれば糖尿病の原因になります。甘いものだけでなく、パンや白米、イモ類など、糖質を含むものはすべて血糖値を上げます。これらはよいエネルギー源になるため必要な量は食べる必要がありますが、食べ過ぎてはいけないということです。

今日は糖質を食べ過ぎてしまったな、と思ったら、明日は糖質を少し減らすようにするなどの工夫をして、膵臓を休ませてあげましょう。

予防法(3)ストレスをためない

ストレスも糖尿病の一因となります。私たちの身体はストレスにさらされると、自律神経が「戦うor逃げるモード」(交感神経優位)になります。ストレスに立ち向かう、もしくは回避する行動を迅速に取れるようにするために、血糖値を上げるホルモンを増やし、血糖値を上げて筋肉などがすぐにエネルギーとして使える状態にします。

このことは一時的に起こるのであればよいのですが、慢性的な精神ストレスなどで常に交感神経が優位になっているような状態だと、血糖値が高いままになってしまいます。運動することはストレスの解消にもつながります。食事と運動をうまく組み合わせて糖尿病を予防しましょう。

血糖値が高めなら早めに病院へ

糖尿病に一度なってしまうと、元の健康な状態に戻すのは相当な努力が必要になります。そうなる前に予防するのが一番です。健康診断などで血糖値が高めだと指摘されたら、そのままにしないで、その段階から病院やクリニック(内科、糖尿病科)を受診して、血糖値の改善に取り組むことが大切です。

特に糖尿病治療に力を入れている専門の医療機関では、より詳しいアドバイスやサポートが受けられるところもあります。地域で糖尿病治療に注力している医院を調べて、一緒に治療に取り組んでくれる医療者を見つけましょう。

ヘルスケア本