スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

慢性副鼻腔炎での手術について

更新日:2017/03/30 公開日:2017/03/30

副鼻腔炎(蓄膿症)の症状と治療法

慢性副鼻腔炎は、副鼻腔炎に炎症の発生や膿の蓄積が長期間にわたって見られる症状であり、蓄膿症(ちくのうしょう)とも呼ばれています。重症化すると手術の必要がある病気です。その詳しい内容をドクター監修記事で説明します。

慢性副鼻腔炎は風邪(かぜ)などが悪化して起こる急性副鼻腔炎の悪化の他、鼻の形が変形していることでもなりやすい病気です。初期・軽度の場合は薬物治療で改善できることが多いのですが、薬物で治療しきれない場合は手術をしなければならないこともあります。

慢性副鼻腔炎の治療

慢性副鼻腔炎に適用される治療方法はさまざまあります。手術となる場合は、治療が遅れたり病状の悪化・重症化が進んでいると判断されたりした場合が多いようです。また、軽度の場合は薬で改善できることもあります。

薬物療法

副鼻腔の炎症や鼻に溜まっている膿や鼻水などを除去し、病原体をなくしていくことを目的とされた治療方法です。

・抗菌薬

鼻の粘膜に付着しているウイルスや菌の増殖を阻止する働きを期待する薬です。特に、マクロライド系は鼻の炎症を抑えたり、鼻水を少なくしたりする効果があるとされています。マクロライド系抗菌剤を服用する前と経過後はレントゲン検査をおこない、薬によって症状が改善されたかどうかを調べることがあります。

・消炎酵素薬

鼻の炎症を抑える効果が期待できます。

・粘液溶解薬

分泌物の排出を促す働きを期待する薬です。

局所療法

・鼻水を吸い出す

専門の装置に備わっている管を鼻に差し込み、鼻水を吸引します。

・ネブライザー治療

吸入器を用いて霧状になった薬を噴射し、鼻の炎症を抑える効果を期待する治療法です。通常、鼻水を吸い出した後などにおこないます。

慢性副鼻腔炎で手術が必要な場合とは

先に述べたマクロライド系抗菌剤による治療で改善が見込めない場合や、鼻の中にポリープができてしまった場合などは手術が適用されることがあります。手術の目的は副鼻腔炎の本来の機能を回復させ、鼻の通りをよくすることです。

慢性副鼻腔炎で行う手術の内容

昔は歯茎を切って頬骨を削り、副鼻腔の粘膜を取り除くコールドウェル・ルック手術が一般的な術式でした。しかし、これは大変な苦痛をともない、患者にとって負担の大きいものといわれていました。しかし、現在適用される手術は内視鏡手術(内視鏡下副鼻腔手術)が多いようです。医療用カメラがついた内視鏡を鼻の穴に入れて、副鼻腔までの通りを十分に確保し、空気の通り道と分泌物の排出を促すことを狙いとしています。コールドウェル・ルック手術が病変部を取り除く根本術に対し、内視鏡手術は機能回復を目的とした手術となっています。

内視鏡手術のメリット

内視鏡手術の優れた点は、患者への負担が少ないことです。手術にともなう痛みは少なく、所要時間も約1時間で済むことが多いようです。術後は日帰りで退院する場合もあります。全身麻酔でなく種類や量を極力抑えた麻酔と安定剤の使用によって、患者の体の負担をさらに抑えようとする病院もあります。

内視鏡手術のデメリット

医療技術の進歩もあって手術の安全性が高まってきているといわれていますが、想定される危険性も理解したうえで手術に臨む必要があります。その危険性は以下の通りです。

・術中、術後の鼻からの出血

術中使用した器具によって、鼻の中が傷ついて出血することがあります。

・目の損傷

物が二重に見えたり、最悪失明したりする場合もあります。

・脳の損傷

髄液が漏れ出てしまったり、髄膜炎を発症したりする可能性があります。

・術後の体調不良

発熱、鼻の痛み、頭痛などがあげられます。

・声の変化

鼻の通りが改善されることで、発する声の質が変わることがあります。

慢性副鼻腔炎の術後、療養のポイント

慢性副鼻腔炎の手術後は日帰りできるケースが多いです。しかし、手術したばかりなので生活上で気をつけなければならないことは多々あります。術後のシャワーは翌日から、入浴は2日目以降から可能といわれていますが、痛みや違和感があるようなら控えた方がよいです。鼻の中は出血しやすいので、出勤するのは1、2日ほど様子を見ると安心です。ただし、土木作業などの重労働は体に負担がかかるため、休めるようならしばらく休暇をとることをおすすめします。

術後の経過観察として、通院しなければなりません。病院ごとに頻度は異なりますが、基本的には術後翌日、1週間後、1か月後を経て3か月後、6か月後と少しずつ間隔が長くなっていきます。ドクターから生活上の指導を受けた場合、それを守って過ごすことを心がけましょう。

慢性副鼻腔炎は繰り返し発症しやすい病気です。1回の治療でしっかりと改善するためには、治療後のケアを怠らないことが大事です。また、風邪をひいたら副鼻腔炎になりやすいので、風邪をひかないようにすることも慢性副鼻腔炎の再発を抑える予防になります。

ヘルスケア本