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貧血の原因について

更新日:2017/03/22 公開日:2017/03/22

貧血の基礎知識

貧血は、赤血球および赤血球中に含まれるヘモグロビンの不足によって起こるといわれています。本記事では、その主な原因と貧血に至るまでの間に体内で起きていることについて、ドクター監修のもと解説します。

貧血は、赤血球に含まれるヘモグロビンがなんらかの理由によって不足することで起こるといわれています。その多くは、ヘモグロビンをつくる際に必要となる鉄分の不足によるものとされていますが、同様の症状を呈しながら別の原因が潜んでいることもあります。その主な原因と貧血に至るまでの間に体内で起きていることについて詳しく解説します。

貧血の原因

貧血は、赤血球および赤血球中に含まれるヘモグロビンの不足によって起こるといわれています。不足の原因としては、次のようなものが考えられます。

赤血球やヘモグロビンの合成障害

ヘモグロビンには鉄分を含む色素がありますが、鉄分不足によってヘモグロビンおよび赤血球が十分につくられなくなると考えられています。また、赤血球ができるには鉄分に加えて葉酸とビタミンB12が必要になります。通常、これらの物質は体内にも蓄えがあり、摂取量が少しくらい減っても問題ないようになっているのですが、慢性的に不足すると貧血につながり症状が現れるとされます。なお、これらが含まれるものを食べていても、体内への吸収に問題がある場合、赤血球をつくるのに必要な量が不足して貧血を引き起こす可能性があります。

少数ですが、骨髄で赤血球がつくられる過程に異常があり、正常な赤血球が不足する場合があります。再生不良性貧血と呼ばれ、貧血以外の重篤な合併症も起こり得る疾患とされています。

失血

大ケガや手術などにともなって身体から血液が失われ、貧血となる場合があります。このように一時的で原因がはっきりとわかる出血ならば、輸血が行われるなどして比較的早期に改善が見込まれます。一方で、未受診の慢性的な疾患によって血液を失っている場合は、少しずつ出血していることに気づかないまま貧血を起こすことがあります。がん、胃潰瘍、痔などによる消化管出血が原因疾患として考えられます。女性では月経の出血で定期的にヘモグロビンを失いますから、男性より貧血を起こしやすい傾向にあるというのもうなずけます。

赤血球の過剰な破壊

赤血球は古くなると脾臓や肝臓で破壊されますが、なんらかの理由によって赤血球が異常に早く寿命を迎え、破壊されてしまうことがあります。結果として血液中の赤血球が少なくなり、貧血につながります。この状態は溶血性貧血といって、自己免疫の異常により引き起こされるといわれます。

貧血を起こす身体のメカニズム

貧血の原因のうち、ほとんどが鉄分の不足による鉄欠乏性貧血であるとされていますから、こちらを重点的に解説します。

鉄分不足の場合

鉄分は体内に3gから5g程度あり、そのうち1gは必要に応じて使える形のものといわれています。これを貯蔵鉄といい、肝臓内にフェリチンという形態で存在するとされます。そして、鉄分が必要になるとトランスフェリンというタンパク質と鉄分が結びついて血液中を移動し、利用されます。利用方法は多岐にわたり、骨髄で赤血球の合成に使われたり、腸で不要な物質と結びついて排出されたりといったことがあげられます。

このように、鉄分は赤血球の合成以外の目的を含めて毎日少しずつ使われていくと考えられます。一定量の鉄分を体内に蓄えて利用しているものの、補充されなければやがて枯渇してしまうでしょう。1日に消費する鉄分量は1mg、1回の月経では10から15mgといわれています。何年も鉄分の摂取不足が続くと、鉄欠乏性貧血を引き起こすことにつながると言えます。

なお、貧血の症状がなぜ起こるかについては、後述で詳しくふれます。

その他の場合

骨髄で赤血球がつくられるときに必要な葉酸やビタミンB12が不足すると、正常な赤血球を合成できなくなることがあります。また、骨髄で赤血球をつくる機能自体に異常があると、再生不良性貧血という貧血につながります。この疾患では赤血球のみならず白血球や血小板も減少するため、免疫力低下や止血機能の低下を招いてしまうおそれがあります。

赤血球が過剰に破壊される溶血性貧血では、先天的または後天的に赤血球に異常があることなどによって、赤血球が異物とみなされて壊されるために貧血が起こると考えられます。

血液の仕組みと役割について

赤血球やヘモグロビンが不足して、本来の役割を十分に果たせないことで、貧血の症状が起こるとされます。そこで、本来の赤血球および血液の役割と、貧血の症状について説明します。

赤血球は、血球の中のヘモグロビンが含む鉄分に、血液中の酸素を結合させて運ぶことで、全身に酸素を運搬します。肺静脈を通過するときに、呼吸によって取り込まれた酸素をヘモグロビンと結合させて全身へ行き渡らせ、毛細血管まで届けます。毛細血管で酸素を渡すと、今度は心臓や肺へと静脈の血流に乗って戻っていきます。身体の末端から中心へ戻る静脈血の中には、二酸化炭素の他さまざまな老廃物も一緒に流れており、各臓器を通過する際に処理されます。

赤血球が減るなどして酸素運搬能力が低下すると、全身に酸素が行き渡らず酸欠状態になりやすくなります。脳や肝臓などの臓器は大量の酸素を使って活動していますが、酸欠になると処理速度が低下し、症状が出現するとされます。たとえば、脳の酸欠ではぼーっとしてしまうなどがあげられます。また、酸素を運ぼうと脳血管に負担がかかり、周辺の神経に炎症が引き起こされるなどして頭痛が起こるといわれます。

貧血は改善できる?

鉄欠乏性貧血は、一般的には鉄分を補給することがよいとされますが、先に述べたように隠れた疾患により出血していることが原因だとすれば、その治療が急がれます。そのような可能性も考慮すると、貧血を自覚したら医療機関にかかり、原因を突き止めて対処することが大切と言えます。

多くの場合、治療などにより貧血を改善することは可能といわれます。鉄欠乏性貧血なら鉄製剤の服用や食事療法などにより、貯蔵鉄を増やしていくことで症状の緩和と貧血状態の改善が見込まれます。とはいえ、独断で行うのはおすすめできません。貧血の症状は他の疾患と間違えやすく、中には放置すると危険な疾患が隠れていることもあるためです。もし貧血が疑われる場合は、内科または血液内科を受診して検査を受けることが望ましいと言えます。