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貧血の種類と症状、原因について

更新日:2018/05/14 公開日:2017/03/22

貧血の基礎知識

貧血は女性に多く、日本人女性の1割が貧血だといわれています。食事療法により改善することもあれば、専門的な治療が必要になることもあります。本記事では、貧血の種類と症状、その原因についてドクター監修のもとお伝えします。

貧血は女性に多く、日本人女性では1割が貧血であるといわれています。鉄分を積極的に摂るなど食事内容の変化によって改善することもあれば、深刻な原因が裏に隠れていて専門的な治療が必要になることもあります。貧血にどのような種類があり、それぞれで現れる症状とその原因についてお伝えします。

貧血に種類ってあるの?

貧血とは、赤血球や赤血球の中のヘモグロビンというものが基準より減少することによって起こります。

全体の7割弱が鉄分不足による鉄欠乏性貧血であり、若い女性がこの状態に陥りやすいといわれます。それ以外にも、血液をつくる過程に不具合をきたす疾患として再生不良性貧血や悪性貧血が、血液を過剰に壊してしまう疾患として溶血性貧血があります。さらに、癌や肝硬変など他の疾患の影響で貧血になる二次性貧血などがあります。

よく貧血と間違われるものとして、「朝礼中に貧血を起こして倒れた」など、立っている姿勢が続くときや急に立ち上がったときのめまいやふらつきは、起立性低血圧だったりします。脳貧血とも呼ばれる状態ですが、一時的に脳へ運ばれる血液量が減るために起こるもので、血液成分が減る貧血とは異なります。

鉄欠乏性貧血

若い女性によく見られ、体内の鉄分が不足することで起こります。鉄分不足によって、身体中に酸素を運搬するヘモグロビンがつくられにくくなります。すると、呼吸することで酸素を肺に取り込んでも、血液を通して全身に酸素が運搬されないといった状況に陥りがちです。脳が酸欠状態になると、頭がぼんやりする、頭痛やめまいがするといった症状が現れるでしょう。加えて、脳の酸欠を補うために心臓がさかんに働いて血液を送ろうとした結果、動悸や息切れを起こすといったこともありえます。疲れやすくなる、むくみが出るなどの慢性的な全身症状にもつながります。

これらの症状は、鉄と動物性タンパク質を積極的に摂取することで改善が見込まれます。体内の鉄分が満足に補充されるには数か月ほどかかる場合が多いため、医療機関に相談したうえで長期的に取り組むことが求められます。

なお、食生活のように鉄の摂取が不足するのではなく、出血などによっても貧血を起こすことがあります。手術や大ケガで一度に大量に血液を失う場合と、胃腸の癌や潰瘍、痔、月経などで少しずつ慢性的に出血し鉄分が不足する場合などがこれに当たります。月経過多の女性は鉄剤を飲んでいてもなかなか改善しない例も少なくありません。

貧血にまで至らなくても組織の鉄が足らなくなると、全身の細胞のミトコンドリア(細胞のエンジン)の機能が落ちてしまい、様々な症状が現れます。

再生不良性貧血

骨髄で血液成分をつくる過程で異常があるために、赤血球および白血球、血小板が減って、貧血になる疾患です。ほとんどが原因不明ですが、かかりやすい体質が存在するようです。親子でこの疾患にかかることもありますが、先天性のことも後天性のこともあり、後天性では遺伝しないといわれています。

赤血球が減るため、他の貧血と同様に頭痛やめまいが起きると考えられるのに加え、白血球や血小板も同時に減っていることから、より深刻な症状が現れる可能性があります。白血球のうち免疫機能を持つ好中球が減れば細菌などによる感染症にかかりやすくなり、血小板が減れば止血機能が低下してケガや手術の際に血が止まりにくくなります。命にかかわることもあるため、適切な治療を早期に受けることが重要な疾患と言えます。

悪性貧血(赤芽球性貧血)

赤血球をつくるには鉄分だけでなく、葉酸とビタミンB12も必要です。これらが不足すると正常な赤血球ができず、貧血となりえます。通常の食生活で葉酸が不足することはあまりないものの、妊婦では葉酸不足による貧血が比較的よく見られると言えます。ビタミンB12については、胃液の作用によって吸収される性質があることから、胃を切除する手術を受けた人に見られることが多いようです。なお、胃を切除した直後は体内に貯蔵されたビタミンB12を使うため症状が出ず、5年ほど経過してから発症するといったケースが典型例となります。

溶血性貧血

赤血球は、つくられてから通常120日ほどで寿命を迎えます。古い赤血球は脾臓を通るときに選別して壊され、肝臓でさまざまな過程を経てから老廃物が排出されます。ところが、この疾患では赤血球の寿命が異常に早くなり、2週間程度で破壊されてしまう結果、貧血をきたします。先天性または後天性の疾患で、多くは赤血球を異物として破壊する抗体がつくられてしまう自己免疫性溶血性貧血という疾患だといわれます。

貧血は改善できる?

貧血の種類や原因はさまざまですが、医療機関での治療や食事内容の見直しによって、症状の改善を図ることができます。動物性たんぱく質をしっかりとりましょう。赤血球およびヘモグロビンの不足を補うには、その材料となる鉄分と葉酸、ビタミンB12を摂取するなどが有効とされます。鉄欠乏性貧血ではこれらを多く含んだ食事により改善が促されますが、その他の貧血では適切な治療が異なりますから、自分に合った治療を受けるのが望ましいと言えます。

貧血は遺伝する?

ほとんどの貧血は遺伝しないといわれます。まれに、先天性の再生不良性貧血や溶血性貧血が遺伝するとされますが、鉄欠乏性貧血などは生活習慣によるものがもっぱらだと考えられます。

貧血の人が気をつけるべき生活習慣

生理のある女性、成長期の子ども、高齢者、アスリートは、動物性タンパク質と鉄を意識的に摂取して鉄不足を補うことが大切と言えます。それに加えて、MCVが高い人は、葉酸、ビタミンB12が減らないように努めることも役立ちます。鉄分は他の食品に含まれる物質と吸着して、体内へ吸収されずに排出されることも多いものです。特に、コーヒーや紅茶に含まれるタンニン、ほうれん草のアクに含まれるシュウ酸などは鉄と結びついて吸収を妨げますから控えた方がいいかもしれません。