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スズメバチに刺されたときの対処

更新日:2017/10/24 公開日:2017/03/31

虫による皮膚疾患

スズメバチなどの蜂に刺されたときには、アレルギー反応による危険もあるため、適切な対処をすることが大切です。症状や治療法、注意したいポイントについて、ドクター監修の記事でお伝えします。

スズメバチに刺されたときには、適切な対処により症状を軽くできる可能性があります。また、スズメバチなどの蜂の刺傷(ししょう)には、アレルギー反応の危険もあります。重篤なアレルギー反応であるアナフィラキシーは、命の危険もあるため、迅速な対応が不可欠です。スズメバチに刺されたときの症状や、注意ポイント、刺されないための予防法について、詳しく解説していきます。

スズメバチとは

スズメバチとは、カリバチと呼ばれるハチの仲間の一種で、攻撃性の強い蜂として知られています[1]。里山や農村だけではなく、都心でも生息がみられるようになっています。

スズメバチの特徴

攻撃性がかなり強いといわれています。特に、晩夏から秋にかけては働きバチが増える時期で、攻撃性も上がるため注意が必要です。蜂に刺される事故は、8月や9月に多く報告されています。飛び方は、素早く、直線的に飛ぶのが特徴です。羽音が大きいのも、見分けるサインになります。警戒心が強く、巣に近づくと威嚇をはじめ、立ち去らないと、攻撃してくる場合もあります。

スズメバチに刺されたときの症状

ハチに刺されると、激しい痛みが生じ、患部が赤く腫れてきます。初めて刺されたときには、1日程度で症状は治まりますが、2回目以降はアレルギー反応が起きることがあります。反応が強い人の場合には、アナフィラキシー反応と呼ばれる状態になることもあります[2][3][4]。蕁麻疹(じんましん)や腹痛、嘔吐などの全身症状が見られ、場合によっては、呼吸困難などの重篤(じゅうとく)な症状を引き起こすことがあります。

スズメバチに刺されたときの対処法

スズメバチに刺されたときは、適切な対処を行えば、症状が軽く済むこともあります。落ち着いて手当を行いましょう。

毒を取り除く

すみやかに毒を吸い出し、体内に残っている毒を少なくしましょう。ポイゾンリムーバーという市販の装置を使うと、うまく取り出せます。また、水道水で患部を洗い流すのでもよいでしょう。口で吸い出すのは、危険なのでやめましょう。蜂の毒は水溶性のため、唾液と一緒に体内に取り込んでしまう危険性があるからです。

患部を冷やす

刺された部位を、氷のうなどで冷やしましょう。痛みや腫れをやわらげるのに効果が期待できます。

病院へ行く

病院で症状を伝え、適切な薬を処方してもらいます。痛みや腫れがひどいときには、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン剤を用いることが多いとされています。蜂に刺されると、強いアレルギー反応が出る場合があります。気分が悪くなったり、全身に症状が現れたりしたら、迷わずに救急車を呼びましょう。

アナフィラキシー反応が起きた時の症状と対処法

スズメバチをはじめとする蜂の毒には、さまざまな成分が入っており、中には、アレルギー反応を引き起こす成分もあります。先に紹介しましたが、重度のアレルギー反応は、アナフィラキシー反応と呼ばれます。

アナフィラキシーとは

アナフィラキシー反応とは、強いアレルギー反応のことです[3]。蕁麻疹(じんましん)や腹痛、嘔吐などの全身症状が起こるようなケースが該当します。さらに重くなると、血圧の低下、呼吸困難などが起こってきます。命にかかわる危険な状態になるため、アナフィラキシーを疑ったら迷わずに救急車を呼びましょう。アナフィラキシー反応の重さにより、数分から数時間以内に死亡に至るケースもあります[1]。

アナフィラキシーの症状

アナフィラキシーは全身に症状が現れます。少しでも症状が出た場合は、すみやかに病院を受診しましょう。次のような症状に気をつけてください。

・蕁麻疹や紅斑などの皮膚の症状

・腹痛や吐き気、嘔吐、下痢などの消化器の症状

・血圧の低下

・上気道の浮腫による呼吸困難や窒息

アナフィラキシーの対処法

医療機関を受診して、アドレナリンの注射を受けることが大切です[1]。そうした治療が直ちに受けられない場合、患者や患者の保護者が緊急避難的にアドレナリンを注射できる方法として「エピペン」と呼ばれる薬と注入器が一体になった注射製品があります。事前に登録している処方受諾医師が処方するものです[5]。

スズメバチに刺されたときの俗説

蜂に刺されたときの応急措置として、尿をかけるとよいという説があります。しかし、尿やアンモニアは効果がないばかりか、症状が悪化する可能性もあるといわれているので、行わないようにしましょう。

スズメバチの予防方法

以下のようなポイントに注意しながら、スズメバチ対策をしていきましょう。特に、8~9月や野山を歩くときなど、注意を怠らないようにしましょう。

服装

できるだけ肌を出さないよう、長袖・長ズボンを着用するのがよいでしょう。針が通過しにくい厚手の生地にすると、さらに効果的だと考えられます。また、スズメバチは、黒い色に攻撃してくるといわれています。白や黄色の服を選ぶといいでしょう。

持ち物

蜂が攻撃してきたときに備えて、殺虫スプレーを携帯するといいでしょう。襲われたときに、被害を最小限にできると考えられます。また、防網や防蜂手袋もあると安心です。

その他

攻撃性が高くなる8~9月や、スズメバチの被害が確認されている野山の散策は避けましょう。特に、野山のひとり歩きは、万が一のときに助けを呼べないため危険です。複数人で行動するようにしましょう。スズメバチの巣を発見した場合、むやみに近づかないようにします。蜂がカチカチと音を出していたら、威嚇のサインです。手で振り払わず、体制を低くしてその場から立ち去りましょう。

参考文献

  1. [1]デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル 2016; 2167-2169, 2808-2810
  2. [2]日本皮膚科学会. "虫刺され" 皮膚Q&A. https://www.dermatol.or.jp/qa/qa16/q06.html (参照2017-10-10)
  3. [3]MedlinePlus. "Allergies – overview" NIH. https://medlineplus.gov/ency/article/000812.htm (参照2017-10-10)
  4. [4]Müller C, et al. The use of concentrated heat after insect bites/stings as an alternative to reduce swelling, pain, and pruritus: an open cohort-study at German beaches and bathing-lakes, Clin Cosmet Investig Dermatol 2011; 4: 191–196
  5. [5]浦部晶夫ほか編. 今日の治療薬2017. 南江堂 2017; 315

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