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コンタクトレンズに使う洗浄液の目的

更新日:2017/03/26 公開日:2017/03/24

コンタクトレンズの基礎知識

コンタクトレンズを安全に使うためには毎日のレンズケアが重要です。洗浄はそのひとつで、レンズに付いた汚れや微生物を除去するために専用の洗浄液を用いて行います。コンタクトレンズの洗浄液についてドクター監修の記事で解説します。

コンタクトレンズのケアにあたって、洗浄には専用の洗浄液が用いられます。コンタクトレンズの洗浄液について解説します。

コンタクトの洗浄液を使う目的

コンタクトレンズには、毎日のケアが欠かせません。レンズケアには、ハードコンタクトレンズの場合には洗浄、すすぎ、保存の3ステップが、ソフトコンタクトレンズの場合には洗浄、すすぎ、消毒、保存の4ステップがあります。どのステップにもそれぞれ目的や役割があり、また、正しくケアをするための方法があります。洗浄は、毎日のレンズケアで最初に行ないます。洗浄の目的は、コンタクトレンズに付着した汚れや微生物を除去することです。

洗浄液の種類

コンタクトレンズの洗浄には専用の洗浄液が用いられます。洗浄液には主に研磨剤を含むものと、研磨剤が含まれないものがあります。

研磨剤を含む洗浄液は、有機高分子の微粒子などの研磨剤が、界面活性剤とともに含有されている洗浄液です。指でこすり洗いすることで研磨剤が界面活性剤のみでは除去しにくい汚れを物理的に取り除きます。

研磨剤を含まない洗浄液は、主に界面活性剤の作用で汚れを取り除きます。研磨剤が含有されない分洗浄力は劣るとされますが、ソフトコンタクトレンズなど研磨剤が入った洗浄液が使用できないレンズに対してはもっとも洗浄効果が期待できる洗浄液とされています。

また、洗浄保存液というタイプのものもあります。これは、コンタクトレンズの容器に保存している間にタンパク質や脂質の分解洗浄をはかるものです。洗浄保存液に液体酵素剤を加えるタイプのものと、界面活性剤や酵素があらかじめ含有されている洗浄保存液のタイプのものがあります。

コンタクトレンズの洗浄方法

なお、コンタクトレンズを洗浄する方法には次の2つのものがあります。ひとつは、薬剤に浸して汚れを落とす「つけおき洗浄」、そしてもうひとつは、手のひらと指を使って汚れを落とす「こすり洗い」です。簡便性の点では「つけおき洗浄」の方が優りますが、汚れを落とす効果という点では「こすり洗い」の方が明らかに長じるとされています。

ある洗浄料を比較するテストによると、コンタクトレンズに付着する汚れの代表とされるタンパク質と、化粧崩れしにくいといわれるファンデーションに対して、洗浄剤の種類別、洗浄方法別に洗浄効果を観察したところ、研磨剤入りの洗浄剤を用いてこすり洗いをする方法がもっとも洗浄効果がみられた、と報告されています。

レンズによっては研磨剤の入った洗浄液の使用が適さないものもありますが、研磨剤入り、研磨剤なし、いずれの洗浄液でも、「つけおき洗浄」に比べて「こすり洗い」の方がより洗浄効果が認められるようです。タンパク質や脂質などの汚れを落とすだけでなく、微生物に関しても洗浄前の1000分の1にまで減らすことができるともいわれています。このような点からも、コンタクトレンズを洗浄する際には、専用の洗浄液を用いて「こすり洗い」、または「つけおき洗浄」と「こすり洗い」の併用をすることが推奨されています。

水ではなく洗浄液が必要な理由

コンタクトレンズは、使用しているうちに汚れや微生物がレンズに付着します。これらが付着したままコンタクトレンズを使用すると、タンパク質や脂質を分解する酵素などによって過敏症が生じたり、微生物による感染症が起こったりして、場合によっては重篤な眼の障害につながることも考えられます。レンズの清潔を保ち、眼のトラブルを避けて安全に使用するために、コンタクトレンズの洗浄は重要なレンズケアのひとつです。

レンズを洗浄する際には、専用の洗浄液を用います。洗浄だけなら水でもよさそうにも思われますが、水だけではタンパク質などの汚れを除去することは難しいとされます。洗浄液には、界面活性剤や酵素などが含まれており、洗浄の効果を助ける役割をしています。

また、コンタクトレンズのケアに水(水道水)を使用すると、水道水の中のアカントアメーバーなどがコンタクトレンズに付着するおそれがあります。アカントアメーバーが眼に深刻な障害を引き起こす危険性が高いことからも、コンタクトレンズの洗浄には、水ではなく専用の洗浄液を用いることが必要です。

なお、アカントアメーバーに対しては、ポピドンヨードタイプの洗浄液が、消毒効果が最も強いとされています。

どれくらいの頻度で洗浄するべきか

レンズケアは、正しい方法で毎日行なう必要があります。コンタクトレンズの洗浄は、装用する前と後に必ず行なうのが基本ですが、特に使用した後の洗浄が重要です。

ソフトレンズの場合には、レンズを手のひらにのせて洗浄液をつけ、表裏両面を指でやさしくこすり洗いをします。ハードレンズの場合は、レンズをすすぎ液ですすいでから、手のひらにレンズをのせ、洗浄液をつけます。両面を指でやさしく丁寧にこすって洗い、すすぎ液で十分にすすぎます。

つけおき洗浄をする場合には、レンズケースに専用の保存液と液体酵素を入れ、数時間つけておきます。こすり洗いに比べると洗浄できる度合いは高くないため、こすり洗いと併用したり、1週間〜1か月に1回、酵素洗浄剤や塩素系洗浄剤を使って強力タンパク除去を行なったりすることもおすすめです。

コンタクトの洗浄を行なう際には、必ず事前に手指を石けんできれいに洗っておくことが大切です。また、合わせて洗浄に使う洗面台も清潔にしておくと、万が一コンタクトレンズが落下した場合にも安心です。また、化粧品もレンズの汚れとなり、かつ、石けんではなかなか落ちないため、装着前の洗浄はメイクをする前に行い、コンタクトレンズを装着してからメイクをするようにしましょう。

さらに最近では、レンズの保存ケースの汚染も問題となっています。保存ケースも定期的(1,2ヶ月毎)に交換することが推奨されています。

装用の前後にレンズを洗浄するのは煩雑に感じられることもあるかもしれません。しかし、洗浄をするごとにレンズを観察する習慣をつけておくと、万が一レンズに傷や破損が生じたときにも早期に発見することが可能になります。気づかぬうちに眼の障害につながってしまう前に対策を講じることができるのは大きな利点です。専用の洗浄剤を用いてレンズの汚れを丁寧に取り除いて清潔を保ち、安全にコンタクトレンズを使用していくようにしましょう。

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