スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

帯状疱疹の治療期間はどのくらい?

更新日:2018/04/13 公開日:2017/02/28

帯状疱疹の基礎知識

帯状疱疹は、体幹や顔に痛みをともなう水疱ができる皮膚病で、20歳前後と60歳以上によくみられます。この帯状疱疹の治療期間はどれくらいでしょうか? また、症状を軽くするためにはどうすればいいのでしょうか? ドクター監修のもと解説します。

◎短くポイントをまとめると
帯状疱疹は抗ウイルス薬による治療がメインで、治療期間は5~10日間が目安
帯状疱疹の皮膚症状は1か月以内に落ち着くことが多い
痛み(神経痛)がおさまるまでは1~3か月程度、人によっては年単位で続いてしまう場合も

帯状疱疹が(顔に)できているイメージ写真画像

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、痛みをともなう水ぶくれ(水疱)ができる皮膚の病気です。子供から大人までかかる可能性がありますが、20歳前後と60歳以上によくみられます。この帯状疱疹の治療期間はどれくらいかかるものなのでしょうか? ドクター監修のもと解説します。

帯状疱疹の治療期間は?

帯状疱疹は「水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルス」というウイルスが原因で起こる病気なので、治療はこのウイルスの増殖を抑える薬(抗ウイルス薬)がメインになります。また、発疹の状態に応じて塗り薬が、痛みに対しては鎮痛剤が処方されます。

帯状疱疹の抗ウイルス薬

飲み薬の抗ウイルス薬は3種類あり、それぞれ服用回数や治療期間が異なります。

  • アメナメビル(商品名:アメナリーフ):1日1回、7日間
  • バラシクロビル(バルトレックスなど):1日3回、7日間
  • ファムシクロビル(ファムビルなど):1日3回、7日間
  • アシクロビル(ゾビラックスなど):1日5回、7~10日間

これらの薬は大人と子供では用量が異なりますし、腎臓の機能が低下している人では用量の調整が必要になります。医師が症状などをみて総合的に判断し、最も適切なものを選んでくれます。

なお、重症の帯状疱疹の場合は下記の抗ウイルス薬を点滴で投与します。

  • アシクロビル:1日3回(8時間ごとに1時間以上かけて点滴)、7日間
  • ビダラビン:1日1回(投与量によるが数時間かけて点滴)、5日間

帯状疱疹の塗り薬

帯状疱疹でできた皮膚の発疹に対しては、状況に応じて下記のような塗り薬が処方されます。

  • 水ぶくれやびらんに対して、抗生物質の入った軟膏など
  • 潰瘍に対して、皮膚潰瘍治療薬など
  • かさぶたに対して、亜鉛単軟膏など

その他、痛みに対しては鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬;NSAIDsや神経障害性疼痛治療薬など)、神経障害に対するビタミンB製剤、痛みでよく眠れないときには睡眠薬が処方されることがあります。

帯状疱疹はどのくらいで治る?

では、帯状疱疹はどのくらいの期間で治っていくのでしょうか。皮膚症状については3週間くらいで治ることが多いのですが、痛み(神経痛)については1~3か月程度、人によっては年単位で続いてしまう場合もあります。以下で詳しく説明します。

皮膚症状の見通し

帯状疱疹にかかると、皮膚にはまず赤い腫れ(浮腫性紅斑)ができ、その中に小さな水ぶくれ(水疱)ができてきます。この水ぶくれの中身は、初期は透明ですが、2~3日経つと白~黄色になったり(膿疱)、血液がまざって赤色になったり(血疱)します。4~5日経つと水疱がやぶれてびらん(ただれ)になります。びらんはやがてかさぶたとなります。

皮膚症状を全体的にみると、発症から1週間は新たな水ぶくれが出てきますが、2週間ほどすると全体にかさぶたができ、3週間後にはかさぶたが取れて治癒します。人によっては、シミ(色素沈着)になったり、傷あと(瘢痕)が残ったりすることもあります。

このように、帯状疱疹の皮膚症状は1か月以内に落ち着くことがほとんどです。

神経痛の見通し

一方、皮膚症状が治った後も続くのが、帯状疱疹の痛みです。この痛みは「神経痛」と呼ばれていますが、これは帯状疱疹の原因である水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルスが悪さをして神経を傷つけてしまっていることによる痛みだからです。この、ウイルスによる神経傷害による痛み(帯状疱疹痛)は1~3か月続きます。

しかも、帯状疱疹にかかった一部の人では、3か月経っても痛みが改善せず、数年~数十年にわたって痛みが持続してしまう場合があります。これを「帯状疱疹後神経痛」(PHN)といいます。この痛みは、ウイルスとの戦いで起こった炎症により、神経が変性して痛みを感じるようになること(神経因性疼痛)と、痛みの記憶が残ってしまうこと(心因性疼痛)によると考えられています。

また、顔に帯状疱疹ができた場合には、顔面神経の麻痺、耳の合併症(難聴、耳鳴り、めまい)、眼の合併症、味覚障害などを起こす「ラムゼイ・ハント症候群」になってしまうこともあります。

PHNやラムゼイ・ハント症候群になってしまった場合は、通常の帯状疱疹よりも治療期間は長くなります。治療も経過も人それぞれなので、治療とその見通しについては主治医にお尋ねください。

まとめ ―帯状疱疹の治療を早く開始することが大事―

ここまで、帯状疱疹の治療と治癒までの大まかな見通しについて解説しました。帯状疱疹の多くは3か月程度でおさまりますが、人によっては痛みが数十年にわたり続くことがあります。この痛みはウイルスが原因となっているので、抗ウイルス薬を早期に投与することが、その後の症状を軽くするといわれています。

帯状疱疹は薬局の薬では治療することができません。なるべく早く病院(皮膚科)を受診して、治療を開始してください。なお、50歳以上ではこのウイルスに対するワクチン(予防接種)により、帯状疱疹やPHNになるリスクを減らしたという研究結果が出ています[1]。帯状疱疹は、加齢、疲労、ストレス、がん、免疫を抑制する治療などを契機に発症するといわれています。気になる方は、お近くのクリニックで相談してみてください。

帯状疱疹の原因や感染経路については、『帯状疱疹の原因とは』『帯状疱疹の感染経路とは』でも詳しく解説しています。

参考文献

  1. [1]デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2016; 1229

この病気・症状の初診に向いている科 皮膚科

今すぐ読みたい