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アレルギー性結膜炎が治らない!その理由とは

更新日:2017/03/30 公開日:2017/03/27

結膜炎の治療

一年中、もしくは決まった時期だけに目のかゆみがあらわれる場合には、アレルギー性結膜炎の疑いがあります。アレルギー性結膜炎の原因や症状、治療法について、ドクター監修の記事で解説します。

アレルギー性結膜では、季節性や慢性的なものなどさまざまですが、原因物質に触れるたびに症状があらわれるため、なかなか治らないという印象を持たれている方も多いのではないでしょうか。その原因によって症状や治療も異なるため、以下で詳しく見ていきましょう。

アレルギー性結膜炎のメカニズム

アレルギー性結膜炎とは、アレルギー症状によって目の結膜に炎症が生じる病気です。炎症によって目のかゆみや充血などの症状があらわれます。結膜とは、まぶたの裏側と白目の表面を覆っている膜のことです。アレルギーは、外から侵入した物質に体が過剰な免疫反応を起こすことで症状があらわれるため、結膜はアレルギー症状が起きやすい場所でもあります。

原因物質で異なるアレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎では、原因によってさらに細かく分類されます。これは、アレルギー反応を引き起こす物質は人によって異なるためで、症状もさまざまであるためです。

季節性アレルギー性結膜炎

花粉がアレルギーの原因とされていて、花粉症の一つでもあります。春や秋など花粉の飛散の多い季節にあらわれやすく、その季節になると毎年同じ症状があらわれます。

通年性アレルギー性結膜炎

ハウスダストが原因の結膜炎です。季節性のアレルギー性結膜炎とは異なり、一年中症状が慢性的であるという特徴があります。

アトピー性結膜炎

アトピー性皮膚炎の影響で結膜に炎症を起こることもあります。通常のアレルギー性結膜炎よりもひどい症状があらわれ、角膜に点状表層角膜症がみられることもあります。悪化すると白内障や網膜剥離などのおそれもあります。

春季カタル

10歳までの男児に多く見られる慢性重症型のものです。上まぶたの裏側に乳頭というぶつぶつができて、瞬きの度に角膜とこすれるため、角膜に傷ができたり、視力が低下したりするなどのおそれもあり、通常の治療よりも必要となる薬物が多くなります。

巨大乳頭結膜炎

コンタクトレンズなどによってもアレルギー性結膜炎になることがあります。目立った症状があらわれないことが多いですが、特徴として上まぶたの裏側にブツブツがみられることもあります。

アレルギー性結膜炎の検査方法

アレルギー性結膜炎の検査では、かゆみなどの症状がアレルギー反応によるものかを調べる必要があります。そして、検査によって涙液中のIgEや結膜擦過物中(目やになど)からの好酸球が検出された場合に、アレルギー性結膜炎と診断されます。IgEとはアレルギー反応によって生じる免疫物質のことで、好酸球はアレルギー反応で生じる炎症細胞のことです。そして、以下にあげた3つの方法で検査が行われます。

細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査

アレルギー性結膜炎の検査では、まず目の健康状態を確認します。この際に、細隙灯顕微鏡という装置によって検査が行われます。細隙灯顕微鏡は、スリットランプから細い光を照らすことで、眼球の各部を拡大して見ることができます。結膜だけでなく、角膜、虹彩、水晶体など肉眼では確認できない部分まで検査することができるため、白内障や緑内障など眼科の基本的な検査でもあります、

アレルウォッチ

最近では、アレルギー性結膜炎の判断が簡単にできる、アレルウォッチという検査も行われるようにもなっています。アレルウォッチでは、まず細い検査用紙を下まぶたにぶらさげます。そして、その用紙を検査薬に10分程度浸すことで涙の中に含まれているIgEを確認することができます。ただし、アレルウォッチでは、アレルギー性結膜炎の判断はできるものの、原因となっているアレルギー物質を特定することはできないという点に注意してください。

血液検査

アレルギー性結膜炎が疑われた場合には、原因となっているアレルギーとなる物質を特定します。特に、花粉やハウスダスト、動物やコンタクトレンズの汚れなど、アレルギーの原因は人によって異なります。そのため、治療をする上で、検査によるアレルギーの特定が必要になってくるのです。

この際に用いられる検査方法が、血液検査です。血液検査は、結果が判明するまでに数日かかるものの、微量の血液でアレルギーを特定することができます。また、検査結果のデータを数値として保存することができるという特徴があります。アレルギーを特定するための検査方法では、血液検査以外に、「スクラッチテスト」などが行なわれる場合もあります。

重症度に応じた薬物療法

アレルギー性結膜炎の治療では薬物療法が用いられます。また、その重症度によって、使用される薬物も異なります。

抗アレルギー点眼薬

アレルギー性結膜炎の治療では、軽度の症状であれば抗アレルギー点眼薬が使用されます。抗アレルギー点眼薬は、かゆみの原因物質であるヒスタミンを抑える効果があります。主に、ヒスタミンH1拮抗点眼薬というものが使用されます。アレルギー反応では、アレルギー物質がIgE抗体を介してマスト細胞といわれる肥満細胞などIgE受容体から、ヒスタミンやセロトニンといった物質を放出します。

そして、ヒスタミンが血管を拡張させることで、さまざまなアレルギー症状があらわれます。抗アレルギー点眼薬は、マスト細胞の作用を抑制する効果があるため、ヒスタミンによるアレルギー症状を抑えることができるのです。抗アレルギー点眼薬は副作用が少ない薬ですが、勝手に使用を中断するなどは避ける必要があります。必ず医師の指示に従って使用するようにしましょう。

ステロイド(副腎皮質ホルモン)点眼薬

抗アレルギー点眼薬では治まらなかったり、角膜に傷がみられたりするなど、重度のアレルギー性結膜炎に対しては、ステロイド点眼薬が使用されます。ステロイド点眼薬は、炎症に直接作用するため、速効性があり効果が高いという特徴があります。しかし、眼圧上昇や緑内障、白内障などを誘発する副作用もあります。そのため、経過観察を行いながら使用することが必要です。また、アトピー性結膜炎の場合には、ステロイド剤軟膏をまぶたに使ってアトピー性皮膚炎もあわせて治療することもあります。

さらに重度の場合への対処法

以上のような薬物でも症状が安定しない場合には、免疫抑制剤点眼薬や抗アレルギー薬の内服剤も組み合わせて治療していきます。また、重度の春季カタルには、ステロイドを内服したり結膜に注射を行って治療することもあります。

アレルギー性結膜炎の療養のポイント

効果的な薬物の使用方法

花粉が原因などの毎年起こるアレルギー性結膜炎では、症状があらわれる時期を予測することができます。処方された抗アレルギー点眼薬を、その時期よりも数週間前から使用しておくと、症状を和らげることができるといわれています。ただし、使用する際には医師の指示に従うことを忘れないようにしましょう。

日常生活でアレルギーの原因を予防

アレルギー性結膜炎を治療するうえでは、薬物療法だけでなく、日頃から原因となっているアレルギー物質に気をつけるようにしましょう。花粉が原因であれば外出時にはマスクやメガネで予防する、ハウスダストが原因であれば、寝具を変えてみたりこまめに掃除したりすることが有効であるといわれています。また、巨大乳頭結膜炎の場合は、コンタクトレンズもこまめに洗浄し、清潔にしておくことが大切です。いずれにせよ、日頃から注意しておくことでアレルギー症状を抑える効果が期待できるといわれています。