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うつる結膜炎とうつらない結膜炎とは

更新日:2018/02/15 公開日:2017/03/27

結膜炎の基礎知識

結膜炎といっても原因によって種類はさまざまです。特に、うつる結膜炎であった場合には、治療だけでなく、感染を予防することも必要です。そこで、うつる結膜炎について、ドクター監修の記事で解説します。

結膜炎は、細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎、アレルギー性結膜炎の大きく3つに分類されています。その中で感染性のあるものは、細菌性結膜炎とウイルス性結膜炎の2つです。それぞれ原因や治療法が異なるため、正しい対処法を知っておきましょう。

うつる結膜炎の種類とは

細菌性結膜炎

細菌性結膜炎は、インフルエンザ菌や黄色ブドウ球菌などの細菌に感染することで引き起こされます。これらは、普段から身体中に存在していて、感染力は弱い細菌です。しかし、抵抗力が低下すると感染しやすくなります。特に、子どもはインフルエンザ菌、高齢者は黄色ブドウ球菌による感染が多くみられているため、注意が必要です。症状としては、結膜炎全体に共通する黄色っぽく粘着質な目やにや、白目の充血などがあらわれます。

また、性行為や妊娠中の産道を通して、クラミジア菌や淋菌による結膜炎を引き起こす場合もあります。特に、クラミジアによる結膜炎は、症状が進行すると角膜にも感染し、視力が低下するおそれもあります。

ウイルス性結膜炎

ウイルス性結膜炎は、細菌よりも小さなウイルスに感染することで発症します。原因となるウイルスや症状によって、流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎に分類されます。

流行性角結膜炎は、アデノウイルス8型などが原因で、強い症状があらわれることが特徴です。そして、咽頭結膜熱は、アデノウイルス3型や7型が原因で、発熱や下痢など、風邪(かぜ)のような症状があらわれることもあります。また、急性出血性結膜炎は、エンテロウイルス70型やコクサッキーウイルスA24型が原因で、強い感染力があるとされています。

アレルギー性結膜炎はうつらない

一方、アレルギー性結膜炎は、特定の物質によるアレルギー反応が原因の結膜炎です。症状の特徴は、白っぽい目やにがあらわれることです。アレルギー反応を引き起こす物質によって、主に花粉症などの季節性、ハウスダストなどが原因の通年性の結膜炎に分類されます。このほか、アトピー性皮膚炎によるもの、慢性的な春季カタル、コンタクトレンズなどによる巨大乳頭結膜などもあります。これらは、外から侵入した物質によって身体が過剰な免疫反応を起こすことで引き起こされます。しかし、人によってアレルギー反応を起こす物質が異なるため、感染する可能性はありません。

検査の種類

結膜炎の検査では、それぞれの結膜炎で特徴的な症状が異なります。そのため、まずは所見で症状を確認して、どの結膜炎が疑われるのか判断します。この際には、細隙灯顕微鏡という装置を使用した検査も行われることもあります。細隙灯顕微鏡では、眼球の各部を光で照らして見ることができるため、肉眼では確認できない部分まで検査することができます。そのため、眼科の基本的な検査として行われることが多いといわれています。

細菌性結膜炎が疑われる場合には、目やにを培養して薬剤の感受性を確認することで、原因となっている細菌を特定することができます。一方、ウイルス性結膜炎の場合には、専用のキットによる検査でウイルスの有無を判断したり、血液検査によって確認された抗体の数値から原因となるウイルスを特定するなどの方法が行われます。

感染型の結膜炎の治療法

結膜炎の種類別に、治療法をご紹介します。

細菌性は根治治療が可能

細菌性結膜炎では、原因となっている細菌に有効な抗生物質によって早期に完治させることができます。細菌によっては、基本的な抗菌点眼薬による治療に加えて、軟膏や内服薬が処方されることもあります。医師の指示通りに処方薬を使用することで、数日~2週間以内に完治することが多いため、早めに受診して治療するようにしましょう。

ウイルス性には対症療法

ウイルス性結膜炎では、原因であるウイルスに有効な治療薬がありません。そのため、抗菌点眼薬を使用して炎症を緩和させたり、二次感染を防止したりする対症療法で治療が行われます。対症療法では、体内でウイルスの抗体が作られることで、発症から10日程度で症状が改善されていきます。また、角膜に濁りが生じている場合にはステロイド点眼薬も処方されます。

感染型の結膜炎を予防するポイント

家族や友人、会社で、他の人へ感染させないためにも、日々の習慣から結膜炎を予防しましょう。

身体の抵抗力を高める

細菌性結膜炎の原因となるインフルエンザ菌や黄色ブドウ球菌などは、普段から身体に存在している菌であるため感染力は弱めです。しかし、抵抗力が弱まることで感染するリスクが高まります、そのため、疲れた時には無理に身体を動かすことなく、十分な睡眠などしっかりと休息するようにしましょう。また、ウイルス性結膜炎の場合でも、対症療法で治療するしかできないため、身体の抵抗力を蓄えておくことで、早期の症状の改善に有効です。

手洗い、うがいを心がける

細菌性、ウイルス性どちらの結膜炎の場合でも、感染経路に注意することも大切です。特に、細菌やウイルスが付着したものを触った手で目をこすることは厳禁です。石けんで手洗いをする習慣を心がけるようにしましょう。

また、家庭内での二次感染を防ぐために、ドアノブを除菌したり、タオルや洗面用具、目薬などを共用しない、入浴の順番に気をつけるなどの対策が有効です。

除菌については、流行性角結膜炎や咽頭結膜熱(アデノウイルス)の場合は消毒用エタノールなどで二度拭き[1]、急性出血性結膜炎(エンテロウイルスなど)の場合は塩素系の消毒剤が有効[2]とされています。細菌の感染力はさほど強くないので、ウイルスに準じて除菌を行ってください。

参考文献

  1. [1]国立感染症研究所. “アデノウイルス予防と対策・診断” https://www.niid.go.jp/niid/ja/lab/242-vir1.html?start=5(参照2018-02-15)
  2. [2]横浜市衛生研究所. “エンテロウイルスについて” http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/entero1.html(参照2018-02-15)

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