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糖尿病を治療する薬の種類とは

更新日:2017/10/23 公開日:2017/03/23

糖尿病に使われる治療薬(飲み薬)について

糖尿病の治療は、食事療法と運動療法、薬物療法の3つを軸に行います。薬の種類によって効果の現れ方や副作用が異なります。今回は、糖尿病を治療する薬の種類と副作用についてドクター監修の記事で解説します。

糖尿病治療薬を間違った方法で服用すると、低血糖などの副作用が現れる可能性があります。低血糖は生命に危険が及ぶこともある状態です。低血糖に陥った際の対処法も確認しておきましょう。

糖尿病治療の目的

血糖値は、すい臓のβ細胞から分泌されるインスリンによって低下します。糖尿病とは、インスリンの分泌が低下している、あるいは効きが悪くなった結果、インスリンの作用が不足している病態です。糖尿病の治療の目的は、血糖を良好にコントロールして、代謝の異常を改善し、合併症の発症や悪化を防いで、健康な人と同じような生活を送れるようにすることです。

糖尿病治療で使用する内服薬の種類

糖尿病に使用される薬には、その病因に応じて、インスリンの分泌を促す薬、インスリンを効きやすくする薬、糖の吸収や排泄を調節する薬があります。

インスリンの分泌を促す薬

・スルホニル尿素薬(SU薬)

インスリンを分泌するすい臓のβ細胞を刺激することで、インスリンの分泌を促進させます。

・速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)

SU薬と同じ作用を持ちますが、内服直後から効果が現れ始めることが特徴です。効果の持続時間は短いです。そのため、食後の高血糖を改善するために有効とされています。

・DPP-4阻害薬

血糖値が高くなったときに、血糖値を下げるインスリンの分泌を促進させるとともに、血糖値を上げるグルカゴンの分泌を低下させます。空腹時および食後高血糖のいずれも改善するとされています。

インスリンを効きやすくする薬

・ビグアナイド薬

肝臓からブドウ糖が放出されて血糖値が上がるのを防ぎます。また、筋肉などでインスリンが効きやすくなるようにする作用もあります。

・チアゾリジン薬

末梢組織でインスリンを効きやすくしたり、肝臓からのブドウ糖放出を抑制したりします。

糖の吸収や排泄を調節する薬

・α-グルコシターゼ阻害薬

糖は、小腸から吸収されます。α-グルコシターゼ阻害薬は、糖の吸収を遅らせることで食後の高血糖を抑える薬です。

・SGLT2阻害薬

腎臓は老廃物や不要物を尿として出すための臓器です。腎臓にある糸球体が血液をろ過して尿の素が作られますが、このときブドウ糖も尿の素に含まれています。しかし、糖はエネルギー源であり身体に必要なものであるため、尿の素から再び血液中へと戻されます。SGLT2阻害薬には、糖が再び血液中へと戻されるのを防ぐ作用があります。

薬物療法の際の注意点

糖尿病の薬物療法を受けるうえで注意すべきことは低血糖です。特に、複数の糖尿病治療薬を併用した場合に起こりやすいといわれています。

低血糖は、血液中のブドウ糖の濃度が低い状態のことです。血糖値が60~70mg/dl以下になると、冷や汗や吐き気、強い空腹感、動悸、手足の震え、脱力感、頭痛などの症状が現れます。これは、血糖値が下がりすぎたときに分泌されるアドレナリンによって起こる症状です。血糖値が50~30mg/dl以下になると、異常行動や支離滅裂なことを言う、けいれん、ろれつが回らない、意識消失などの症状が現れます。

これらの症状は、エネルギー不足によって脳の機能が低下することで起こります。すぐに治療を受ければ問題ありませんが、これらの症状が数時間以上続くと、脳に後遺症が残ったり生命に危険が及んだりすることがあります。食前や過度な運動をしたときに起こりやすいので、家族に糖尿病患者がいる場合は様子をこまめに確認することが大切です。

もし低血糖の症状が認められた場合は、すぐにブドウ糖を中心とした糖質を摂りましょう(ブドウ糖として5~10g)。砂糖でもいいですが、吸収が早いのはブドウ糖です。人工甘味料は糖分が含まれていないのでダメです。特にα-グルコシダーゼ阻害薬の服用中は糖の吸収が遅れるので、ブドウ糖を摂取する必要があります。

薬の服用による副作用

薬の種類によって副作用が異なります。

・スルホニル尿素薬(SU薬)

比較的、低血糖を起こしやすいとされています。また、食事療法や運動療法がおろそかになると体重増加が起こりやすいと言われています。

・速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)

低血糖のリスクがありますが、SU薬より頻度が少ないとされています。

・DPP-4阻害薬

これだけで低血糖が起こるリスクはきわめて少ないとされていますが、SU薬などと併用した場合には低血糖の起こる頻度が高くなる可能性があります。

・ビグアナイド薬

食欲不振や吐き気、下痢や便秘などの消化器症状が現れることがあります。また、アルコールの摂取量が多い場合は服用できません。他の病気を発症している、高齢などの要因で副作用が強く現れる場合があります。

・チアゾリジン薬

体重増加、むくみなどがあらわれることがあります。

・α-グルコシダーゼ阻害薬

腹部膨満感、放屁、下痢などの消化器症状が知られています。

・SGLT2阻害薬

尿路および性器の感染症、頻尿、脱水、皮膚症状などの副作用があります。高齢者や体調不良の方、脱水しやすい状態などの要因で、他に重い副作用が現れる場合があります。

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