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片頭痛が原因で起こるアロディニア(異痛症)とは

更新日:2017/11/22 公開日:2017/04/08

片頭痛の症状・原因・解消方法

アロディニアは触覚や視覚など特定の感覚が過敏になり、通常では痛みとして感じられない程度の刺激でも痛みや違和感を引き起こす感覚異常です。アロディニアが起こるメカニズムや症状、対策などについてドクター監修の記事でお伝えします。

 

 

アロディニアとは

アロディニアとは、通常は痛みにつながらないような接触や圧迫、温度変化などによって痛みを引き起こしてしまう感覚異常のことを言います。ケガや病気などの影響で神経障害が起こってしまう「神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)」の一種であると考えられており、もっともよく見られるのは片頭痛を原因とするアロディニアです。片頭痛の進行した患者の約4~7割でこのアロディニアの症状がみられるといわれています[1]。片頭痛で感覚が過敏になると、ほんの少しの刺激でも痛みが増してしまうこともあります。

片頭痛で起こるアロディニアには、頭部を中心として症状が出やすくなる「頭部アロディニア」と、手足や胴回りなど、頭部以外の部分に症状が出る「頭蓋外アロディニア」の2種類があります。

アロディニアのメカニズム

まず、片頭痛が起こる仕組みについて説明します。

片頭痛について

片頭痛は脈打つような痛みをともなう頭痛で、こめかみから目にかけて症状が現れやすいのが特徴です。片頭痛が起こる前に目の前がチカチカするような感じがしたり、視界が悪くなったりするなど、前駆症状が出る場合もあります。

片頭痛の起こるメカニズムはまだ完全にはわかっていません。しかし、片頭痛の前兆については、大脳皮質の神経が過剰に興奮し、それに引き続いて大脳皮質を伝播する大脳皮質拡延性抑制(CSD)という現象によると考えられています。さらに、痛みについては、何らかのメカニズムにより三叉神経血管系が活性化されるためと考えられています[2]。

アロディニアと片頭痛の関係

片頭痛は、三叉神経まで血管の拡張や炎症が伝わることで起こる頭痛です[1][2]。三叉神経は顔の動きや顔の感覚をコントロールする神経ですので、ここが炎症によって刺激されると、触覚や視覚、嗅覚などの感覚も刺激されます。その結果、通常時はなんともないような刺激が痛みや不快感として受け取られるようになってしまい、光や音、触覚などに敏感になってしまうと考えられています。

頭部アロディニアの場合は、三叉神経が炎症などによって刺激されることで頭部や顔面の感覚が過敏になります。頭蓋外アロディニアの場合は、片頭痛による刺激が三叉神経を通り越し、中枢神経に届くことで感覚神経が過敏になり、頭部以外の部分からの刺激に対しても過敏になり、上半身を中心に違和感が出るようになります。

アロディニアの症状

頭部アロディニア・頭蓋外アロディニアの具体的な症状について解説します。

頭部アロディニア

頭部アロディニアは、頭部に対する刺激が過敏になってしまう感覚異常のことです。髪やメガネ、イヤリングなどが顔に触れたり、寝具が頭にあたったりしているだけでも痛みや不快感を覚えてしまうことがあります。人によっては、風が頭部に当たることすら痛みの原因になるケースもあります。また、触覚だけでなく、強い光が目を通して入ってくると頭痛が悪化するといった、光に過敏に反応する人もいます。

頭蓋外アロディニア

頭蓋外アロディニアは、頭以外の部分の感覚が過敏になる疾患です。頭部アロディニアのように、ベルトや腕時計などのアクセサリーが体に触れることによって不快感を覚える他、手足のしびれを感じることもあります。手足に違和感を覚えるようになると、布団が体に掛かっているのも煩わしく感じ、なかなか寝付けないという人もいます。

アロディニアは触覚や光、音などに対して過敏になってしまう感覚異常ですが、この他にも気圧の変化や気温、湿度の変化などにも敏感に反応し、頭痛などの不調を訴える人もいます。その敏感さは頭の痛さの程度からその日の天気を言い当てるほどである場合もあり、アロディニアでない人にはわからないような、小さな環境の変化さえも感じ取ってしまうことがあります[3]。

アロディニアの治療

片頭痛の症状を抑えるためには、「トリプタン製剤(薬剤名)」という薬がよく使用されます。正しい使い方をすれば、服用後2時間以内に約93%の片頭痛をおさめてくれるなど、非常に頼りになりますが、アロディニアの症状が出てしまってからでは、トリプタン製剤の効きが悪くなってしまうといわれています[4]。

アロディニアは、片頭痛の症状が出てから約20分の間はほかの症状が出にくいといわれています[3]。そのため、視覚や触覚などによるアロディニアが起こりやすい人は、片頭痛が起こったらすぐに薬を服用するようにしましょう。頭痛外来などで相談してみてください。

参考文献

  1. [1]西郷和真. 片頭痛診療におけるアロディニアの診断と治療, medicina, 2015, 52.8: 1325-1325
  2. [2]辰元宗人. 疼痛治療-神経疾患 片頭痛・末梢神経障害, Dokkyo journal of medical sciences 2011; 38(3): 295-300
  3. [3]エーザイ. "アロディニア(異痛症)" エーザイホームページ.
    http://medical.eisai.jp/products/maxalt/guidance/patient01.html(参照日 2017/11/14)
  4. [4]Burstein, R. et al. Defeating migraine pain with triptans : a race againt the development of cutaneous allodynia, Ann Neurol. 2004; 55: 19-26

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