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蚊に刺された部位が腫れてしまったら

更新日:2018/06/27 公開日:2017/03/31

虫による皮膚疾患

夏になると蚊に刺されることが増えますが、夏以外の季節でも、川や森などに遊びに行くと、蚊に刺されることがあります。蚊に刺されるとたいていは赤く小さな傷口ができて、かゆかったり、少し痛かったりすることは多くの人が経験しています。なかにはひどく腫れる人もあります。ここでは、蚊に刺されたことによる腫れはなぜ起こるのか、どう対処したらいいのか、病院に行くべきなのかをドクター監修のもと解説します。

◎短くポイントをまとめると
蚊に刺された後にできる腫れやかゆみの正体は「蚊の唾液に対するアレルギー反応」
患部を冷やしたり、虫刺され用の薬を塗ったりすると、かゆみや炎症が抑えられる
蚊に刺されただけにしては症状が重すぎる場合、掻きこわした皮膚に膿の入った水疱やかさぶたができた場合、発熱、頭痛、関節・筋肉痛、吐き気などの症状が現れた場合は病院へ

蚊に刺されて腫れた子供

蚊に刺されるとどうして腫れるの?

日本には蚊が110種類ほどいます[1]。夜に耳元でプ~ンと飛び回って血を吸う「アカイエカ」、庭いじりや公園で遊んでいると近寄ってくる「ヒトスジシマカ」、感染症を媒介することで有名な「ハマダラカ」など、色々な種類がいますが、どの蚊も人間の血を吸うのはメスだけです。

蚊が血を吸うときは、針状に尖った口器で人間の皮膚を刺します。このとき、血を吸いやすくするための酵素が入った唾液を注入します。針を刺され、血を吸われているときは、多くの人はそれに気づくことができません。気がつくのは大抵の場合、皮膚が赤くなって腫れ、強いかゆみを感じたときです。このとき、すでに蚊の姿はありません。

この腫れやかゆみの正体は「蚊の唾液に対するアレルギー反応」です。人体にとって蚊の唾液は異物ですので、免疫システムがこれを感知して炎症を起こします。皮膚に炎症が起こると、赤くなり、熱を持ったようになって腫れ、かゆみが起こります。ここで大きな役割を果たしているのが「ヒスタミン」と呼ばれるかゆみ物質です。

※蚊に刺されたときに起こるアレルギー反応には2種類(即時型、遅延型)があります。詳しくは『人によって違う!「蚊」に刺された時の症状と対処法』をご覧ください。

蚊に刺された腫れを治す方法

蚊に刺された後にできる皮膚の腫れやかゆみは、患部を冷やしたり、虫刺され用の薬を塗ったりすることで抑えることができます。

患部を冷やす

蚊に刺されて腫れている部分は非常にかゆいのですが、ここで掻いてはいけません。腫れている(炎症を起こしている)部分を冷やすことでかゆみを抑えることができますので試してみてください。ビニール袋にいくつかの氷と少量の水を入れて縛り、ガーゼやタオルで巻いたものを使うのがおすすめです。これなら肌にやさしく、冷やし過ぎる心配もありません。

虫刺され用の薬を塗る

冷やした後は、虫刺され用の薬を塗っておくと楽になります。薬局やドラッグストアで軟膏、クリーム、液体などの製品が買えます。この虫刺されの薬に入っている成分には下記のような効果があります[2]。

かゆみを抑える成分
抗ヒスタミン成分(イソチペンジル、クロルフェニラミンマレイン、ジフェンヒドラミン)
局所麻酔成分(ジブカイン、リドカイン)
その他(クロタミトン、アンモニア)
炎症を抑える成分
ステロイド抗炎症成分(デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン)
グリチルリチン

この他に、殺菌成分(イソプロピルメチルフェノール)や清涼化成分(dl-カンフル、l-メントール)が配合されている製品もあります。殺菌成分は腫れた部分を掻きこわしてしまって皮膚バリアが弱まったところに細菌が感染するのを防ぐ効果が期待できます。清涼化成分は塗ると肌がスーッとする成分で、かゆみを感じにくくなります。色々な製品があるので、好みに応じて選んでください。薬剤師や登録販売者からアドバイスをもらって選ぶのもおすすめです。

蚊に刺されて病院へ行く必要はある?

通常、蚊に刺されただけで病院にいく必要はありません。前述した方法で対処しておけば、長くても数日でおさまります。ただし、下記のような場合は病院(皮膚科、内科)を受診するようにしてください。

蚊刺過敏症(蚊アレルギー)

蚊に刺されたところが、かゆいどころか強い痛みが出て、腫れるだけにとどまらず潰瘍になり、発熱やリンパ節の腫れまで引き起こす「蚊刺過敏症」(ぶんしかびんしょう)(別名「蚊アレルギー」)という病気があります。通常イメージする虫刺されに比べるとかなり重い症状が出ます。この蚊刺過敏症は、EBウイルスという病原体に慢性的に感染している人が、蚊に刺されたことをきっかけにして激しい免疫反応が出てしまうという病気です。かなりまれな病気ではありますが、蚊に刺されただけにしては症状が重すぎると思ったら、皮膚科に診てもらうようにしましょう。

※蚊刺過敏症について詳しくは『蚊アレルギー(蚊刺過敏症:ぶんしかびんしょう)』をご覧ください。

とびひ(伝染性膿痂疹)

特に子供では、蚊に刺されて腫れた部位のかゆみが我慢できなくて、皮膚を掻きこわしてしまうことがあります。すると、その傷口から細菌が入り込んで、伝染性膿痂疹(とびひ)など別の皮膚の病気を招くケースが考えられます。このような場合も皮膚科での診断や治療が必要になります。

※とびひの詳しい症状については『とびひって何?どのような状態?』をご覧ください。

蚊が媒介する感染症

蚊はマラリアやデング熱、日本脳炎などの感染症を媒介することも知られています。海外旅行をしたときに蚊に刺された、という場合は注意が必要です(ワクチンを打っていないならなおさらです)。もし、蚊に刺された後少し経ってから、発熱、頭痛、関節・筋肉痛、吐き気などの症状も出てきたりした場合は、内科医に診てもらうようにしましょう。

参考文献

  1. [1] “カ(蚊)” 南山堂医学大辞典 第20版. 南山堂 2015
  2. [2]日本OTC医薬品情報研究会編. OTC医薬品事典 第15版. じほう2016; 420-428

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